「新横田基地公害訴訟団」は九七年四月十日、日米両国政府を相手に夜間飛 行の差し止めと約三十三億円の損害賠償を求め、東京地裁八王子支部に提訴し た。同訴訟団は「安心して眠れる静かな夜を取戻そう」と、米軍横田基地周辺 の東京都や入間、飯能市等、九市一町の住民約三千三百人(米軍基地をめぐる 訴訟としては、最大規模)で結成した。横田基地訴訟としては五回目の提訴で 、米軍機騒音をめぐる訴訟で米政府を相手とするのは初めて。訴訟では、将来 にわたる損害の賠償や夜間飛行制限について日米の交渉義務の確認も求める。 これまでは日本政府だけを相手取った同基地訴訟は最高裁判決では、過去分の 騒音については損害賠償を国に命じたが、日本政府の支配の及ばない米軍の行 為差し止めを求めるのは不当と飛行差し止めは認めなかった。そのため同訴訟 団は「騒音の当事者の米国を新たに被告に加えた」という。