対米訴訟控訴棄却についての声明


         声 明
 東京高等裁判所第3民事部は、本日、新横田基地公害訴松のうち、米国に対する訴訟について、被害住民原告らの控訴を棄却する判決を言い渡した。この判決は、控訴審での弁論を開かず、米国に対して訴状送達もしないで控訴を棄却したものであり断じて許すことはできない.
 判決は、米軍機の飛行活動について、安保条約・地位協定第18条5項規定を理由に、米国政府への「夜間飛行差し止め請求」は、認められないとし、これを却下した。
 そもそも・地位協定第18条第5項は、米軍の不法行為についての損害賠償責任についてアメリカの責任を免除する規定であり、これに「差止請求」までも含めて拡大解釈することは、米軍による騒音被害を温存・容認するものである。
 この裁判は、先の最高裁判決で米軍機による飛行活動を規制することはできないとされたことからアメリカを相手取ってはじめた裁判である。にもかかわらず、今回の判決で米軍に対する訴えさえ棄却するということは、被害住民等の法的救済の道を完全に閉ざすものである。司法のこうした姿勢は、米軍機による爆音で生活を破壊された被害住民の声を圧殺し、司法が当然とるべき救済を自ら放棄した行為であり、われわれはこれを厳しく糾弾するものである。
 この判決により、安保、地位協定こそ、わが国主権をはじめ人権、環境を踏みにじるものであることがますます明白となった。
 いま、国会に提出され、現在継続審議中の新ガイドラインにもとづく関連法案は、爆音など基地被害をいっそう拡大し、政府による住民の被害救済を押しつぶすものであり、断じてこれを許してはならない.
 われわれは、米軍基地による被害の根絶にむけて基地被害住民と連帯し、たたかう決意である。また、新ガイドライン、関連法案阻止にむけたたかいを強めるとともに、諸悪の根源である安保条約廃棄、基地撤去にむけ全力で奮闘する決意である。

1998年12月25日

横田基地撤去と基地被害をなくす共同行動連絡センター


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