四コママンガの描き方(我流)です。
まず四コマのワク線は1コマがこの大きさで描いています。
これぐらい大きく描かないと線のギザが目立ちますからね。
最初は適当な色(今回は赤)で適当にマンガを描きます。
これはあくまで下書きで後で消すのでいいかげんで構わないです。
フリーハンドで描いてしまいましょう。
次に黒色の線で輪郭を書き込みます。
フリーハンドで描いても良い味が出ますがなかなか思った様には
描けないという場合は太目の直線でつなげるように描いていきます。
縦に真っすぐ、横に真っすぐ、45度の斜め線を書くときは「シフト」を
押しながらドラッグすれば直線が一発で描けますよ。
黒色でマンガが描けたら下書きの赤い色を消します。
赤色で塗りつぶしていって最後に赤色の部分を白色に
塗り変えれば白と黒だけのモノトーンになります。
細かい所に赤色のドットが残ったりしますので拡大してよく
確認して白で消しておきます。
どうせ白黒ページなので赤色が残っても黒色になってしまうのかも
しれませんが、そこはマナーですね。
はい、この様にどんどん赤色で塗りつぶしていきます。
これ、別に赤色じゃなくても構いませんよ、青が好きなら青色で
黄色が好きなら黄色で下書きしても何も問題はありませんが、
黄色じゃあ見難いから赤で描いています。残ったドットを探すのも
赤色は発見しやすいのです。
はい、どんどん白色で塗りつぶしていきます。
この時点で白黒の原画が出来上がります。
手で描いているマンガにしてみたらペン入れがすんだ状態になります。
はいはい、白黒マンガの出来上がり。ここまで描ければあとは実際
装飾とセリフ入れを残すだけですから、一山越えたというところです。
黒色やグレー(濃淡分けする)のモノクロ系の色にするところは
あらかじめ塗ってしまいます。各コマでズボンの色が違うなんてことが
ないように、全部同じ人物のズボンは色を揃えます。
あまり色や模様に凝るのも四コマらしくなくなるので、ほとんどの部分は
濃さの違うグレーで塗りつぶすことになります。
セリフの入る丸い枠、ようするに「吹き出し」を描きいれましょう。
入れる言葉を考えながら、大きさが不足しないように大きく描きます。
予定外に後でセリフを変更する場合もありますが、その時に考えた
セリフが多くて吹き出しに入りきらない時にはセリフの枠を大きく
しなおさないといけなくなります。大きく楕円を描いたら同じ色の
直線で誰がしゃべっているのか分かるように三角に発声線を描きます。
とりあえず吹き出しの中は何かの色を塗っておきます。
これは後で写真を使って模様を入れる時にこの中にまで模様が
入り込んでこないようにしているのです。
この時に使う色も何でもよいです、後で消しますから。
次にもう一つペイントを立ち上げます。
そこから「ファイル」→「開く」で予めグレースケールにしておいた写真、
要するにカラーではなく白黒写真にしておいたものを開きます。
これは使える!と思った写真を保存して白黒写真にしておいたものを
使っています。ここのところは「写真を使って描いてみよう」のページと
同じです。イラストならカラー写真をそのまま使いますが、四コマは白黒
ページに載せますから白黒で描いているだけです。
この写真を使うことにしました。帽子の柄に使うので何でもいいのです。
花柄でも星の柄でも自分のお好みで使いましょう。
この写真は・・・何なのでしょう?分かりませんがそれでいいのです。
模様が気に入ればそれでOK。
ここからも「写真を使って描いてみよう」と同じですが、柄を入れたい部分だけを
白色で残して他の部分は白以外の色で塗りつぶしてしまいます。これはここには
柄を入れたくないので「透過」しないようにしているワケです。白く残したところにだけ
選んだ写真の柄が入ります。
はいでは、柄を入れたい部分を範囲指定して右クリックから「コピー」。
もうひとつ開いているペイントの上で右クリックから「貼り付け」。
これで白黒写真の上に今コピーした部分が現れました。
この柄で良ければそれでいいですが、もう少し右下の方の柄が
いいなぁと思えばドラッグして好きな部分に移動させます。
このあたりの柄を使うことにします。
いったん点線の四角の外でどこかをクリックして確定させておきます。
確定させた部分の内側を範囲指定して「コピー」します、
というか、し直します。
柄のついた帽子を確定させておいて、それをまたここから
さっきの四コママンガに持ち帰るってことですね。
四コマの方のペイントに戻って「貼り付け」で左上にさっきコピー
したガラ入り帽子が現れます。次にこれをドラッグして白い帽子のところまで
持って行き、ぴったりと重ねるのです。
こんなふうにズラしていきます。
ピッタリと合わせるコツですが、縦横いろいろな線を合わせていくことです。
まずどこかの縦線をピッタリと重ねておいて、それから横の線を見つけて
これもピッタリ合わせると元の位置にピッタリと全て収まるのですが、ここ
いいかげんにやると後でズレが見つかった場合、修正が大変です。なので
ここの重ね合わせは何度でもやり直してドンピシャに合わせます。
こんな感じでピッタリと柄入りの帽子として戻ってきました。
単にグレーで塗りつぶした帽子ではつまらないのでこうして
柄を入れてやるのです。
同じようにして竿の部分にも砂のような柄を入れてみました。この辺
どんな柄を入れようかと考えながらやっているとこれがまた楽しい。
ただ、柄を入れるのもほどほどにしておいた方が無難です、あまりあちこちに
柄を入れると四コママンガのシンプルさが失われてしまいます。
竿が柄入りになりました。
同じようにしてもう一人のキャラクターの帽子も柄入りにしました。
柄を入れるのはこのぐらいですね。今は吹き出しの輪郭線も緑色を
使っていますがこれも最終的には黒色に戻してやります。
赤色で塗られた部分を白に戻します。
絵はこれでほぼ完成です。あとはセリフを入れていきます。
セリフ作りには右側のスペースを使っています。
「A」というボタンを押しておいて、範囲指定と同じ容量で点線の四角を広げておき、
縦書きのサイズ18を選びます。フォントは明朝体でもゴシックでも構いません。
吹き出しの中に軽く納まるぐらいにしておかないと編集者の方が写植を貼った時に
下の文字の一部が見えてしまうので、小さ目がお勧めです。
セリフが書けたら「範囲指定」のボタンに切り替えてセリフを囲み、
ドラッグして吹き出しの中に持って行きます。
で、完成です。今回の説明は四コママンガの最後の四コマ目で
行いましたが、もちろん1コマ目から3コマ目までも同じようにして描いていくのです。
最後にチョコチョコと修正を施して、カラーのドットが残っていないか拡大して調べて、
1本のマンガを描くのにアイデア(ネーム)別で3時間ぐらいというところです。
こんな風にしてかれこれ6年ほど東海釣りガイドさんにマンガを描かせて
いただいているわけですが、我ながら昔に比べると手早く描けるようになったと思います。
たくさん描くことが一番の練習ですね。みなさんもどんどん描いてどんどん送ってみましょう。
フォトショップなどの有料ソフトを使うと、絵を回転させたりいろいろなことが出来るのですが、
あまり必要ない機能かなぁと思っています。ストーリーマンガを描く人には必要でしょうが、
四コマならペイントで充分描けます。もっとペンタッチを生かした絵を描きたい人はタブレットも
使ってみると良いと思います、自分の描く絵柄に合わせた絵が描けるよう道具も考えていけば
自分に合ったやり方がきっと見つかります。