横田基地返還間題懇談会報告と資料

一九九九年九月八日横田基地返還間題懇談会報告と資料(案)
一、はじめに
「再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」などを明記した日本国憲法が施行されている日本の首都に、戦後五十四年にわたって外国であるアメリカの軍事基地がおかれ、その軍事基地を拠点にアメリカが戦後何回にもわたって軍事行動を展開するとともに、そのことを日本政府が許してきていることを私たちは絶対に容認できません。ましてや、アメリカの核抑止力と前方展開兵力の展開を柱に、他国の内政に軍事的な介入と先制攻撃を仕掛けていく危険な戦略に連動した日米新ガイドラインと「戦争法」のもとで、横田基地をはじめとする都内八カ所の米軍基地の存在は、今日、いよいよ都民の平和と安全を脅かすものとなっています。また、石原都知事が地方選挙中に「横田基地返還」を公約(「軍民共同使用」も含む)するなかで、都民の間に横田基地返還の論議があらためてたかまり、横田基地返還の世論と運動も急速にひろがりつつあります。しかも重要なことは、七月十四日、都議会が「横田基地・多摩サービス補助施設の返還に関する意見書」を全会一致で採択したことにみられるように、この横田基地返還が、いっそう広範な都民の一致した要求となっています。こうしたなかで、私たちはあらためて横目基地の現状について光をあてつつ、横田基地返還の草の根からの世論と運動を急速にたかめていくため都民的共同を発展させることを願いここにこの懇談会を開くこととしたわけです。
二、横田基地は、戦争の最大拠点、都民に与える深刻な不安と被害
横田基地は、アメリカの先制攻撃・干渉戦略の最大の前線拠点です(例えば横田基地内におかれている第5空軍司令部に所属する三沢基地のF16戦闘攻撃機部隊、嘉手納基地のF15戦闘機部隊をイランに出動させるなど)。新ガイドライン・戦争法のもとで事実上の日米共同作戦の総指令部として強化されています。このもとで米空母艦載機離発着訓練(NLP)の強行と騒音のおしつけなど、都民の平和と安全に大きな脅威を与えています。そしてこのなかで原告六千人という未曾有の規模で横田基地公害訴訟がたたかわれ、横田基地撤去センターのねばり強いたたかいもすすんでいまず。
三、横田基地返還の流れをいまいっそう大きなものに
1、横田基地返還は都民の一致した要求{都議会の一九九九年度第3回定例会は、全会一致で(横田基地・多摩サ−ビス補助施設の返還に関する意見書」(七月十三日)を採択しました。これは、横田基地返還が都民の一致した要求になっていることをしめすものできわめて重要なことです。また、これまでにつぎの各区市議会(五区二十市)で「横田基地返還に関する意見書」を採択してきています。港区(91/12/2)、台東区(91/12/13)、葛飾区(92/3/30)、豊島区(92/6/30)、練馬区(92/7/2)、国分寺市(91/12/18)、田無市(91/2/19)、調布市(91/12/19)、狛江市(91/2/20)、清瀬市(91/12/20)、三鷹市(91/12/20)、武蔵村山市(91/2/20)、八王子市(91/12/20)、小金井市(91/2/24)、東久留米市(92/3/26)、武蔵野市(92/3/27)、府中市(92/3/30)、町田市(92/3/30)、保谷市(92/3/30)、小平市(92/9/25)、多摩市(92/12/22)、日野市(93/6/17)、立川市(93/9/30)、稲城市(94/3/28)〔都知事の横田基地返還運動を支援し、民間機の併用使用については反対する決議」瑞穂町(99/5/10)〔米軍横田基地の軍民共同使用に反対する意見書〕昭島市(99/6/22)
2、横田基地返還にとって決定的に重要なのは、世論と運動の高揚、共同の発展
横田基地返還要求の今日のたかまりの根底には、同基地が絶えず核持ち込みや戦争の危険につながってきたこと、また爆音公害をはじめとするさまざまな被害・苦痛などを住民・都民に撒き散らしてきたことにたいする不安・怒りなどがあります。こうしたことのなかで横田基地周辺住民が爆音公害訴訟に立ち上がっていること、横田平和まつりが継続しておこなわれてきたこと、都議会への横田基地返還決議要請署名のとりくみ、横田基地見学、宣伝などさまざまな創意を発揮したとりくみがおこなわれ、こうした草の根からの横田基地返還の要求とたたかいが掘りおこされてきたなかで情勢が発展させられてきたことに確信をもつとともに、これらの活動から教訓をいかし、横田基地返還の世論と運動をいっそう大きく発展させていくことが求められています。石原都知事の「横田基地返還」論は、都民の要求をとりこもうとしたものですが、もともとは安保容認(発動)の立場からのものであり、いまや「横田基地返還」より「基地容認」につながる「軍民共同使用」論となっていることに警戒する必要があります。
四、横田基地返還をめざす広範な都民の世論と運動の高揚にむけての当面の私たちの活動
1、横田基地のもっている危険性と同基地の返還の世論と運動がいま大きな流れになりつつあることをひろく都民に知らせ、その世論と運動・共同をいっそう大きく発展させることを基本にとりくみをすすめましょう。この場合、横田基地返還後の利用についての意見の違いは脇において、横田基地返還の一点で共同を発展させることを重視していくことが必要です。
2、横田基地返還問題ト一ク集会(仮称)の開催
開催日程=十一月
開催場所=都心部
地方自治体、周辺住民組織など、できるだけ広範な人々の参加がえられるよう努力
賛同団体を募り、賛同募金を要請していきます。賛同募金は集会とアンケートの経費に使わせていただきます。
3、横田基地周辺住民アンケート
*内容=横田基地返還についての賛否、軍民共同使用についての賛否、騒音・環境・地方自治体財政への影響・町づくりへの影響などについての住民意見など。
*すすめ方=横田基地の概要、都議会意見書などをいれたB4版の厚紙ビラ(アンケート回答葉書付き目料金受取人払い)を約一万枚作成し、横田基地周辺の6市町の一定地域に配布、回収をはかる。配布は十月初旬。各市町の民主団体のご協力をうる。ビラ作成の経費、料金受取人払いの料金は、賛同募金で賄います。
4、地方議会決議の促進
5、その他
@安保破棄東京実行委員会がおこなう都知事宛団体署名への協力
A11/23集会への協力・参加
B横田基地爆音公害訴訟への支援


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