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第18回大会方針 |
はじめに
後期高齢者医療制度が実施に移され、国民の怒りは頂点に達し、各地での大集会や国会前座込み行動などが連日のように行われています。
医療制度崩壊が起こり出産する病院も無く、救急医療を受けられない事態が発生し「医療難民」と呼ばれる人すら発生しています。
新自由主義・規制緩和路線のもとでの「ルールなき資本主義」によって、富めるものはますます豊かに、貧しきものはますます貧しくなり、ネットカフェ難民、ワーキングプアなどという、かつて聞いたことの無い言葉で呼ばれる青年たちが、巷にあふれています。この国の格差と貧困の広がりは史上かつてない状態に陥り、青年がまともな職も希望も失い、せつな的になった若者による凶悪犯罪が次々に発生しています。
しかし、こうした状態を打ち破り、この国の政治と経済を変え、誰もが安心して安全に暮らせる国と社会を求める声が、全国から、そして三多摩各地から湧き上がっています。
各地域、各単産で新しい仲間を迎え、若々しい胎動が始まっています。
大激戦を勝ち抜いた狛江市長選挙の大勝利は、私たちに、いや全国の人々に勇気と感動、希望を与える勝利となりました。
三多摩労連に結集する単産、単組、地域組織のみなさん、こうした情勢に確信を持ち、希望に満ちた未来を作り出す歴史的運動に、ともに立ち上がろうではありませんか。
<本大会の任務>
1、組織拡大、生活向上をめざしてたたかった2008年春闘、後期高齢者医療制度反対の運動、憲法改悪阻止の取り組み、第79回三多摩メーデー、30人学級実現をめざす運動など、この1年間の三多摩における運動を総括します。
2、格差と貧困のもとで国民の怒りは頂点に達しています。こうしたなかで、暮らしを守り、政治を変え、安全・安心な社会をめざす新年度方針を決定します。
3、運動の基本となる予算(案)を確立します。
4、新年度の運動を推進する新役員を選出します。
2007年度運動の総括
T、生活の向上をめざし、働くルールを確立する運動
1、2008年春闘・賃金闘争の前進の取り組み
1) 2008年春闘は、大企業が史上空前の利益をあげる一方、労働者の年収は9年連続で減少し、医療・年金など社会保障改悪、定率減税廃止による増税、原油価格高騰による諸物価の値上げという情勢のなかでたたかわれました。マスコミも賃金引上げの必要性を強調し、福田首相が御手洗経団連会長に賃金引上げを要請するといった異例の状況も生まれました。
しかし、日本経団連は「経営労働政策委員会報告」のなかで、企業収益の枠内での一定の賃金改善は認めつつも、利益は一時金に配分すべきだとして、賃金引上げに否定的な政策をとり続けました。
2) 大企業を中心に正規社員の非正規化が推し進められた結果、年収200万円以下の労働者が1,000万人を突破し、4人に1人が生活保護水準以下の生活を余儀なくされています。「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」などという状態がマスコミでたびたび報道されるなど、格差と貧困の広がりが、この国を覆っています。
3) こうしたなかで三多摩労連は、三多摩国民春闘共闘会議とともに、2008年国民春闘共闘委員会が重要な課題として提起した5つの重点課題の達成めざし、三多摩にはたらく仲間の知恵と力を結集して、全力で取り組みました。
《2008年国民春闘共闘委員会が掲げた重点課題》
○ 格差と貧困の是正、はたらくルールの確立、雇用確保を求める取り組み
○ 賃金改善、全国一律最低賃金制度の実現を求め、「社会的にアピールする春闘」
○ 安全・安心な地域社会の実現を求める運動強化
○ 社会保障の連続改悪・消費税率引き上げに反対し、国民負担軽減を求める国民共同の前進
○ 憲法改悪を阻止し、平和をまもるたたかい
4) 具体的には、各単産単組が掲げた要求実現のため協力・共同のたたかいを繰り広げました。主要な要求は以下のようなものでした。
@ すべての労働者の賃金引き上げ獲得(時給1,000円以上、日給7,500円以上、月給15万円以上)
A 男女格差の是正。パートタイマー・アルバイト・派遣など非正規労働者の賃金引き上げ・労働条件の改善、非正規労働者の正規雇用化と均等待遇実現。「改正パート労働法」の活用
B 成果・成績主義、年俸制導入、定昇廃止など賃金制度の一方的変更反対
C 公務員の「給与構造見直し」や人事院のマイナス勧告反対。公務労働者の労働基本権確立
D 年間実総労働時間1800時間の早期実現。不払い残業の根絶。メンタルヘルス対策の充実
E 「改正高齢者雇用安定法」に基づき、生計費原則による定年延長・本人希望によ
る雇用延長
F 事前協議・合意協定の確立と対等な労使関係の実現
5)2007年11月21日に「三多摩国民春闘共闘2008年度発足総会」を国分寺労政会館で開催し、13団体34名が参加し、三多摩春闘のたたかいが開始されました。
2007年12月15日から16日にかけて、熱海のホテル水葉亭において「三多摩春闘討論集会」が14団体36名の参加で開催され、春闘の基本方針が確立されました。
6)2008年2月15日には、「三多摩国民春闘総決起集会」をアミュー立川(立川市民会館)大ホールで開催し、昨年を上回る730名が参加しました。
この集会では、青年の舞台や各単産の要求を基礎にしたパフォーマンスが繰り広げられ、活気に満ちた舞台となり春闘を三多摩全体でたたかう元気の出る集会となりました。
7)1月28日から2月15日にかけて自治体キャラバンが取り組まれました。最後まで日程調整のつかなかった三鷹市でも4月段階で実施され、三多摩全自治体で懇談が実施されました。自治体の対応も市長や副市長が出席するなど、4回目の行動にして、その重要性が認識されています。
職員の最低時給アップの取り組みでは、八王子市が850円から20円アップの870円、日出町が740円から60円アップの800円になるなどの成果が上がっています。
また公契約条例の取り組みも、国分寺市の先進例の影響もあって、町田市、狛江市、八王子市、武蔵村山市、西東京市、調布市など各市で検討や中間報告の提示、指導文書通達など、進展が見られています。
重税反対行動は3月11日の町田、13日の府中、八王子、立川、東村山、武蔵野、14日の日野、青梅と三多摩8箇所の税務署単位で取り組まれ、全体の参加者数は約4,500名に上りました。三多摩春闘共闘、三多摩労連からは各役員が参加し、各単産、地域組織からも組合員が多数参加し、増税反対、税制民主化などを要求して集会とデモ行進に決起しました。
8)3月13日、全労連第三次統一行動を春闘最大の山場と設定し「三多摩統一ストライキ集会」を立川市曙町一丁目公園で開催し、前年を50人上回る450人が決起しました。参加団体は、東京土建、JMIU、教職員組合、東京自治労連、医労連、建交労、通信労組など多くの組合に広がりました。
集会場所は駅から程近く、またデモコースも立川市の目抜き通りであり、多くの市民にアピールすることができ好評でした。但し、デモコースが短すぎるとの意見もあり、次年度の課題となりました。
1)宣伝では「三多摩国民春闘共闘」名の入ったティッシュを東京春闘共闘の援助で25,000個作成し、三多摩各駅頭や大企業門前などで配布しました。
10)2008年春闘の賃金引上げ結果は、中間的な時点ですが以下のようになっています。
国民春闘共闘(6月20日集計、389組合)
単純平均:5,788円(1,93% 前年比+115円)
加重平均:6,720円(2,08% 前年比±0円)
東京春闘共闘(5月8日集計、218組合)
単純平均:5,652円(1,96% 前年比+491円)
加重平均:6,584円(2,23% 前年比−288円)
パートタイマーの時給引上げは、全国で16単産390組合が獲得し、時給引上げ額は平均で26,8円となっています。昨年度、東京都最低賃金が20円引き上げられましたが、そうした影響が全国的に現れていると思われます。また、企業内最低賃金改定を獲得した組合は240組合となり引上げ額は369円になっています。その内、時間額の改定を勝ち取った組合は167組合で、その平均時給は、11,5%アップの988円となっており、だれでも「時給1,000円時代」に突入しつつあります。
11)昨年、最低賃金法が改正され(2008年7月1日施行)生活保護費との整合性をとることが決められています。現在の東京都の生活保護費を時給に換算すると1,300円を超える水準となり、今後の運動によって最低時給の大幅な引上げを勝ち取る条件は広がっています。しかし、政府・厚生労働省の姿勢はきわめて消極的になっています。昨年は「成長力底上げ戦略推進円卓会議」が最低賃金引き上げをリードする役割を一定程度果たしましたが、福田政権に交代した今年は態度が一変しています。財界からは「原油高とあわせて大幅な最低時給引上げは経営を圧迫する」などの発言が出されています。こうしたなかで、4月23日第一次、5月30日第二次、6月20日第三次、7月17日第四次の最賃デーがたたかわれるなど、中央最低賃金審議会に大幅引上げの「目安」を出させるための運動が強化され、三多摩からも多数の組合員が参加しています。
