「う〜ん、う〜ん・・」
ある日、園長先生は、苦しそうな声を聞きました。
園長先生は、清泉君のお医者さんでもあります。
「痛いところや悪いところは無いかな?」
毎日チェックして直してあげて、子どもたちに危険が無く快適に
過ごせるようにいつでも気配りをしてきました。
「清泉クン、君の声だったのか。苦しいかい? 君も随分と年をとったねぇ。
よく今まで頑張ってくれた、本当にありがとう。」
園長先生は、この“家”で遊んだ、たくさんの子どもたちの顔を思い浮かべ
ながら、ぐるりと見回し、大きく息を吸い込みました。 そして・・・
「よ〜し!清泉君のお引越しだ。新しい“清泉幼稚園”を作るぞ!」
こうして、清泉幼稚園は生まれ変わりました。
もっともっと“自然のたくさんある所”へ。
“人生は幼稚園の砂場から”という体験重視の園長先生の教育方針を十分に実現し、子どもたちが“四季”を身体で感じてのびのびと遊べる場所へお引越しすることになったのです。
残念ながら全てをお引越しするわけにはいきません。
園長先生は、おじいさんとおばあさんが植えた“桜の木”と“コスモスの種”だけを、みんなの
代表として清泉君と一緒にお引越しさせることにしました。
「のびのび遊べるように、庭は出来るだけ広く!」
園庭に芝生を敷き詰め、アスレチックやプールを造り・・。
みんなのためにいつも作業をしている園長先生。だから、いつでも真っ黒です。
そこで遊ぶお友だちもお日さまと大の仲良し!
いつでも“清泉君”のところへ遊びに来てください。
真っ黒なお顔の園長先生と元気な子どもたち、優しいお日さまが出迎えしてくれることでしょう。
そして、春には“桜”、秋には“コスモス”が優しくお話してくれますよ。