聞くちから、(りんどう 5月号)

先日、松下幸之助氏のもとで十三年、松下政経塾の塾頭をもされていた、上甲晃氏の「心の力は無限」と題した、すばらしい講演会のご縁を頂きました。
 印象に残ったことは、上甲氏が、最後に、
「長い間、人を育てよう、日本いや世界にはばたく政治家を育てようと努力してきたけれども、人を変えるーというのはなかなかむずかしいことだと気づかされました。
 それよりも、まず自分自身を変えていくー自分自身を良き方向へ変えていく方が早いのではないかと気づいた・・・。」といいます。
みなこちらから、仏さまの願いを静かに聞き、汗を流し心を養い、こちらから少しずつ変わってまいりたいものです。    ずいしょう
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   「仏さまが見ている」   (りんどう 7月号)


   「極楽塾」と名づけ、地元の小学6年生と一緒に学びはじめて、早や、14年めを迎えました。
  保護者のご理解とご協力がないと、始まらないこの塾です。
   また、檀家の皆様の暖かいご支援に感謝しています。
  子供たちと接して、教えると言うよりも、こちらが、教わることも多く、子供たちの笑顔にすくわれています。
   先日、長崎の佐世保でおきた、小学6年生の同級生殺害事件について、子供たちと話し合いました。
  私は、「もし、あの時、あの子が、カッターナイフを振り上げたとき、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの悲しむ顔が浮かんだり、あるいは、仏様が、見ているかもしれない・・・とふと、心に抱いたら、あの事件は、起きなかったかもしれない・・・。
  と、話をしますと、その時はみんな真剣に聞いてくれて、感想を語ってくれました。目にみえる世界ばかりおいかけて、目に見えない世界に心を傾けていく環境を与えてやれなかった、育てていくことができなかった、いわば、大人の責任が大きいような気がします。

    「衆生の方よりは何一つも用意すべきことなく、全分の仏の方より、
      何一つ漏らさず、御認め候なり。」西山上人より

   永遠の過去から、とぎれることのない血のつながり、命のつながりのおかげで、今の私たちがこうして生かされている・・・この尊い生命を私が、受けているということは、まわりの人たちも同じように尊い生命を授かっているのだ・・・。目には見えませんが、人間の力をはるかに超えた、仏様からいただいた生命なのです。
    このことをもう一度、この極楽塾でも、それぞれの家庭でも、語り合ってまいりたいものです。
   まさに、今、心の教育を仏様の教えを真剣に学ばなければならないときです。  ずいしょう