今日は夕方、陸上の練習をした。最初は1ヶ月振りかと思っていたが、実は2ヶ月振りだった。走るのに必要な筋トレなどは継続していたが、実際にトラックを走るのはかなり久し振りでした。
さて、よく聞かれるのですが、走る時の選手は何も考えないでバッと走り出すわけではなく、多くの選手は自分の理想とする走りをイメージして走るのが普通である(と思う)。実際に現役時代の僕は、流し1本走るのに10分以上かけていることも珍しくなかった。また、たとえ走りはじめたとしても最初の5歩ほどで「いい」か「違う」かが分かるので、ソレと感じた時には走るのをやめて、またイメージと身体の感覚を近づける作業を繰り返していた。
陸上競技で競技力を高めるためにはのイメージを高めていく事が非常に重要であり、その試行錯誤を繰り返す作業自体が競技の面白さでもあるのだが、そんな試行錯誤を繰り返していると、ある日突然新たな走りのヒラメキが生まれ、今までと全く違う感覚を発見することも珍しくない。それが「当たり」ならば問題はないのだが「ハズレ」ているにも関わらず、それと気づかずにソレを信じてしまい本来の自分の走りから遠く離れて伸び悩んでしまうこともよくあるパターンである。しかし、経験上それを正しく見極められる選手はとても少ないので、指導者がそれを整理して伝えるのが望ましいように思う。

さて、そんな偉そうなことを言ってみた自分ではあるが、僕も競技として走ることから遠ざかっていくうちに、理想とする走りや身体感覚が年々と微妙に変化していたのである。これについてはこの7〜8年ほど薄々感じてはいたのだが、練習時間やアキレス腱痛などの関係もあって、じっくり対峙することなく「選手じゃないから、まぁ楽しく走りましょう」という姿勢を装って逃げていた。

しかし、今日の練習は何かが違った。昔の心境や感覚を鮮明に思い出してきたのである。今日は150mほどの距離を4本しか走らなかったのだが、それに費やした時間は1時間である。その1本あたり15分の時間をイメージづくりに費やし、この7〜8年ほど身体に染みついた走りを消去し、その感覚を身体に想い出させ実行する作業に集中した。
そこでできた走りは・・・
「これだ!」って思いましたね。

「この感覚・・そうそう! この感覚ぅ!!
           このタイミング、この腕振り、接地感、視界、脚のさばき・・」

いやぁ、楽しかった!走り終わってニヤけちゃうんですよ・・。
たまたま、僕の陸上の恩師であるK持先生がキッズの練習の指導に来ていたんですが、多分この18年くらいで初めて「今日、良くないですか?」って自然に言葉が出ました。そのくらい気分の良い走りだったんですね。近くにいた桃太郎君は暗くてよく見えなかったと思うけど、桃太郎くんが知ってる僕の走りとは今日は全く違ったのだよ。

それから今日は半年ぶりにいきなりスパイクを履いたんだけど、この5年ほど感じていた「ハムストリングス肉離れ寸前感」もなく、スムーズにスピードが上げられました。やはりよいフォームは身体に無理がないってことなんですね。

それからそれから、新しい極短ピンも最高ですね。ゴムに刺さらずに軽く引っかかる感じがとても良い感じでした。


いやぁ〜、良いぞぉー  今日は非常にご機嫌なのだ!!


2006年9月2日の日記から・・