貴国のイラクに対する武力攻撃と横田基地をその出撃基地にすることに断固反対する。
貴国政府は、大量破壊兵器問題を口実にして、イラクに対して国際法を無視した
核攻撃をふくむ一方的な武力行使の動きを強めているが、これは平和解決を求めている国際世論に真っ向から挑戦するものである。
大量破壊兵器問題の解決は、外交的平和的手段を通じて実現すべきであり、貴国政府が進めようとしている一方的武力攻撃には何の道理もない。湾岸戦争停戦後の
イラクに関する各種の国際決議にも、対イラク武力行使を容認するものは、いっさいない。
こうした中で「我が国には軍事攻撃の権限がある」などとしてイラクへの軍事攻
撃を正当化することは、無法な軍事行動を平気で行う貴国の野蛮な覇権主義そのものである。しかも核兵器使用を前提とした攻撃は、唯一の被爆国の国民として絶対
に容認できるものではない。
こうした動きの中で周辺住民は、横田基地がアメリカのすすめる戦争の出撃基地
となり、爆音被害がいっそう拡大することに対する強い危機感と不安に脅かされている。
これまでも再三再四にわたり「横田基地を出撃拠点にするな」と強く抗議してき
たが、貴国はこれを無視し、湾岸戦争に続き、九六年九月のイラク攻撃にも横田基地所属の部隊が参加している。しかも攻撃を前後して横田基地では、深夜にわたる
エンジンテストなど爆音被害に拍車がかかっている。
我々は、こうしたことから貴国ならびに貴殿に対しイラクへの武力攻撃の中止と
横田基地をはじめとした在日米軍基地の出撃基地としての使用をやめるように厳しく要求する。また横田基地からの米軍の撤退と全面返還を強く求めるものである。
一九九八年二月一七日
横田基地撤去と基地被害をなくす共同行動連絡センター
代表委員
岩本寅次(西多摩地区労働組合連合協議会議長)
児嶋 徹(医療法人健生会理事長)
鈴木亜英(弁護士・三多摩法律事務所)
田中龍男(国立立川昭島労働組合総連合議長)
浜林正夫(一橋大学名誉教授・横田平和まつり実行委員長)
三好鉱一(三多摩地区労働組合連合協議会議長)
在日米軍兼第五空軍司令官 ジョン・B・ホール中将殿
在日米軍横田基地第三七四空輸団司令官 アラン・J・ブライディング大佐殿
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