孤児の種類別について

孤児の種類には  イ、戦災孤児=28.247人  ロ、引揚孤児=11.351人
            ハ、一般孤児=81,266人  ニ、棄迷児 = 2、647人


イ、戦災孤児=両親が空襲で亡くなったり、片方の親がが戦死、戦災で亡くなり、片方が 病死した場合も含む。あくまでも両親がいないことが孤児であり、父親が戦死しても母親が健在なら孤児とはいわない。(祖父母、兄姉が生きていても両親がなければ孤児)

ロ、引揚げ孤児=外地から引き揚げてくる途中で、両親が死亡し孤児になった。

ニ、棄迷児=空襲被災後、親とはぐれ、または親の死で焼け跡をさまよっていた子など。 または何かの事情で棄てられた子をを指す。

ハ、一般孤児とはイ、ロ、ニ、以外の孤児になっている。両親の病死や、親の行方不明になるだろう。しかも、8万人余りもいる。一般孤児とはあいまいであり、さらに考察が必要である。


   孤児はすべてを失った。

 空襲にあう前までは、子どもたちに暖かい家庭があった。湯気の立つ食卓を囲み、家族の団らんがあった。子どもの成長を目を細めて喜ぶ親の姿があった。無垢の愛に包まれ、危害が及びそうになれば身を挺して立ちはだかってくれる親がいた。安住できる家があった。住み慣れた故郷、仲良しの友達もたくさんいた。
 あの戦争で、空襲で、何もかも失った。親も、きょうだいも、家も、財産も、故郷も、友達も。丸裸にされた子どもだけが残された。小さな頭では、なぜなのか考えられない。どうしてよいかもわからない。ただ不安で怯え、震えていた。真っ暗な谷底へいきなり突き落とされたのだ。これはすべての孤児に共通していえる。戦争さえなければ、孤児にならずにすんだのだ。