物品役務相互提供協定


日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定(案)

 日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、1997年9月23日に公表された日米防衛協力のための指針が周辺事態に対応する活動のための協力に言及していることを想起し、1996年4月15日に東京で署名された日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との聞における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(以下「協定」という。)を改正することを希望して、 次のとおり協定した。
第1条
 協定前文中「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」の次に「(以下「条約」という。)を加える。

第2条
 協定第1条1を次のように改める。

1 この協定において、
 a 「後方支援、物品又は役務」とは、後方支援においで提供される物品又は役務をいう。
 b 「周辺事態」とは、日本国の周辺の地域における日本国の平和及び安全に重要な影響を与える事態をいう。

第3条
 協定第1条2を次のように改める。

2 この協定は、共同訓練、国際連合平和維持活動、人道的な国際救援活動又は周辺事態に対応する活動に必要な後方支援、物品又は役務の日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における相互の提供に関する基本的な条件を定めることを目的とする。

第4条
 協定第2条3を次のように改める。

3 2の規定については、日本国の自衛隊による武器若しくは弾薬の提供又はアメリカ合衆国軍隊による武器システム若しくは弾薬の提供が含まれるものと解してはならない。

第5条
 協定第3条の次に次の新たな第四4条を加える。

第4条1 いずれか一方の当事国政府が、周辺事態に際して日本国の自衛隊又はアメリカ合衆国軍隊がそれぞれの国の法令に従って行う活動であって、条約の目的の達成に寄与するもののために必要な後方支援、物品又は役務の提供を他方の当事国政府に対してこの協定に基づいて要請する場合には、当該他方の当事国政府は、その権限の範囲内で、要請された後方支援、物品又は役務を提供することができる。

2 この条の規定に基づいて提供される後方支援、物品又は役務は、次に掲げる区分に係るものとする。

 食料、水、宿泊、輸送(空輸を含む。)、燃料・油脂・潤滑油、被服、通信、衛生業務、基地支援、保管、施設の利用、部品・構成品、修理・整備及び空港・港湾業務

 それぞれの区分に係る後方支援、物品又は役務については、第二条にいう付表において定める。

3 第二条3の規定は、この条の規定に基づく後方支援、物品又は役務の提供に適用する。

4 この条の適用上、日本国の自衛隊は、周辺事態に対処するための日本国の措置について定めた日本国の関連の法律に従って後方支援、物品又は役務を提供し、当該法律によって認められた日本国の自衛隊の活動に関し後方支援、物品又は役務を受領するものと、了解される。

第6条
 協定第4条から第9条までを1条ずつ繰り下げる。新たな第6条中「第7条」を「第8条」に改める。

第8条
 この協定の付表をもって、協定付表に代える。

第8条
 この協定は、アメリカ合衆国政府が日本国政府から日本国がこの協定を承認した旨の書面による通告を受領した日の後120日目の日に効力を生じ、協定が有効である限り効力を有する。


付表
区 分
食料: 食料、食事の提供、調理器具及びこれらに類するもの
水: 水、給水、給水に必要な用具及びこれらに類するもの
宿泊: 宿泊設備及び入浴設備の利用、寝具類並びにこれらに類するもの
輸送(空輸を含む。): 人又は物の輸送、輸送用資材及びこれらに類するもの
燃料・油脂・潤滑油: 燃料、油脂及び潤滑油、給油、給油に必要な用具並びにこれらに類するもの
被服: 被服、被服の補修及びこれらに類するもの
通信: 通信設備の利用、通信支援、通信機器及びこれらに類するもの
衛生業務: 診療、衛生機具及びこれらに類するもの
基地支援: 廃棄物の収集及び処理、洗濯、給電、環境面の支援、消毒機具及び消毒並びに
これらに類するもの
保管: 倉庫又は冷蔵貯蔵室における一時的保管及びこれに類するもの
施設の利用: 建物、訓練施設及び駐機場の一時的利用並びにこれらに類するもの
訓練業務 指導員の派遣、教育訓練用資材、訓練用消耗品及びこれらに類するもの
部品・構成品: 軍用航空機、軍用車両及び軍用船舶の部品又は構成品並びにこれらに類するもの
修理・整備: 修理及び整備、修理及び整備用機器並びにこれらに類するもの
空港・港湾業務: 航空機の離発着及び艦船の出入港に対する支援、積卸作業並びにこれらに類するもの

資料目次