12)公務員労働者の賃金引き上げのための2008年度人事委員会勧告の準備が開始されています。5月連休明けから、人事院は民間賃金実態調査を開始しました。今年夏の勧告では、民間企業との格差が大きい初任給の取り扱いが焦点になると考えられています。初任給は非常勤職員(非正規労働者)の賃金決定水準とも密接にかかわってくるものです。8年連続で据え置かれている正規職員の賃金引上げは、強い要求になっていますが、逆に人事院が考えているのは、持ち家にかかわる住居手当の廃止と、一部のものにしかあたらない本省手当の新設などだといわれています。8月初旬と想定されている勧告に向けて、運動が強化されています。
2、労働法制改悪反対、働くルールの確立
1)労働者派遣法の改正を求める運動は、今重要な情勢を迎えています。徳島県のJMIU光洋シーリングテクノとJMIU日亜化学での派遣労働者の正社員化獲得に端を発した運動は、大坂の松下プラズマディスプレイの吉岡さんが4月25日かちとった大坂高裁判決によって大きな流れになっています。この判決では「請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は『脱法的な労働者供給契約』であり職安法・労働基準法に違反し無効である。松下と吉岡さんの間には『黙視の労働契約』があり松下側が行った契約更新拒否は『解雇権の濫用で無効』」とする画期的な判決です。この判決をはじめとする運動に激励されて、多くの産業・企業で「まともに働くルールの確立」をめざしたたたかいが進んでいます。
2)「すきや」「洋服のコナカ」「日本マクドナルド」と次々に『名ばかり支店長』が摘発され残業代の支払いなどが行われています。三多摩でも蛇の目ミシンの直営支店長がまさに『名ばかり支店長』となっています。わずかの支店長手当てのみで残業代は一切支給されていません。今後、会社に要求し改善を求めてゆく予定です。
また、同じ蛇の目ミシンの直営支店で働く販売員のなかに「委任販売員」という名の個人事業主にされている人がいます。八王子支店の伊藤さんは、この委任販売員ですが、「会社の指揮命令があり労働者である」との確認を八王子公共職業安定所に求め、労働者性が認められました。ところが会社は東京労働局に不服審査を申し立て、2008年1月10日に、東京労働局において立会い審査が行われました。その結果2月に東京労働局は会社の審査申立を却下し、伊藤さんの労働者性が確定しました。この決定に基づき、今後、残業代や最低賃金法による賃金請求などが検討されています。同じように、ビクターやINAXメンテナンスの労働者たちも、個人事業主ではなく労働者であるとして労働組合を結成してたたかいにたちあがっています。
3)こうした非正規労働者の増大は、小泉構造改革以降の規制緩和によるものです。「規制緩和万能論」のもとで貧困と格差の拡大が日本全体を覆っています。
三多摩労連に寄せられた労働相談も、この1年間で20件を超えています。現在相談に応じているトラックの陸送労働者の例では、企業の正社員にもかかわらず、全額歩合制で、九州まで30数時間かけてトラックを陸送しても実収入が手取り1万数千円程度にしかならない事例もあります。
個別の労働相談の解決とあわせて、こうした働かされ方を根本的に変え「働くルール」を確立する取り組みが、依然として緊急の課題になっています。
3、公契約条例の制定をめざして
1)国分寺市における公契約条例制定をめざす運動は、この間、全国的にも先進的な運動として展開されてきました。2002年の東京土建小金井国分寺支部からの議会陳情採択に始まり、2007年7月にはついに「調達に関する基本指針」が制定されました。10月31日には、国分寺市当局による「基本指針説明会」が実施され80人が参加し、制度についてのさまざまな意見、要望が出され具体化が始まっています。
2)国分寺市の指針制定の影響は三多摩各自治体に広がっています。西東京市では、2007年11月に「西東京公契約制度に関する調査研究委員会部会中間報告」が市当局から提示されています。また、町田市、狛江市、八王子市、武蔵村山市などで、同様の検討が進められています。調布市では、国土交通省の「下請契約における代金支払いの適正化等について」の通達を参考にして、指導文書を出すことが検討されています。
3)こうした公契約条例制定をめざす運動は、東京土建各支部や、各地域労連を中心としながらも、自治体職員組合、建設業協会などの業者団体とも共同して進められていることが大きな特徴です。現在、真に実効ある条例制定と運用をめざして、三多摩各地域で取り組みが強められています。
4、公務員攻撃、自治体リストラ、公務員制度の改悪反対
1)5月29日、「国家公務員制度改革基本法案」が衆議院本会議で自民党・民主党・公明党・社民党の賛成で可決され参議院に送られました。日本共産党と国民新党は反対しました。この法案は、国家公務員の中の少数の高級官僚が歴代自民党と癒着してきた根本になんらメスをいれていません。そればかりか「キャリヤ」と呼ばれる特権的制度を法定化し高級官僚を強化し、天下りにもまったく規制がかからないものです。その一方で、公務員の労働基本権回復はまったく明記しないもので、度重なるILO勧告にも背くものです。参議院での審議はわずか10数時間程度しか行われず、自民、公明、民主各党などの賛成で可決成立しました。
2)公務員に対する攻撃は、政府あげてのものになっています。その標的にされたのが社会保険庁です。一連の「消えた年金」問題は、そこに働く労働者だけの責任ではありませんが、これを悪用した政府によって社会保険庁はついに解体されることになってしまいました。分割・民営化で国民の大切な年金が利潤追求のために使われる事態になったのです。
ここに象徴的に現れている「民間でできることは民間で」という主張は、税金を納めている国民にとって、とうてい納得できるものではありません。政府、公務がやるべき仕事を利益追求の道具にしてゆく自治体リストラ、究極の新自由主義・規制緩和路線にストップをかけ、安全・安心の国民生活を確立することが必要です。
3)自治体キャラバンを通じて、三多摩の各自治体で、正規職員の人減らしが進行し、その一方で非正規職員数が増加し、全体に占める比率が高まっている実態が明らかになりました。2008年の自治体アンケート結果によって、2005年と2008年で比較可能な25市3町1村の合計29自治体を集計すると以下のようになっています。
(尚、2005年又は2008年の数字が公表されていない一部の自治体については近接する年度の数字を当てはめた。また小金井市は比較数字が無かった)
2005年 2008年(比率) 増減
総人員 44,053人 43,108人(97,8%) ▼ 945人
正規職員数 28,025人 26,361人(94,1%) ▼ 1,664人
非正規職員数 16,028人 16,747人(104,5%) + 719人
(非正規比率 36,37% 38,85%)
4)三多摩の各自治体に指定管理者制度が導入されつつあります。これまで公社・財団などに委託されてきた公の施設の管理を、営利企業を含む指定管理者が参入できるようになりました。「公の施設」とは保育所、養護老人ホーム、体育館、公民館、プール、国民宿舎、公会堂、勤労会館などの施設です。
こうした施設に指定管理者が導入された自治体では、さまざまな問題が発生しています。原則として3年限りでの指定となっているため、保育所の保育士が退職するなどの原因によって保育崩壊がすでに発生しています。また体育館やプール管理などでは、安全問題の不安が起こり、制度自体の見直しを求める声が寄せられています。
指定管理者制度とあわせて2006年6月に成立した「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(市場化テスト)が今後問題になってきます、この法律は本来自治体が行うべきサービスを民営化する手法です。すでに2008年2月には登記業務の一部が市場化テスト化され、その事業を担っていた公務員の削減と、一般競争入札による賃金引下げ問題が発生しています。
5)こうした中で、東京自治労連は「三多摩協議会」を組織として立ち上げ、非正規労働者の問題や、三多摩の各自治体がかかえている問題に広く取り組み、自治体運動の前進をめざす運動に踏み出しました。特に、定数削減による人減らしと、昨年特区連の現業労働者の賃金が9%切り下げられたことが、今年三多摩の各自治体に持ち込まれる恐れがあり、それを許さないたたかいが進められています。
そうした運動の拠点として、2008年7月以降、三多摩共同労働会館の一室を活用することになりました。
5、大増税反対、社会保障の充実
1)定率減税が完全廃止され、また税源移譲にともない地方税が大幅増税になりました。この間、金持ちと大企業減税を推し進める一方で庶民増税が行われてきました。
国民の税に対する怒りはかつてなく高まっています。そうしたなかで原油価格の高騰が、あらゆる物価を押し上げ、労働者・市民の生活は苦しさを増しています。それにもかかわらず政府・自民党は、福祉目的と称して消費税の大幅引上げを公言しています。福田首相も外国メディアに対して「現在の税率だから大きな財政赤字になっている。消費税増税について決断しなければならない時期になっている」と公言しています。消費税導入時に「福祉のため」などとしながら、実際には福祉は後退し続け、その一方で、この間の消費税総税額と大企業減税額が同額になっている実態からも、消費税増税は国民の大運動によって粉砕しなければなりません。
2)2008年4月から実施に移された後期高齢者医療制度は、国民大多数の怒りの声と行動を巻き起こしています。まさに、現代版「姥捨て山」として世界に例を見ない制度です。
