2006年07月26日

先日参加した合宿で2人の速い女子選手の練習を見ていた。
A子は全国区の選手。B子はまだ全国区には到達していないが、将来的にはそこまで
いける可能性を秘めている選手。
200〜400mを数本走るのだが、A子はスタートから先頭を走り、ゴールまで絶対にトッ
プを譲らない。B子は2番手を走りゴール前でやや離されるがほぼA子と同じスピードで
走っていく・・。

この差・・。

A子が速い理由とB子が伸びきれない理由がここにある。
B子は前に出るべきである。少しくらいオーバーペースでも、最初から前に出るべきである。
そんでA子が抜きにかかってくる気配がしたら、また少し無理してスピードを上げてA子を阻
止するべきだ。
B子の前を走っているA子にしたって必ず同じ事をしているハズである。両者の苦しさはほと
んど変わらない。ただ相手よりもほんの少し(おそらく5%程)の力を、一瞬だけ長くがんばる
だけなのだ。

しかし、そのほんの少しの差が大きな差に繋がるのだ。

勝ち続け・負けない自信とその反対・・この差はタイム以上にあまりにも大きい・・。

タイムにしても逃げる者は最後まで走りきるが、追う者は最後の数m力を抜く・・この差が大
きいのだ。

そしてA子は確実にソレを知っている。

走るセンスもメンタルもレベルの高いA子・・その後ろでがんばるB子・・心情的にはB子にが
んばって欲しい部分も多いのだが・・。
A子とB子の続き・・。

練習中・・ゴール後にもA子の「強さ」と「クールさ」と「モチベーションの高さ」を見ることができる。

A子の後を走るB子は速いA子に食らいついたこともあり、座り込んだりすることも多いのだが、
A子は最後まで座り込むことはない・・。僕も現役時代A子と同じような事を意識してやっていた
のでA子の行動の理由は大体わかる。

@ A子→疲れている様子(自分の弱いところ)をライバルに見せない。
   B子→弱いところ見せまくり・・。

A A子→走った直後に座り込むと逆に乳酸が溜まりやすく疲れが残るので、回復は基本的には
  歩いて回復させる。座り込むB子の前を「ホントは苦しいのに」歩いて次のスタート地点まで歩く。

B A子→A延長として、座り込むB子達より先に次のスタート地点にいることにより、次の1本に対
   する 準備(肉体的・精神的)に費やす時間が確保できる。
   B子→ゴール直後に座り込んでしまったために疲労が取りきれないうえに、次のスタート地点に
   到着後すぐにスタートになってしまう・・。

C A子→Bによって次の1本もより質の高い走りができる。
   B子→・・・


「目標の高さ」と「そのためにどうすれば良いのか」を考えて、それを見抜くセンスはいろんな選手を
 見ている と才能でもあり努力でもあるように思う。

目覚めよB子! おじさん達は応援しているぞ!!  
2006年07月29日
強くなる者の秘密