「あんたら、家、来ないか?」
もう一度杜若はそう言った。
「………どういうことだ?少なくてもお前は俺たちのことを邪魔だと思っている」
「そりゃ、まぁな。言っちまうと、正直あんた等の存在は邪魔だ。けどなぁ、少なくてもあんた等はDEVILじゃあない。それに……人類の自由と平和のために戦う戦士“仮面ライダー”なんだろ?」
「その言い方だと、君は違うみたいだなぁ?」
結城は、杜若を見ると、呟くようにそう言った。
「………ああ、俺は違うな。別に人の為にやってる訳じゃあねぇ。ただ、あいつ等が気にいらねぇだけだ……それに、ウザイだろ?ああいう馬鹿どもはよぅ。ンでだ、そのウザイ奴等を一掃するのに、あんた等は使えそうだ。だから――」
「――来ないか、か?」
「……そうだ。で、来るのか?」
「……どうする、風見?」
「そうだな……せっかくだ。厄介になろう。それに、この世界のことも聞きたいしな」
「ああ。そうだな……」
「なら、決まりだな。ついて来いよ」
言うと、杜若は指をはじき ―― それに連動して、一台のバイクが現れた。
それに飛び乗ると……。
「遅れるなよ」
そう言って、杜若は走り出した。
「………行くか」
「あ、ああ」
半ば呆然とその様を見るV3とライダーマン。
「ハリケーン!」
「来いっ!」
共に自分のマシンを呼ぶと、それを駆り、杜若に続く。
「何て速さだ……!ハリケーンですらついて行くのが精一杯だ」
「風見、それでどうするつもりだ?」
杜若について行きながら、二人はそう言葉を交わしていた。
「取り敢えずはこの世界についてだ。その後は……何処にいても同じだ。敵がいる限り……平和を脅かす者がある限り、仮面ライダーは戦う」
「……フ、そうだな」
口元に笑みを浮かべながら、ライダーマンも賛同した。
「ここだ。まぁなにも無いが入ってくれよ」
「ああ」
二人は変身を解きながら、その建物を見た。
「杜若朋張春究所(かきつばたともはるけんきゅじょ)……?」
そこに掲げられた看板をそう一読する結城。
「うちの親父の研究所だ……もっとも、親父は何年か前に死んじまったけどな……ま、いいじゃねぇか。とにかく入れよ」
「………済まない」
「気にすんなって……」
そう言う杜若の顔はどことなく曇って見えた。
「さてと……帰ったぜ」
「ああ、遅かったなぁ」
「ちょっとな、手間どっちまって。それに、拾いモンしたもんでよう」
「拾いモン?」
言いながら出てきたのは、杜若より若干年上に見える青年であった。
「こいつらだ」
その言葉に、杜若の後ろを見る青年。
「………誰だ?」
「えっと………そういや、まだ名前聞いてなかったなぁ。あんたら、何てんだ?」
「俺の名は風見志郎、そして、こっちは結城丈二。二人とも……仮面ライダーだ」
「ああ、それは解ってる。っと、俺は杜若湧輝。で、コイツは、奏魏双十。まぁ、賞金稼ぎってとこかな……」
「賞金稼ぎ!?」
「ああ、DEVILの奴等倒すとな、国がいくらかくれんだよ。ま、その大半は俺が貰ってるけどな……まぁ、そんなことはどうでもいいや。あんたら、どっからきたんだ?」
「なるほど……って、言いてぇのは山々なんだけどよう、ホントなのか、それ?」
共に自己紹介をし、この世界に来た過程を話すと、杜若は疑り深そうにそう言った。
「信じたくなければそれでいい。だが、真実だ」
風見は、杜若を凝視するとそう付け加えた。
二人が通されたのは、研究所の、その施設から少し奥に入った所にある住居部分。その一角のたぶん、杜若の個人の部屋だろ。そう言ったところだった。
「だってよぉ。なぁ、信じられるか、双十?」
「微妙なところだな……だが、これだけは言える。湧輝、お前だけじゃあないってことだ、戦える人間は」
「そりゃな……」
「……そのことを聞きたいんだが――」
風見は半歩ほど前に出ると、そう言った。
「――ここは何処で、いったい奴等は何なんだ?」
「そうだな。一応話さねぇとな……何も解らねぇと大変だろう……ここは、たぶんなんだが、あんた等の言うところの、未来ってヤツだ」
「やはり、そうなのか……」
結城は俯きがちにそう言うと、再び顔を上げ杜若と奏魏を見た。
「何だ、知ってたのか?」
「正確には知っていた訳じゃあない。デビルの奴等が、デストロンを含めた幾つかの組織の名前を口にした。なので、ここは未来か過去だと予想はついた。その上で、過去ならば、この町の発展はおかしいと思い、そう判断した」
「なるほどな。結城さん、あんたは少しは科学に精通しているらしい」
「結城は元はデストロンの優秀な科学者だったんだ」
奏魏の言葉に風見はそう返事をした。
「優秀と言うほどでもない。ただ……――」
一瞬結城は顔を曇らせ、改めて言葉を続けた。
「――よそう、そんな話は。それよりも、続きを話してくれ」
「ああ、あんた等の変身した姿を見て思ったんだがな……四十年ほど前から、度々世界征服なんてのを狙う組織が出ては消えていった。その陰に必ずと言っていいほど潜んでいたのが“MASKED RIDER”と言う者達だった――」
†
過去に、SHOCKERを初めとし、幾つもの組織が現れては消えていった。
その陰に潜んでいたのが“MASKED RIDER”と言う者達だった。
一九七一年に初めてのMASKED RIDERが生まれた。それは、1号と呼称され、その後、それは、同型の改造人間2号と共に、SHOCKERを壊滅させた。
しかし、その僅か数ヶ月後には、次の組織、DESTRONが姿を現した。
それを壊滅させたのが、V3と元DESTRON科学者ライダーマンだった。
が、どうように、更にその数ヶ月後には秘密機関GODが、誕生していた。
†
「ゴッド?」
「そうだ。つまり、それがあんた等が過去から来たという理由だ。そのGODを壊滅させたのもまたMASKED RIDER――仮面ライダーだった。しかし、その後にも、幾つも組織が結成され、仮面ライダーに壊滅させられていった」
「……本当なのか?!」
「風見、信じたくはないかもしれないが、たぶん真実なんだろう。デビスの者も別の組織の名を言っていた……今言ったゴッドだとかゴルゴムだとか……」
「なんてことだ……」
風見は拳を床に叩き付けると何処か遠い目をした。
「確かにな……俺も命がけで守った世界が何度となく危険にさらされるなんて思ってもいなかった」
「そりゃそうだろう。あんた等は過去から来たんだからな」
「………そうだ!」
結城は突然声を上げ、奏魏を見た。
「他の過去のライダーはどうした?本郷先輩や一文字さん――1号2号は?」
「奴等のとこさ」
「何!?」
「あの、RYOHGINってのが言ってただろ?全て冥界に吸い込まれたって……」
「………そうか………」
「まぁ、そう暗くなるなよ。この世界は俺が必ず守る。そして、MASKED RIDER達も助ける。だから、あんた等も、手伝って欲しい」
「………わかった。いや、勿論だ!一度救った世界だ。もう一度救ってみせる!」
「風見………そうだな。俺も付き合おう。一度はなくした命、もう一度賭けるのも……償いになるだろう……」
「サンキュ!じゃあ、今度は、DEVILについて話さねぇとな……」
と、その時、奏魏が手元のパソコンを操作し叫んだ。
「湧輝、デビルだ!」
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