2008年3月23日の日曜日に「後期高齢者医療制度廃止東京集会」が三多摩メーデーと同じ会場の井の頭公園西園で開催され、12,000人が参加しました。三多摩では、いち早く「三多摩集会」を計画し、三多摩実行委員会も立ち上げ準備を進めてきました。これが東京全体の運動に発展したのです。三多摩労連もこの三多摩実行委員会に参加し、その事務局を三多摩共同労働会館の一室に置き運動成功のため力を尽くしました。
4月からの実施そのものは阻止することはできませんでしたが、こうした運動もあり、また4月の年金から保険料が天引きされるなかで国民の怒りは高まり、国会前座込み行動などが連続的に行われました。
この世論を背景に、国会では民主党・日本共産党・社民党・国民新党の4野党が共同して参議院に「後期高齢者医療制度廃止法案」を提出し、6月6日に参議院で可決し衆議院に送付されましたが、会期末の参議院での福田内閣問責決議案、衆議院での福田内閣信任案などのやりとりの結果、次期臨時国会へ継続審議になりました。自民党・公明党の与党は、世論を恐れて部分的手直しでこの制度を維持しようと図っていますが、国民の運動がこれを許すはずが無く、福田内閣支持率急落の大きな原因のひとつになっています。
の制度の強行実施に対して全国で「不服審査請求」が起こされ、北海道で659人、京都で369人、福岡で358人など、全国で2,200人以上の人がたたかいに立ち上がっています。
三多摩各地域でも制度廃止を求める運動が盛り上がっています。
東村山地域では「後期高齢者医療制度廃止」の一点で広範な市民に呼びかけて大集会が開かれました。
国分寺では、3・23集会のあと「後期高齢者医療制度廃止国分寺の会」が作られ、市内の全老人クラブ28団体のうち24団体が呼びかけ団体になって中止を求める運動が進められています。7月13日にはシンポジュウムが開催され大きな成功を収めました。
武蔵野三鷹地域でも、6月6日に集会を開き、屋内の集会だけでなく次の運動を行う必要があるとして、広域連合議会に向けた署名運動が開始されています。
また立川地域でも2回の共同行動が行われ、早朝宣伝、市内団体要請・交渉、夕方宣伝などの終日行動が繰り広げられてきました。
3・23集会の三多摩地域での成功がその後の運動の大きな力になっています。
3)生活保護の老齢加算廃止に続いて、母子加算が廃止され、憲法第25条に定める
「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」が危機に瀕しています。こうした中で、老齢加算切捨ては憲法違反として9都道府県で115人が原告になって人間の尊厳を守れと「生存権裁判」を起こしました。東京訴訟では12人が原告となり、三多摩では西多摩から二人、府中、調布、町田から各一人の方が原告になっています。その東京地裁判決が、全国10地裁のトップを切って6月26日に出されましたが、原告の請求を全面棄却する不当判決でした。
判決理由で裁判長は「生活保護基準を具体的にどのように設定するのか厚生労働大臣の裁量にゆだねられている」「国民一般及び低所得者層の単身高齢者の消費水準を70歳以上と70歳未満で比較すると70歳以上のもののほうが低い」「70歳以上の単身無職者を比較すると、低所得者層の消費水準は、老齢加算を除いた生活扶助基準額より低い」「こうしたことは、70歳以上に老齢加算しなければならない特別な需要が無い合理的な根拠といえる」としました。
つまり、現在の貧困化を是として、低所得者との比較で老齢加算を削減しても良い、とする不当な判決です。これでは、格差と貧困はますます拡大する一方です。
この不当判決に対して原告は直ちに東京高裁に控訴しました。三多摩労連も引き続きこの運動を支援し、ともにたたかっています。
4)最低保障年金制度を求める運動は、新たな段階に入っています。自民党内ですら、
「年金制度を抜本的に考える会」という自主的な議員組織がつくられ、すべての高齢者に最低保障年金を支給する制度を中心にした「提言」を行っています。また、厚生労働省内でも無年金、低年金者への上乗せ支給が検討されていると報道されています。いまや、何らかの最低保障は必要という全体合意が形成されつつあります。
こうした情勢のなかで、無年金、低年金問題をただちに解決する制度の実現、財源は消費税によらず、所得の再配分と軍事費削減などによって生み出すことを中心とした運動が展開されています。
5)「消えた年金」問題を通じてその管理のあり方や、申請主義などの問題点が明ら
かになり、改善を求める世論が沸騰しました。政府、厚生労働省は「ねんきん特別便」をすべての受給者に送付して最後の1人まで問題点を解消するとしてきました。しかし、この特別便によって、他人の記録と入れ替わっていたり、受給している部分の記録が脱落しているなど、新たな誤りが発見されています。こうした点からも、社会保険庁の解体に反対し、根本的な対策を求める声が高まっています。
6、環境を守る運動
1)建設現場でアスベスト被害を受けた、東京・埼玉・千葉の各土建組合などの建設労働者172人が、5月17日、国と建材メーカー46社を相手に総額66億円の慰謝料を求める訴訟を東京地裁に起こしました。また6月末には神奈川の建設労働者41人が横浜地裁に提訴しました。原告は1960年代から、建設現場などでアスベストを吸引し肺がんや石綿肺になりました。アスベストの発ガン性はすでに1950年代には明らかになっており、国がその使用を禁止せず、逆に使用を義務化した責任は極めて重いものです。被害者のうち82人はすでに亡くなっており、遺族が原告になっています。三多摩労連としても、この訴訟を全面的に支援し、責任の明確化と補償を求める運動にともに取り組んでゆきます。
また、このアスベスト被害は建設労働者だけの問題ではなく、一般製造業、特に造船産業で働いていた労働者の間で深刻な問題になっています。2008年3月に厚生労働省が2005年から2006年の2年間に、アスベスト労災認定患者を出した事業所名を公表しましたが、その数は2,167事業所に上っています。その後6月12日になって2004年以前に労災認定患者がいた160事業所が追加公表され、合計2,327事業所に上りました。この発表によれば2004年以前の労災認定者数は710人、2006年1,783人、2007年995人に上っています。いずれも肺がんや中皮腫に侵された人たちです。そして重大なことは、工場内で働いていた労働者だけでなく、多数の認定患者が出た事業所の周辺でアスベスト飛散が起こっていたことです。環境省が全国6地域で行ったアスベスト関連事業所の周辺住民調査では、工場に立ち入ったことのない住民のうち18%にアスベスト被害の病変が見つかり「公害」の様相を示しています。三多摩でも、住友重機械で働いていた労働者たちの間で健康被害が心配されており、会社側の誠意ある対応を求めています。さらに、労災認定者の中に多くの教員が含まれています。これは教室内で長時間、低濃度のアスベストにさらされたためと考えられています。こうした中で、政府の対応は決定的に立ち遅れており、6月11日には改正石綿新法が成立しましたが、労災認定が厳格すぎるなどの批判が起こっています。
2)東京都の石原都知事は、2016年のオリンピックを東京に誘致しようと巨費を投じて招致活動を繰り広げています。オリンピックに巨額の税金を使うなら、都民の社会保障や医療費、30人学級の実現などに使うべきだとの声が高まっています。
東京都の計画では、オリンピックのプレスセンターを新設するために、築地市場を豊洲地区に移転しようとしていますが、その豊洲の市場予定地から、環境基準の4万3千倍のも濃度のベンゼンが検出されました。
都民の台所を預かる市場として、このように汚染された土地が使用できるはずもありません。直ちに計画を撤廃するべきだとの世論が高まっています。
オリンピック誘致以前の問題として、このように汚染された土地をそのまま放置することは許されません。環境改善を求める運動が起こりつつあります。
3)東京大気汚染公害訴訟が2007年8月に、原告と国、東京都、自動車メーカーとの間で和解が成立し勝利解決しました。この和解によって、被告3者が合計33億円を拠出し喘息の医療費助成制度が作られ、東京都の喘息患者全員の医療費が無料になりました。
原告に対する和解金は満足のゆく金額とはなりませんでしたが、この画期的医療制度の創立が、社会的に大きな貢献となる歴史的解決になりました。原告のこの間の努力に敬意を表します。三多摩労連もこの運動に力を尽くしました。
4)地球環境の破壊は予想をはるかに超えるスピードで進行しています。北極海の氷が大量に溶け出し、北極熊が絶滅危惧種に指定されました。干ばつと洪水、竜巻の大量発生、猛暑と極端な寒冷化など、地球環境は危機的状況に陥っています。こうしたなかで、CO2排出量の削減は遅々として進まず、アメリカ・中国などは制度自体に参加を拒んでいます。日本も排出削減の目標に達せず、北欧諸国から排出枠を金で買い取り、目標達成と言っているに過ぎません。
地球環境の回復は人類生存に直接かかわる重大問題なのです。20世紀の戦争で失った命よりも多数の人命が一気に失われる恐れすらあるのです。
従来、温暖化防止の活動は労働組合として取り組んできませんでしたが、今後、取り組みを強めてゆくことが必要になっています。
三多摩では、今年の第79回メーデーで初めて環境問題をテーマにしたパフォーマンスを行いました。
U、憲法改悪を許さず、平和と民主主義を守る運動
