YAMAHA XS650 Special

<2004年3月初稿>

 CL250を友人に返却したあと、手に入れたのはこのXS650Specialである。
 購入にあたっては...実は、かなり悩んだ。
 候補としてあがったのは、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったカワサキのZU、そしてその後継車である新型のZ750FXだった。
 Z750FXはZUに比べると細部でかなり改良が施されていて、最終的にはFXとXSに絞って検討した。
 決め手になったのは主に通勤で使うという用途から、燃費である。
 それと、国産初の本格的アメリカン...あの斬新なスタイルだった。
 W1のライバルであったXS1の流れを汲むOHCバーチカルツイン、そしてグリップが手前にグッと引き寄せられた大型ハンドルの形状は、やはり魅力的だった。
 初期型の78年モデルから1年を経て、キャストホイール化され、さらにトランジスタ点火になってメンテナンス性も改善されている。
 排気音はマフラーの変更によってややおとなしいものになり、若干の不満はあったが、79年12月、購入の運びとなった。
 W1と比べると、ワイルド感に欠ける感じは否めなかったが、250から乗り換えたこともあって、加速などにまったく不満は無かった。
 この79年後期型は、わずか数ヶ月でマイナーチェンジされてシートやサイドカバーの形状が変更になり、魅力の乏しい形に変更されてしまった。
 世の中での評判はともかく、自分なりには生産台数の少ない型に乗っているという自己満足で、11年間も乗り続けることになった。
 そして、強調したいのは11年間無転倒のまま手放したことである。


 上の写真は購入翌昭和55年に会津へツーリングしたときのもの。
 11年も乗っていれば、気分転換もしたいし、ノーマルのまま乗り続けることはなかなかできない。
 このXSも例にもれず、ときどき、チョコチョコと改造をした。
 基本的に性能面では、メーカーの標準設定が一番バランスに優れているという持論があるので、改造はもっぱらドレスアップということになる。
 まずはアメリカンスタイルを生かし、ハイウェイパトロール風にプチ改造。
 当時テレビ放映されていた「白バイ野郎ジョン&パンチ」にちょいとかぶれた...というところも否めない。
 風防、前後のバンパー、サイドボックスの取り付けを行った。
 風防はハイウェイパトロール風のを着けようとも思ったが、あまりにも「らしい」過ぎる...
 かといって、CLやW1で着けていたようなのではゾクっぽ過ぎて、いまいち...
 結局、少し厚手の大型風防を選択した。
 前後バンパーは純正...やはり、バンパーぐらいは機能重視...社外品と純正では強度がぜんぜん違うので...
 サイドボックスは黒を選択した...ただし、一番安いやつ...14,800円也。
 単なるドレスアップのつもりだったが、このサイドボックスは非常に便利。
 客先にバイクで出向き、目的地でボックスに入れていった背広に着替える。
 打ち合わせが済めば、また革ジャンを着て帰ってくる...なんてことをしょっちゅうやっていた。

 重装備にしたり、ノーマルに戻したり..というような気分転換を何回か繰り返し...
 ま、基本的には車検のときにノーマルに戻し...数ヶ月ぐらい経つと便利なボックス付にするというパターン。
 当時は現在より車検の基準が厳しかったので、純正とはいえ後付のパーツは総て取り外して検査に臨んでいた。
 そして10年が経過...カラーリングをいじりたくなった。
 上の写真は手放す直前のもので、左側の方は月刊誌「オートバイ」の売買コーナーに掲載した写真。
 赤黒に塗り替え、アスカ製のトラマフラーを装着している。
 本来、マフラーの交換は性能面に影響が出るのであまりやらないのだが、W1時代の排気音が妙に懐かしく...
 不本意ながら実施してしまった次第。
 しかし、OHCのこのエンジンではトラマフラーを着けてもW1の味わいのある音に遠く及ばなかった。    

バイクのページへ戻る

「車歴」に戻るときはブラウザの「戻る」ボタンで戻ってください。