世の中の貧しく大変な時期も、その家だけはいつも
子どもたちのお陰で、元気と優しさが溢れていました。
 
    どんどん月日が流れ・・
 
「子どもたちの笑顔に随分と励まされて、
何とかこれまで頑張って来ることができた。
君にも随分と苦労をかけたね。有難う。」
すっかり年をとった仲良し夫婦は、いつものように
“桜の木”の周りで遊ぶ子どもたちを見守っていました。
 
「しかし、ワタシたちも随分と年をとった。これからの
子どもたちのためにいったい何ができるだろう?」
 
 
世の中には、将来を背負って立つ元気な子どもたちが
たくさん居る! ワシはもう年をとってしまったが、この建物だけでも何とか、これからの子ども
たちの為に生かすことはできないものだろうか?」
 
おじいさん・おばあさんと子どもたちが相談して決めたこと・・それは・・。
         今まで親の居ない子の為の家だった“愛児園”を、もっとたくさんの
子どものための“幼稚園”として生まれ変わらせることにしたのです。
 
 
 
 
 
こうして昭和40年、“清泉幼稚園”・・清泉クンが生まれました。
おじいさんに変わり、息子の中のひとりが園長先生になりました。清泉君のお父さん誕生です!
 
 
 
「でも、名前は何て付けようか?」今までの愛児園も素敵だけれど、
せっかく生まれ変わからと、 
またまたみんなで相談です。「あっ!!・・そうだ。この家はこんな素敵な山の中にあるし、裏には小川だって流れている。泉の水はとっても綺麗で、いつも清んでいるよね。・・ここに遊びに来る子どもたちもこの小川のように、清らかな心いられるように、清い泉”、清泉って言うのはどうだろう?」 
勿論みんなは大賛成!!
 
 おはようございま〜す!
室蘭のあちこちから子どもたちが“清泉幼稚園”にやってくるようになりました。
清泉君もそんなみんなを嬉しそうに迎えます。雨の日も風の日も、長い坂道を上り、園長先生にご挨拶です。愛児園の時と変わらずに、“みんな仲良く”、楽しく遊んでいました。
 
そして同じように、春になると、おじいさんの植えた“桜の木”が、ピンクの花びらをいっぱいに
広げて、子どもたちをお出迎えし、秋にはコスモスがサワサワと体を揺らしながら優しく話しかけてくれます。
猫柳、おんこの木・・。カラフルで良い香りの草花たちに集まる蝶々や蜜蜂・・。
清泉君の仲間はどんどん増えてゆきました。
 
そして3月になると、名前につけた願いのとおり、綺麗な心を育んだ子どもたちが巣立ち、
4月にはまた新しい仲間がやって来て・・・・どんどん月日が流れてゆきました。
          
 
 
 
 
 
 
 
 
 
愛児園(旧園舎)