1、憲法改悪反対の運動
1)安倍内閣が政権を放り出し、急遽、福田内閣が登場し憲法改悪の運動が鳴りをひそめているように思われています。しかし実際は改憲勢力の動きは活発なものになっています。自民党、民主党を中心にして「新憲法制定議員同盟」が国会議員の多数を組織して公然と改憲策動を強めています。特に改憲審査権限を持つとされる国会の「憲法審査会」を始動させようと執念を燃やしています。
一方、憲法改悪反対、特に第九条を守れと全国で「九条の会」が続々と作られ、ついにその数は7000を超えました。これは1960年安保条約改定反対運動のときの安保共闘、2000団体を大きく上回る規模と広がりになっています。
三多摩でも各地域の九条の会や、職場九条の会が作られ活発に活動を繰り広げています。立川や八王子、西多摩など、ほとんど全ての地域で集会やシンポジュウムが開かれています。武蔵野三鷹では「憲法共同センター」を立ち上げて活動を強化しています。
こうした運動の結果、読売新聞の調査で、憲法改定反対が17年ぶりに50%を超え、特に第九条改定反対は60%以上に上っています。
2)「憲法改悪に反対し、第九条を守る」国民署名は、東京では人口の過半数600万筆を2008年目標にし、その内東京地評は150万筆を集める目標で運動を進めています。
5月12日現在の署名の到達点は896,846筆となっています。主な単産としては、都教組14万筆、東京土建40万筆、東京自治労連1万筆などとなっており単産による取り組みの強弱が現れています。三多摩の地域組織では、清瀬10,230筆、西東京8,027筆、府中3,900筆、武蔵野三鷹2,369筆などとなっています。単産を通じて集計されている分もあるため、正確な地域の行動を反映しているとは言えませんが、地域組織による運動の広がりに差異が見られます。
3)憲法施行61周年の今年、5月3日の『憲法集会』には4,300人が集い、会場の日比谷公会堂に多数の人が入りきれませんでした。また、5月4日、5日の「九条世界会議」には2日間で、18,500人余りが参加しました。「憲法守れ」の声が全国津々浦々を覆いつくす勢いで運動が強化されています。
2、政府・財界による教育支配の阻止
1)2006年12月、財界の要求を優先する政府・文部科学省は、多くの労働者・国民の反対を押し切って教育基本法改悪を強行しました。しかし、その後も三多摩労連は、教育闘争本部を中心に、都教組各支部や地域組織との共同で「取り戻そう1947教育基本法、許すな!教育三法改悪」をスローガンに、毎月第3水曜日の宣伝行動や署名活動、地域集会の開催、教育懇談会などさまざまな取り組みを展開してきました。しかし、政府・文部科学省は、改悪教育基本法の具体化として2007年6月には、教育三法(学校教育法、教育職員免許法、地方教育行政法)の改悪を強行し、続いて今年3月には、改悪教育基本法と改悪教育3法にもとづく戦後最悪の「新学習指導要領」を告示し、学校と子ども、教職員に押し付けました。
2)「新学習指導要領」は、新聞各紙に「告示は改定案とほぼ同じ内容になるのが通例だが(そうなっていない)」「異例の修正『愛国心』など追加、政治の圧力が背景」「君が代を『歌えるよう指導』と明記するなど内容が一部変更」と報道されるなど、政府・財界の反動的教育支配の意図を具体化したものになっています。
また「新学習指導要領」では、授業時間数を増やし、教師の教え方まで国や教育委員会が管理しようとしています。子どもと教職員の負担はますます重くなり「できんものはできんままでよい」という差別選別の教育にいっそう拍車をかけようとしています。
3)一方、都教組のアンケートに多くの教職員が「子どもたちの教育に役立たない研修が多い」「不必要な書類製作が多すぎる」「子どもに接する本来の時間がない」などと回答しているように、教職員の労働条件も年々悪化しています。教職員の多くは「毎日の持ち帰り仕事だけでは間に合わず、休日に自主出勤してやっと仕事をこなしている」(同、アンケート)状態です。長時間過密労働による「過労死」がいつ起こっても不思議ではありません。さらにまた、副校長や主幹、主任教諭制度の導入強行と、自己申告・業績評価制度の導入などによって、もの言えぬ上意下達体制が強化され、教職員の労働条件悪化に拍車をかけています。
4)こうしたなか、三多摩労連は教育闘争本部が中心になり、都教組各支部と連携して、全国で唯一東京都だけが実施していない30人学級の実現をめざす署名運動を開始しました。この「東京で30人学級の実現を求める署名」運動は、この間取り組んだ教育基本法改悪反対100万枚ビラ宣伝行動などの運動を土台に、連合傘下の労組とも共同して取り組む画期的運動になっています。政府・財界の反動的教育支配から、子どもと教育を守り、教職員の労働条件を守るためにも重要な取り組みです。
5)東京都教育委員会は、今年もまた入学式での「日の丸・君が代」の強制に従わなかった、として不当にも二人の教員を処分しました。「日の丸・君が代」を強制する2003年10月の都教委「10・23通達」以降、不当処分を受けた教職員はのべ420人に達しています。
しかし、裁判では「通達」を不当と訴えた「予防訴訟」でも、七生養護学校の元校長「金崎裁判」でも東京都教育委員会は断罪されています。集団自決に日本軍の関与があったとした「沖縄ノート」の大江・岩波裁判でも、大江氏側が勝訴しています。引き続き、都教委などの不当性を世論に訴えていくことが重要です。
3、米軍再編・日米軍事同盟強化反対、平和を守る運動
1)全世界的に進められている米軍の再編の中で、日本国内の基地強化が図られています。2007年通常国会で「在日米軍再編法案」が成立し、沖縄嘉手納基地の海兵隊のグアム移転、辺野古地域の海上基地建設、岩国へのF15戦闘機配備などが行われようとしています。特に横田基地はアメリカにとっての世界的緊急事態に対応した基地として、新たに航空機動隊の支援管理部隊が配備されるなど重要な任務を持つ基地として強化されています。あわせて横須賀港に、海外では初めてとなる原子力空母が配備されようとしています。
こうしたなかで、全国各地で米軍基地反対の運動が高揚しています。特に沖縄では、相次ぐ米兵による蛮行に対して県民総ぐるみの決起集会が開かれました。
また、6月8日投票の沖縄県議選では、自民党・公明党の県政与党は22議席と惨敗し、民主党や共産党などの野党が26議席と過半数を占め勝利しました。
その要因として「後期高齢者医療制度」に対する県民の怒りとともに、基地強化反対の運動があったことは疑う余地がありません。
7月13日には、原子力空母配備阻止横須賀大集会が3万人以上の参加で開催され、三多摩からも各地域組織や単産から多くの仲間が参加しました。
2)新横田基地公害訴訟は、昨年5月の最高裁判決によって終結し、本年1月27日の解散総会によって訴訟団も解団しました。この間の原告・弁護団の努力とご苦労に敬意を表します。しかし、その後も続く横田基地問題のために「横田基地撤去と基地被害をなくす共同行動連絡センター」の活動が再開されました。「撤去センター」はこの間、横田基地への抗議行動や調査活動をおこなってきました。しかしその活動は横須賀・座間などと比較して活発なものとなっていません。
また「横田基地撤去センター」とは別に「横田基地を考える会」が新たにつくられ、定期的な活動を行っています。三多摩労連としては、正式に加盟していませんが、新たな住民運動の兆しとして注目しています。
3)テロ特措法が2007年11月1日に失効し、海上自衛隊の補給艦は11月23日、インド洋、アラビア海から帰国しました。その後、政府・与党は、自衛隊の活動を「給油・給水に限定する」新テロ特措法を国会に提出し衆議院で可決しましたが2008年1月11日、参議院では否決となりました。しかし政府・与党はこの法案を衆議院で3分の2以上の賛成で再議決成立させ、再び自衛艦をインド洋に派遣しました。参議院で否決された法案を57年ぶりに再議決成立させてまで、自衛艦をアメリカ軍の補給のために派遣する暴挙を行ったのです。
4)2008年4月17日、名古屋高等裁判所は、自衛隊のイラク派兵を違憲とする画期的判決を下しました。この訴訟での原告市民、約3,000人の請求は、
「国が行った自衛隊のイラク派兵は憲法九条1項が禁止する戦闘行為であり、原告は平和的生存権が侵された。従って損害賠償を請求する」ものでした。判決は、自衛隊が具体的にイラクで米軍の支援のために行った行動をつぶさに調べ、その行為は憲法九条に違反する戦闘行為であると結論づけました。しかし、原告らが具体的に平和的生存権を侵されたとまでは言えないから、損害賠償請求は却下するとしました。判決理由では、憲法違反であるとしながらも結論では被告である国が勝訴しているこの判決に国は上告することができず、この判決は確定しました。当たり前の常識の持ち主であるならば、自衛隊が後方支援と称して米兵などをバクダットの戦闘地域に輸送する行為は、当然戦闘行為に他ならないことは、明らかです。
5)この判決を契機にして、政府与党は、自衛隊の海外派兵恒久法を成立させるべく危険な準備を急いでいます。石破防衛大臣を委員長とする、自民党国防部会防衛政策検討小委員会がまとめたいわゆる「石破私案」の骨子は以下のような危険な内容になっています。
@これまでの特措法やPKO法が自衛隊の海外派兵の条件にしてきた国連決議や国際機関の要請がなくても、日本政府の判断でいつでも海外派兵を可能にする。
