「全国孤児一斉調査」に関する件
 (昭和22年12月6日)厚生省   孤児一斉調査要綱
1、趣旨 孤児及びこれと同様の状態にある者の実数及びその状況を全国的に調査
  し、孤児対策の基礎資料を得ようとするものである。
2、調査の時期 昭和23年2月1日午前0時
3、調査地域 全国
4、調査の対象 数え年20歳以下の者であって、両親(養子縁組による養父母を含
  む)のない者、父母(の行方)不明、本人が遺棄されたこと等のため、孤児と同
  様の状態にある者。(両親のない場合は孤児とする)
(イ)戦災孤児 (父母のうち一方が戦死、空襲による死亡し、他の一方がこれに原
  因しないで死亡した者を含む) (ロ)引揚孤児 (ハ)一般孤児 イ、ロ、ニ
  以外の孤児 (ニ)棄迷児
5、調査事項 別紙
6、実施調査者 児童委員。児童福祉施設等の職員。
7、調査方法 1、2、3、4、5 (略)
8、報告 収容施設内の調査と、収容施設外の調査とに分かち、集計表を作成し
   昭和23年1月末日までに厚生省に報告すること
 

) 数え年は、現在使用されている満年齢の約2歳上になる。
   例えば昭和1年10月生まれだと、生まれた年が1歳、昭和2年2歳。
   満年齢だと3ヶ月なので0歳
   養子縁組は、孤児が養子になった場合、親がいるとみなされ孤児でなくなる。
   浮浪児は、住居がないので調査されなかった
   沖縄孤児は、まだ占領中でこの調査には入っていない

     厚生省調査結果
 昭和23年2月1日現在

      孤児総数 123、511人

  年齢別(数え年)
         保護者別
   1歳〜 7歳  14、486人    親戚、知人に預けられた 107、108人
   8歳〜14歳  57、731人    施設に収容された      12、202人
  15歳〜20歳  51、294人    独立した生計を営む      4、201人

   孤児の種類  イ、 戦災孤児  28、247人
              ロ、 引揚孤児  11、351人
              ハ、 一般孤児  81、266人
              ニ、 棄迷児     2、647人
 


この調査から見えてきたもの

 この「全国一斉孤児調査」を凝視していると、様々の疑問にぶつかります。また、大きな問題を孕んでいます。この調査が3月10日東京大空襲で大勢の孤児を生じた日より、2年9ヶ月過ぎてからの調査であることも、念頭に入れておく必要があると思います。