*スキー用具の選び方
2.スキーブーツ
さて、スキーとブーツをつなぐビンディング、この話に入りましょう。
いきなりですが、ビンディングは軽視される方向にありますが、これは実はものすごく重要なパーツです。
ビンディングには二つの種類があります。ステップインタイプとターンテーブルタイプです。
特徴としましては、前者はよく目にする一般的タイプで、ヒールピースの移動によりビンディング幅をある程度自由に変えられます。
後者は名前の通り、ヒールピースが回転するタイプです。こちらは移動不可で、一度設置したら幅は変えられません。

一般的にターンテーブルタイプは危険な状態になったとき(転倒時のひねりや加圧)にヒールピースが適応して、より安全にリリースしてくれるといわれています。あと、重量が若干軽いとされてきました。
しかし、今やステップインタイプの進化はめざましく、危険時のリリースや軽量化などもまったく問題ないレベルに達しており、そういう意味で差はほぼ無いと思ってイイでしょう。
もう一つ、ターンテーブルタイプは板に固定する際の取り付け面積が小さく(移動不可なため)、板のしなり・・・つまりフレックス性を損ねることが無く、使いやすいとされています。しかし、これも解決されつつあり、一部のハイエンドモデルの板では、板の横に専用のステップインビンディングをつける形式になっているのがあります。この場合、理論上フレックスは最大限生かされる計算になるわけです。
身近な事としては、ターンテーブル式よりステップイン式の方が、リリースバーがフラットになるため、脱着が楽と言われています。

こうしてみるとターンテーブル式のメリットがすべてかき消されているように思えますが、ステップイン式にしても、一旦取り付けた後にヒールピースをずらす事態なんてのはそうそうあるものではなく、ブーツと板を一緒に変えてしまうのが一般的かも知れません。それに、ブーツを買い換え、ソールサイズが合わないのでヒールピースをずらす、という事態になったとしても、新しいブーツのソールサイズと、ずらしたビンディングのサイズがぴったり一致することは希です。ミリ単位の調整をして初めて真価を発揮するビンディングですから、しっかりとブーツのサイズに合わせて使いましょう。

結論としましては、どちらを選んでもかまわない、ということになります。
選択肢が多い分、ステップインに流れる傾向があるのかも知れません。

それよりもスキースタイルで大きく変わってくるのが、カービングスキー発売後に現れた「プレート」というヤツです。
これはすなわち、スキーとビンディングの間に厚みのあるプレートを載せ、より深いバンク角と遠心力を得ようとする働きを持ち、ターンが深いカービングならではの物といえます。
レーサーやエクストリームカービングなど、より切れのあるターンを実現したい場合装着することが多いのですが、フリースキーはそれよりも板との密着性、自由度を重視しますので、余計な重さにもなり、密着性が損なわれるプレートはつけないほうがいいと思われます。どうしてもつけてみたい場合、薄手の物を選ぶといいでしょう。
なお、ビンディングによっては初期状態からプレートを搭載した物も多く見られますので、注意しましょう。

後は軽さです。軽ければ軽いほどいい。これは鉄則ですので、ショップで重量を確認するといいでしょう。フリーライド向けは大抵、軽い合金で作られています。
しかし、軽いからといって初心者向けやキッズモデルなどに手を出すのは御法度です。素材がプラスチックの物が多く、簡単に壊れてしまいます。その際、怪我をするのは自分自身なのですから。

適応体重や技術に合わせて、ショップの人と相談して決めましょう。