A自衛隊の活動を、これまでの「人道復興支援」だけでなく、治安維持のための安全確保活動、人や施設などの警護活動、船舶検査活動にも拡大し、「危害防止のために必要な措置」「予防のために必要な措置」も実施するとし、現在アメリカ軍が行っている「掃討作戦」のような活動にも道をひらいている。
Bこれまで武器使用の条件にしてきた「正当防衛」や「緊急避難」に限らず、任務遂行のためには「その事態に応じ合理的に判断される限度」での武器使用を認める、など、事実上制限無く海外での武力行使を可能にしている。
こうして日本を「海外で戦争をする国」にしようとする憲法違反の海外派兵恒久法を絶対に許さないたたかいが重要になっています。
6)2008年5月6日「原水爆禁止2008年世界大会」に向けての平和行進が東京夢の島第5福竜丸展示館前を出発しました。今年は平和行進開始から50回目の節目の年です。これを反映して、初日の行進にはここ数年では最高の1,400人が参加しました。8月4日の世界大会に向けて約90日間を歩きとおします。
また、今年の平和行進には、礼文島から日本海側を通り、長野、山梨を経て東京に至るコースに、元JMIU日本電子支部副委員長の渡邉さんが挑み、7月17日には甲武トンネルから桧原村に入ってきました。多くの人が一緒に行進し平和への思いを新たにしました。
7)2008年5月28日、仙台高等裁判所は一審で原爆症認定の申請を却下された被爆者にたいして、原爆症であるとの逆転勝訴判決を下しました。
続いて5月30日には、大坂高等裁判所も同様のケースで原告の被爆者9人全員を原爆症であるとする逆転勝訴判決を下したのです。
これまで国は、原爆症の認定基準をきわめて狭く設定し、被爆者援護をサボタージュしてきました。しかし、この相次ぐ高裁判決により、国は最高裁への上告を行うことができず、判決は確定しました。しかし、この両高裁以外の4高裁15地裁で争われている原爆症認定訴訟については、あくまで争う姿勢を明らかにしました。
原告は全員で305人に達し、その内、すでに50人が亡くなっている現状からしても、国のこの態度は不当なものであり、全面一括解決を求める原告らの運動が進められています。
8)2008年5月28日、アイルランド、ダブリンで開かれていたクラスター爆弾を禁止するための「オスロプロセス」国際会議は、一部を除いてほとんどのクラスター爆弾を禁止する条約案を決定しました。クラスター爆弾は1個の親爆弾から数百個の子爆弾が広範囲にばらまかれ、地上部隊、施設、戦闘員をせん滅する兵器です。ベトナム戦争をはじめとするアメリカの侵略戦争で大量に使用され、その不発弾によって今現在も犠牲者が出続けている殺戮爆弾です。
世界の平和を求める人々の勝利ですが、肝心のアメリカ、中国、ロシアなどはこの会議自体に参加しておりません。世界的世論でこの条約を全ての国が実行する努力が、今後続けられてゆくでしょう。
4、マスコミの動きをチェックする
1)政府財界の意向を受けて、マスコミは「自民か民主か」と二大政党論を繰り広げています。NHKの日曜討論などでも、他の政党を締め出して自民党と民主党のみによる討論会が放映されています。これはマスコミの命ともいうべき放送の中立性、公平性を自ら投げ捨てるものです。
かたよった放送内容の番組に対しては、国民から厳しい批判の声が上がっています。三多摩労連傘下の組合員からも、公正さを欠く番組に抗議の電話をかけた例が多く報告されています。
2)2008年6月12日、最高裁判所はNHKの番組内容に安倍晋三官房副長官(当時)が介入し改ざんをさせた問題の訴訟で原告の請求を退ける不当判決を下しました。
この番組は「問われる戦時性暴力」と題する、従軍慰安婦問題を扱った番組でした。この製作に協力した市民団体「バウネット」はNHKに全面協力し番組は完成しました。ところが、その後NHKは、市民団体に一切説明することなく、安倍官房副長官の圧力で内容を作り変えて放映したのです。
2007年1月29日の東京高裁判決は、この点をしっかり判断しNHKに損害賠償を命じる判断を下しました。ところが、今回の最高裁判決は、最も重要な政治家の圧力で放送が捻じ曲げられた点について一切判断をせず、番組を作り変えるか否かはNHKの「編集の自由だ」として、原告敗訴の判決を書いたのです。
私たちは、NHKをはじめとするマスコミが政治から自立することを求めています。自らの自殺行為ともいうべき今回の番組改ざんと、それを追認した最高裁判決にマスコミ関係者を含めて批判の声が高まっています。
5、自衛隊による国民監視をやめさせる
1)2007年6月6日、日本共産党の志位委員長の記者会見で、自衛隊情報保全隊による国民監視が明らかになり、広範な国民の批判が高まりました。三多摩労連も幹事会で抗議決議を採択し、安倍内閣総理大臣(当時)久間防衛大臣(当時)に送付しました。
その後、こうした国民監視活動は明らかになっていませんが、情報保全隊が解散したわけではなく、依然として国民の目に見えない形で続けられていることは明らかです。
引き続き、こうした不当な憲法違反を許さない活動を続けてゆきます。
V、支援するすべての争議の勝利
1)この一年間で多くの争議が解決しました。三多摩でも、長い間たたかってきた二つの争議がうれしい勝利解決をかちとりました。
@JMIU住友重機械支部の争議は、2008年2月27日、東京都労働委員会において調印が行われ1991年以来の長期争議に勝利しました。 1991年以来の組合員に対する賃金・昇格差別、2002年からの一方的な賃金15%カット、及び、団体交渉拒否と不誠実団交の3点の争いについて、賃金の是正、二人の組合員の横須賀事業所から田無事業所への復帰、解決金の支払いなどを勝ち取り全面解決しました。
この間、三多摩の多くの労働組合や個人に支えられて、組合員が次々と定年退職を迎えるという苦しい状況を打ち破ってついに勝利したのです。この5年間余りの三多摩をはじめとする全国の支援に、JMIU住友重機械支部は深い感謝と感動を表明しています。
三多摩労連はこの争議支援共闘会議に、菅谷議長を副議長に派遣するなど全面的な支援を行ってきました。4月18日には、新宿厚生年金会館で勝利報告集会が行われ、340人が参加しました。
A 2008年4月24日には、40年越しの東芝争議が中央労働委員会での和解によって全面解決しました。この争議は、職場を明るく働きやすくしようと活動していた日本共産党員と民主的労働者に対して、会社が行ってきた不当な賃金・昇格差別、重要な仕事から排除するなどの差別撤廃を求めてたたかわれてきたものです。
解決内容は、差別是正を求めて労働委員会に不当労働行為救済を申し立てた12人と、差別の是正を会社に直接求めた「人権を守り差別の無い明るい職場をつくる東芝の会」の84人、合計96人全員の差別された処遇を是正し他の従業員と同等に扱うこと、退職者を含めての解決金支払い、再発防止などをかちとったものです。
三多摩には、青梅、日野、府中と三事業所があり、工場への申し入れや宣伝行動などが、各地域組織も含めて取り組まれてきました。三多摩労連からも支援共闘会議に役員を派遣し、ともにたたかってきましたが、うれしい勝利となりました。
7月11日には、三多摩の勝利報告集会が立川グランドホテルで行われ、三多摩全域から多くの人が参加し、ともに喜びを分かち合いました。
2)こうした争議解決の一方、困難な争議がいまだたたかわれています。
@ 府中労連、田中事件
2007年6月22日、田中英男さんに対する解雇無効の勝利判決を獲得し、田中さんは7月から職場復帰しました。また、会社が起こした府中地域合同労組と田中英男さんに対する各1,000万円の損害賠償請求事件も2007年9月10日に、会社の請求を全面的に退ける勝利判決がかちとられ、会社は控訴することもできず、判決が確定しました。
しかし、会社は解雇期間中の一時金を支払おうとせず、解雇無効による未払い賃金の支払いも引き延ばし、最後は半年間に及ぶ分割払いとなりました。そこで田中さんは府中労連の支援のもと、未払い一時金の支払いと、未払い賃金の遅延利息の支払いを求める訴訟を東京地裁八王子支部に起こしました。さらに、不当な損害賠償請求裁判を起こされ、組合と田中さんが受けた損害の賠償を求める訴訟も同地裁に起こしました。
組合は訴訟を争いつつも、交渉による解決をも求めてきましたが、会社は代表取締役社長が、団交に一回も出席せず不誠実団交に終始してきました。その上、何とかして田中さんを自主的退職に追い込もうとして、2008年4月から、年間賃金を実に243万円余も引き下げたのです。こうした会社の態度に対して、府中地域合同労組は2008年6月10日、東京都労働委員会に不当労働行為救済申立を行い、現在三つの争いが続いています。
A JMIU三多摩地域支部アールワン争議
稲城市などに6つの店舗をもつリサイクルショップ、アールワンから2006年12月30日と2007年3月1日に不当解雇された脇本さん、森さんの争議は、本訴で近々証人調べが行われる予定まで進行しています。会社は自主的交渉での争議解決を拒否し、あくまで法廷で決着を図る態度を崩していません。そして膨大な証拠を提出し、訴訟の引き延ばしを図っています。
今秋以降には訴訟が大きく進むことも予想され、運動を大きく展開することが検討されています。
B 七生養護学校
日野市の都立七生養護学校での障害児に対する性教育に、自民党や民主党の都議会議員と産経新聞が弾圧を加えた、都立七生養護学校事件は、2008年2月に金崎元校長に対する降格処分を無効とする東京地裁判決が出されました。しかし、東京都教育委員会は東京高裁に控訴し、たたかいは高裁の場に移っています。
また、都教委が性教育の教材などを持ち去り、教職員への処分を行ったのは不当だとして、教職員と保護者の31人が提訴した訴訟は5月15日、東京地裁で結審になりました。
三多摩労連もこのたたかい「ここから裁判」と金崎元校長のたたかいを支援してきました。判決に注目しています。
C 国立2小事件
2000年3月の卒業式での日の丸掲揚をめぐって、教職員13人を不当処分した国立2小事件は、2006年9月の東京地裁不当判決に続いて、2008年3月には東京高裁が地裁判決をさらに悪化させる判決を下しました。
このような不当判決は許すことができません。原告・弁護団は慎重な討議の結果最終判断を得るべく、2008年4月最高裁に上告しました。
D「日の丸・君が代」強制反対、三人の先生の裁判を支える会
2003年度卒業式、2004年度入学式で、国歌斉唱時に起立しなかったことを理由に処分された3人の先生の裁判闘争も1年が経過しました。現在、弁論準備で進行協議が行われています。6月23日の第7回準備手続きでは、証人採用の検討が行われ、次々回の第8回公判から証人調べに入ることができるか否かというところまで進行してきました。
裁判闘争の山場に向けて支援体制を強め、「支える会」への多くの人々の加入が求められています。
E 鶴川高校教職員争議
組合員である教員に対する学園側の差別攻撃は、入学式への出席拒否、授業に必要な印刷物の紙すら支給しない、また組合員教員と生徒との接触をさせずその影響力を断ち切ろうとするなど、常軌を逸したものになっています。
こうした不当労働行為を審理している中央労働委員会では、公益委員が「和解はむずかしいので早く命令を出す」として、次回第4回目の調査を経て、次々回には結審する方向になっています。
また、第2次賃金差別裁判は、6月7日の弁論準備において学園側は書面すら提出しませんでした。学園側の引き延ばしと見られますが、運動と世論が学園と理事長を大きく包囲している現われです。
F ジャムコ社佐藤さん労災事件
ジャムコ社(航空機用厨房設備のトップメーカー)立川工場で化学物質過敏症となり労災認定されたが、その後「労働可能」と判断され休業補償を打ち切られた佐藤憲一さん裁判は、敗訴した後「労働可能」の根拠とされたバイク店廃業後の休業補償をめぐり、立川労基署と労働保険審査会を被告に新たな行政訴訟が東京地裁で審理中です。
G 川田直さん過労自殺訴訟
川田直さん、過労自殺をめぐる争いは、2006年10月に東京地裁八王子支部が原告の請求を却下する不当判決を下しました。しかし、このような判決は認めることができません。原告側は東京高裁に控訴し争いましたが2008年5月、東京高裁も地裁判決を踏襲し、原告の訴えを棄却しました。そこで、最終的な判断を求めて、最高裁判所に上告し、現在もたたかいが継続されています。
W、第79回三多摩メーデーの成功
1)第79回三多摩メーデーは、抜けるような五月晴れの井の頭公園西園に6,500人が集い大きな成功を収めました。参加者数は平日の木曜日にもかかわらず前年を500人上回りました。
今年初めて三多摩メーデーに参加した人から「三多摩メーデーは手作りで、参加者がみんなで舞台を盛り上げ本当に良かった」といったうれしい感想も寄せられています。
2)準備段階では、4月の第4回実行委員会までに任務分担や議長団、出演者など、主な進行は全て決まっていなければならないことが決まっていなかったために、当日混乱をきたした点がみられました。例えば議長団が未確認で予定者が1人現れなかったことなどです。
ただ、前々日準備はスムースに進行し、予定より早い時間にプログラムの帳合いが終了することができました。
また、前日準備もほぼ予定どおりに進行しましたが、隊列表が作られていなかったため、表示看板の設置が遅れました。
3)メーデー当日の進行、舞台などはおおむね好評でした。但し、デモ行進が半分も出ていない中で表示看板の撤去や、本部テントの撤去作業が開始されてしまうなど、
実行委員会事務局が用意した進行表が無視されることがありました。デモ隊の最後が出発し終わるまで、テントや表示看板は設置したままで置くべきでしょう。
舞台では、今年も青年が生き生きと活躍し盛り上げてくれました。また、各組合のパフォーマンスも内容がよく練られており、三多摩メーデーの伝統にふさわしいものになりました。
4)東京土建各支部のデコレーションが今年も集会とデモ行進を大いに盛り上げてくれました。他の組合でも、創意工夫をこらした扮装などが見られましたが、全体が何らかの表現をすることが必要だと感じられました。
5)懸案の財政については、自治体補助が昨年より減少しましたが、プログラムに協賛広告を多く掲載するなどの努力によって、赤字は防ぐことができました。しかし、根本的な解決策は、参加者の増加を図ることです。文字通り1万人の三多摩メーデーを実現する努力が、今まで以上に求められています。
X、労働者の要求を実現する政治のための運動
1,国政選挙と地方選挙
1)2007年度は国政選挙、東京都段階の地方選挙はありませんでした。新年度は、衆議院の解散総選挙が必ず行われますし、来年6月には都議会議員選挙が予定されています。国政と都政を変える絶好の機会が訪れます。
2,自治体首長選挙
1)自治体首長選挙は三多摩の5市で行われ、三多摩労連として全ての選挙で候補者を推薦してたたかいました。
2)5市長選挙の投票結果(下線が推薦した候補者)
○ 立川市…8月26日告示、9月2日投票 投票率:42,86%
当 清水 庄平 17,864票 (30,3%)
村田 光男 13,542票 (23,0%)
若松 貞康 12,912票 (21,9%)
戸井田春子 9,562票 (16,2%)
山田 昌夫 5,016票 ( 8,5%)
○ あきる野市…9月30日告示、10月7日投票 投票率:52,39%
当 臼井 孝 15,070票 (45,7%)
野村 正夫 13,173票 (39,9%)
水谷 正紀 4,140票 (12,6%)
並木 新平 608票 ( 1,8%)
○ 八王子市…1月20日告示、1月27日投票
当 黒須 隆一 84,877票 (57,2%)
橋本 良仁 63,540票 (42,8%)
○ 府中市…1月20日告示、1月27日投票
当 野口 忠直 44,154票 (62,4%)
桑島耕太郎 14,125票 (19,9%)
志摩 和寿 12,533票 (17,7%)
○ 狛江市…6月15日告示、6月22日投票 投票率 48,51%
当 矢野 裕 13,396票(44,2%)
高橋 清治 9,727票(32,1%)
伊藤 正昭 7,173票(23,7%)
この結果、八王子市では一騎打ちの中で健闘し42,8%の得票を獲得しましたが、惜しくも当選には至りませんでした。
革新市政の継続発展を期した狛江市長選挙は、三つ巴の激しいたたかいとなりましたが、矢野候補が自民党・公明党が共同で推薦した候補と、民主党、生活者ネット、国民新党などが推薦した候補に見事に競り勝ち、革新・市民派市長として4選を果たしました。この勝利は、なによりも3期12年の矢野市政が、市政再建、市民本位の市政への大転換を図ってきたことが市民に正しく評価された結果です。そして全国・全都の支援と三多摩あげての運動も大きな力になりました。矢野市長は今後の4年間、選挙中に公約した基本政策実現のため、市民と手を携えて運動を進めてゆく決意を新たにしています。
Y、組織拡大・強化の運動
1、組織拡大を最重点課題に
1)都教組各支部とも組合員の高齢化が進み、あと数年で定年退職を迎える組合員が多い状態になっています。こうした中で、次世代を担う青年組合員の獲得が焦眉の課題になっています。
今年5月現在で、北多摩東支部では12名が新たに組合に加入しその内11名が30歳以下です。北多摩西支部では12名の若い人たちが加入し、南多摩支部でも5名が新加入しています。西多摩支部でも、一昨年11人、昨年12人が加入しています。
このように各支部とも新しい組合員を迎え入れ、組合活動に活気が生まれています。
2)自治労連の職場でも拡大が進みました。東京公務公共一般の組織拡大が目立って
いますが、それ以外の職場でも新加入者を迎え入れています。
養育院支部東村山分会は、多摩老人医療センターの労働者の労災事故に対して、組合に加入してもらい団交を行い、労災を認めさせました。これを契機にして、その労働者が中心になって22名が新たに組合加入してくれました。
こうしたなかで、東京自治労連三多摩協議会の今後の活動が大いに期待されます。
3)JMIUでは、労働相談からこの1年間で3つの支部と1つの分会が結成されました。労働相談から三多摩地域支部に加入した人は、約30人に上っています。さらに各地域で労働相談会が行われ、そこからの相談が法律事務所や市議会議員などを通じて寄せられています。また、未組織労働者向け駅頭宣伝活動は、この1年間で100回に達しています。こうした宣伝の中からも労働相談が生まれています。その教訓としては「事件解決型」から「組織建設型」への発展が実行されています。
2、全地域に地域センター確立
1)三多摩全域のなかで、唯一地域組織の無い村山・大和地域に地域組織をつくる取り組みを進めてきました。
7月の大会には間に合いませんでしたが、新年度早々にも地域組織を立ち上げられるよう、準備が進められています。
2)東京労連は、地域運動の活性化をめざして「地域対策会議」を設置して活動を進めています。今日段階では具体的な提起はありませんが近い将来方針が具体化される見通しになっています。
3、三多摩労連の機関運営の強化と組織の強化
1)三多摩労連の幹事会はこの1年で12回開催しました。三多摩の労働運動の牽引車としての役割を担って活動しています。しかし、残念ながら幹事会の出席率は必ずしも良いものではありません。常に成立ぎりぎりといった状態が続いています。
三多摩労連の役員は、各構成組織が責任を持って送り出してくれた人たちです。従って、三多摩労連の一ヶ月に1回の幹事会出席は保障されていなければなりません。さまざまな運動の理由があるのは理解できますが、最大限の改善が必要になっています。
文字通り、三多摩の労働運動のセンターとしての役割をきちんと果たし、各方面の多彩な要求に応えて運動を推進する義務があることを再確認してください。
尚、第17回定期大会以降、西多摩労組連、武蔵野三鷹地区労から幹事が補充され、清水さんが新たに顧問に選任されました。また幹事の交代が2名ありました。
2)評議員会は12月27日、第1回を開催し、春闘方針などを中心に討論決定しました。
また、第2回評議員会を5月22日に開催し、第18回定期大会の召集を中心にした議論を行い、議題を決定しました。
2回の評議員会を通じて、当面する課題について議論が深まりました。
3)地域代表者会議は、1年間で12回開催しました。成立要件は無い会議ですが、毎回の出席は良くないものになっています。3月以降は各地域持ち回りとし、最初に武蔵野三鷹地区労、その後、会館を新築したばかりの八王子労連、そして市長選挙直前の調布狛江労連で開催しました。
この会議では、各地域の運動や悩み教訓などが率直に語られており、各地域組織からの多数の出席が待たれています。
4)四役会議はこの1年間で13回開催し、幹事会に提案する議題の整理、幹事会開催までの間の緊急課題の仮決定などの任務を果たしてきました。しかし、四役の平均年齢が上昇しているなかで三多摩労連の次世代を担う若い幹部の登場が待たれています。そのため「三多摩労連後継者問題検討委員会」をつくり2007年9月10日、10月13日、11月17日と3回の論議を行いました。結論的には、「当面次年度の議長・事務局長については、現在の出身組織が責任を持って推薦し、その後の役員問題については、各構成組織での議論を深めてもらいたい」との結論を出しました。この方向での各構成組織での議論を期待します。
5) 3年前の苦い経験から定めた三多摩労連の運営については、きちんと実行されています。各機関会議の議事録はまとめてファイルされており、いつでも閲覧可能な状態になっています。職員の出勤簿もきちんと記録・保管されており、規律ある運営に努力しています。
また、2008年7月から、池田さんの雇用保険と労災保険加入を行いました。小菅さんは2008年12月に出産予定となり、11月から産休に入る予定です。
4、東京地評の全労連加盟をめざす
1)三多摩労連から東京地評の役員として、寉田副議長が副議長に、坂ノ下事務局長が幹事に選出されています。東京地評の会議では、全労連加盟に向けた東京地評と全労連の定期協議などの議論も行われており、それをさらに推進すべく努力がされています。
三多摩労連に結集する各地域組織にも、評議員会などの機会に、東京地評の全労連加盟を求めて積極的に発言することを要望します。
私たちを取りまく情勢
T、21世紀、変動する世界
1、アメリカ一国支配の崩壊と日本
1)「世界の憲兵」を自称してきたアメリカは、アフガン戦争・イラク戦争と次々と侵略戦争を引き起こしてきました。その特徴は自国の利益のために行う先制攻撃だということです。それはアメリカ国内資本の要求によって石油権益をはじめとする利潤追求のためでもありました。「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀から21世紀に入ってもその流れは変わらないように見えました。
2)しかし、現在、世界はこうしたアメリカ一国支配から大きく変貌しています。
「アメリカの裏庭」といわれ続けてきたラテンアメリカにおいて、民主革命が次々に広がり左翼政権が誕生し、アジアでもネパールの王政が民主的に廃止されました。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々から始まった東南アジア友好協力条約(TAC)の運動が飛躍的に広がっています。この条約の最大の特徴は「武力による威嚇、武力行使の禁止」「紛争の平和的解決」にあります。まさに日本国憲法第九条と同じ考えに立った条約なのです。この条約への参加国はASEAN諸国から、中国、インド、ロシア、パキスタン、韓国、そしてついに日本も加盟し、つい最近はフランスも加盟、現在では24カ国、37億人と世界人口の57%が参加する巨大な平和共同体となっているのです。
3)こうした動きが加速度的に強まっている背景には、国連憲章にもとづいて平和の国際秩序確立をめざす地球的規模での波の高まりがあるのです。いまやアメリカを中心とする軍事同盟体制が、世界でもアジアでも力を失い、その多くが解体、機能不全、弱体化に陥り、それに替わって仮想敵国を持たない平和の地域共同体が広がっています。
4)北朝鮮の核保有問題を巡って6カ国協議が行われました。最大の焦点だった北朝鮮の核計画申請書の検証について、核施設への立ち入り調査などで基本的に合意し、アメリカは北朝鮮に対するテロ支援国の指定解除を行おうとしています。
5)しかし、こうした世界の巨大な流れの中にあって、日本は依然として「日米安保条約」によってアメリカ追随の政治を続けています。崩壊しつつあるアメリカの世界軍事支配戦略の要請のまま、基地を温存・強化し「おもいやり予算」でアメリカ軍に税金をつぎ込み、その要求によってイラクにまで自衛隊を派遣しています。
2、世界をおおう投機マネー
1)現在、世界には数兆ドルとも言われる投機マネーが利潤を求めてうごめいています。公的データはありませんが世界で約1万社存在するヘッジファンドだけでその運用残高は200兆円と推定されています。もともとは、アメリカがベトナム侵略戦争の戦費調達のためドルの兌換紙幣制を廃止し、ドル札を大量に印刷発行し、それがユーロダラーと呼ばれヨーロッパに流出したことから始まったとされていますが、現在ではその数百倍の規模になっています。この巨額のマネーの原資は、世界中の年金・保険・銀行投資・一般投信・大企業の内部留保などです。この巨大な投機マネーが世界を支配し、経済は実体経済とかけ離れた状態に陥っています。
この投機マネーが原油価格の高騰をもたらし、穀物を中心にした投機によって食糧危機をも作り出し、私たちの生活をも脅かしているのです。
2)この投機マネーにより日本経済のグローバル化が一気に進行しています。投資ファンドなどによる企業買収が日常茶飯事のようにくり返されています。投資ファンドはもの作りには何の興味もありません、あるのは、その企業自体の売買によって利益が上がるか否かだけです。保険会社を含む日本の金融機関でヘッジファンドに投資したのは348機関で投資総額は7兆4400億円に達しています。(06年3月実績)また、投機マネーによって買収された企業が、より多くの利益を求めて生産を海外に移転し多国籍化するケースが増大し「産業空洞化」が進み、雇用の機会も減少する深刻な状態になっています。
3)こうした「ルールなき資本主義」を正さなければならない、とする世論も徐々に高まっています。最近の『見直されるマルクス』や、小林多喜二の「蟹工船」ブームなども、その反映といえるでしょう。
U、労働者・国民の状態
1、広がる格差と貧困
1)政府・財界による労働法制の改悪により雇用の流動化が進み格差と貧困がかつて無く拡大しています。
正規労働者は2002年の3,489万人から2006年には3,411万人へと78万人減り、非正規労働者は同時期に1,453万人から1,680万人へと227万人増加しています。
また、年収200万円以下の労働者は2006年調査で、男性の9,6%、263万人、女性が43,6%、766万人で合計1,029万人に達しています。
こうした貧困の拡大は、1995年日経連(当時)が発表した「新時代の日本的経営」で、労働者を長期蓄積能力活用型(エリート)と、高度専門能力活用型(専門職)及び雇用柔軟型(使い捨て不安定雇用)の3グループに区分して活用するとしたときから始まりました。
2)この財界方針を受けて、労働者派遣法が制定されたのです。その狙いは必要なときに必要なだけの労働力を確保し、いらなくなったらいつでも自由に解雇できるようにすることでした。1985年に13業種で労働者派遣が認可され、翌年16業種、そして1996年には26業種へと拡大され、1999年には、建設業、港湾荷役、製造業を除いて「原則自由化」となり、ついに2003年には製造業も自由化されました。
2005年の統計では、派遣労働者数は255万人に達し、前年度比39,2%増と猛烈な勢いで増加し続けています。
3)こうして労働者の貧困化が進み格差が拡大していったのです。あまりの無原則な規制緩和によって不安定雇用が広がり、違法な働かせ方が増大したことから、全国各地で労働者のたたかいが起こり、いくつかの重要な前進がかち取られています。
こうした流れのなかで、野党各党は労働者派遣法の改正案を発表しました。各党により差異があるものの、基本的に共通しているのは以下の点です。
@ 日雇い派遣の禁止
A 登録型派遣は厳しく制限し、常用型派遣を中心にする
B 「対象業種自由化」撤廃し99年以前に戻し、専門的、一時的臨時的業務に限定
C マージン規制の実施
D 違法派遣は派遣先の「みなし雇用」とする。派遣先の直接雇用は原則「期間の定めのない雇用」とする
こうした動きの特徴が、従来のように政府の法律改悪に対して反対運動を起こすというパターンではなく、労働者のたたかいと要求をもとに法改正の流れが作られていることに確信をもって運動が進められました。
こうした動きのなかで厚生労働省も、各県の労働局長や業者団体に対して、派遣労働者の適正な雇用管理についての通達を出しました。これは、6月8日の秋葉原通り魔殺人事件の犯人が派遣労働者だったことに関連して緊急に出されたものです。政府・与党も「日雇い派遣」については「原則的に禁止する」ことで今秋の臨時国会に法案を提出すると報道されています。
4)こうした非正規労働者の劣悪な状態のなかで見逃されているのが、正規労働者の成績主義賃金のもとでの長時間・過密労働、ただ働きなどの問題です。
非正規労働者の増大は、職場における正規労働者の負担を増加させ、成績主義と年俸制などとあいまって長時間、超過密労働がますます進行しています。
また、トヨタのQCサークル活動に賃金を支払わせた、などは氷山の一角で大企業を中心にただ働きが依然として広範囲に存在しています。
こうした結果、「過労死」する労働者やメンタルヘルス不全で心の病を発症する労働者が激増しています。
厚生労働省が発表した平成19年度の「過労死等事案」「精神障害等の労災補償状況」によれば、「過労死」での労災申請件数は931件に上り、労災支給決定件数は、392件と前年を37件(10,4%)上回っています。また、精神障害等の労災請求件数は952件と前年から133件(16,2%)増加し、支給決定件数も268件と前年比63件(30,7%)増となっています。
支給決定者の1ヶ月あたり平均時間外労働時間は60時間から160時間以上にも上っています。
5)自殺者が10年連続で3万人以上になっています。警察庁生活安全局が公表した「平成19年中における自殺の概要資料」によれば、平成19年の自殺者は33,093人で前年に比べ938人(2,9%)増加しています。年次別自殺者数を見ると、昭和53年(1978年)から平成9年(1997年)の20年間の自殺者数は年間2万人台でした。ところが平成10年(1998年)以降平成19年(2007年)の10年間は3万人以上になっています。これは、10年前を境にして、成果主義賃金の導入による、長時間・過密労働の増大、派遣労働の原則自由化によって格差と貧困が急激に拡大してきたことと無関係とはいえません。
平成19年中の自殺原因を見ると原因が判明している人のうち、うつ病などを含む「健康問題」が14,684人、次いで「経済・生活問題」が7,318人、「家庭問題」が3,751人、「勤務問題」が2,207人となっています。「健康問題」に含まれる心の病いの増加、「経済・生活問題」と「勤務問題」に分類される労働状態の悪化など、貧困と格差の拡大が暗い影を落としています。
世界第2位の経済大国を誇ってきた日本が、このような状況に陥っている原因が現在の大企業中心の政治にあることに疑う余地はありません。
6)こうした状況のなかで、労働者の権利意識の変化と向上がみられます。それは、「すき屋」の青年のたたかい、マクドナルドや洋服店店長など「名ばかり管理職」の残業代支払いなどさまざまな運動に現れています。こうしたたたかいがマスコミなどで大々的に取り上げられ、「ルールある資本主義」をめざす運動が前進しているからです。
2、福祉・医療の危機的状態
1)「医療崩壊」という言葉が使われ始めて2年がたちました。産科の空白地域が地方から都市部に広がり、患者の受け入れができないほど過密・過酷になっている救急医療など、国民がまともな医療を受けることができないような事態が日常的に起こっています。
すでに2006年10月には70歳以上の「現役並み所得者」への本人3割負担、70歳以上に療養病床の食費、居住費、いわゆる「ホテルコスト」の本人負担などが導入されました。そして今年4月から「後期高齢者医療制度」が実施されました。各都道府県には、今回の医療制度改悪に沿って「医療費適正化計画」「医療計画」「特定検診・特定保健指導実施計画」の策定が求められ、いっせいに医療費削減競争が迫られています。
さらに政府は2012年までに介護保険でみている療養病床13万床を全て無くし、医療保険でみている療養病床25万床は10万床削減し、合計23万床ものベッド削減を計画しています。
2)こうしたい「医療崩壊」とも言われる計画の大本にあるのは、日米財界の、医療を儲けの場に開放させようとする圧力です。日本の財界は高齢者が増えれば医療費の総額が増えることを見越して、国民の「自立自助」を強調し、保険料負担などの企業負担を減らすこととあわせて政府に圧力をかけてきたのです。さらにアメリカ資本は「競争原理の導入等を通じて医療コストの抑制を実現する」として日本版マネージドケア(アメリカで医療費削減に使われた手法。民間保険会社が医療内容を制限できるようにするもの。マイケル・ムーア監督が映画「シッコ」で厳しく批判したもの)の導入や、医療に関する規制緩和、企業による病院経営の解禁を執拗に求めています。アメリカンファミリー生命保険などは「100兆円のマーケットができる」と解禁を迫ったと報道されています。
3)医療保険の診療報酬改定が4月1日から実施されました。診療報酬は医療サービスの公定価格であり、国民が受けられる医療内容を規定するものです。
前回、2006年の改定ではリハビリに日数制限が設けられました。脳梗塞のリハビリは180日間、骨折などのリハビリは150日間で、それを超えると診療報酬の支払いが打ち切られました。この結果、全国で20万人がリハビリを受けられなくなり、大きな社会問題になりました。
今回の改訂は「診療報酬本体0,38%増、8年ぶりのプラス」などと報じられていますが実際は、薬価・材料費の引き下げが医療費ベースで1,2%あり、トータルで0,82%の引き下げなのです。
こうした4回連続のマイナス改定は、「小泉骨太方針2006」で2011年度までの5年間で社会保障費を1兆1千億円(毎年2,200億円)削減する方針が作られ、福田内閣もその方針を堅持しているからです。2,200億円削減の中身は、生活保護の母子加算を50億円削減し、それ以外の2,150億円を医療保険への国庫負担削減で達成するというものです。
国民の窓口負担がさらに重くなり、受けられる医療内容も制限される診療報酬の改悪が、私たちに重くのしかかってきています。
4)こうした「医療崩壊」のなかで、患者が病院から出てゆかざるを得なくなり「医療難民」などという悲しい言葉も生まれています。
看護士不足は解消する見通しもありませんが、医師について政府はようやく増員に向けて方針を変更すると6月17日に表明しました。現在の医師不足は、1982年に政府が、「医師の数は過剰だ」として削減する閣議決定を行い、1997年にも「引き続き削減する」として進められてきたものです。しかし救急車が搬送先を見つけられない、医師が過酷な勤務を強いられるといった深刻な現場の状態が、この政府方針を変更せざるを得ないところまで追い込んだものです。
3、踏みにじられる安全と安心
1)昨年は、姉歯建築士の建築設計強度偽装が国民に大きな不安をもたらしましたが、今年度も相次ぐ偽装が明らかになり、国民の安全と安心が踏みにじられています。
中国製餃子による中毒事件が発生しました。しかし、日本と中国の発生原因をめぐる見解は一致せず、中途半端な状態のまま推移しています。科学的に双方のデータをつき合わせて原因を特定し、再発防止を図るという最低限度の措置さえ実施されていません。
食品の賞味期限の偽装もあいつで発生しました。一度回収した食品の賞味期限を書き換えて再度出荷する手口は、国民の批判を浴びました。
高名な料理店で、一度客にだした料理で手が付けられなかったものを、再度別の客に出すという「使いまわし」が発覚しました。私たち労働者には無縁の料理屋ですが、その手口にはあきれました。この料理屋はついに廃業するに至りました。
その後も、中国産うなぎを国内産と偽るなど食品「偽装」の二文字が日本全体を覆っているといっても過言で無い状態になっています。
2)ガソリン、食料品をはじめあらゆる物価が大幅に上昇し家計を直撃しています。
原油価格の高騰は投機マネーによる投機と、産油国の利益優先の生産量削減が原因ですが、その結果は、ガソリン、鉄鋼などの原材料、ハウス栽培を主とする野菜類の値上がりにまで影響しています。また、バイオ燃料の原材料となるとうもろこしの急騰にも拍車がかかっています。世界食糧危機のなかで、穀物価格も上昇し飢餓が世界中に広がっています。
3)こうした中で、わが国では食料自給率が39%にまで落ち込み、自国の国民の食料の大部分を輸入に頼る状態になっています。政府自民党などが進めてきた農業破壊、農政不在がこうした事態の原因です。世界が飢餓に陥っているのにもかかわらず、わが国では極端な米の減反政策が続き、米の減産が国策として行われているのです。しかも生産者米価は2006年度で1俵あたり14,826円にまで落ち込みました。実際の生産価格は農水省試算で1俵あたり16,824円です。1俵作ると2,000円借金ができるのです。農家の1時間あたり労働報酬は256円に過ぎません。これでは米を作る農家は生活が成り立たず、農業離れが進むのは当然です。こうした、誤った農政を正す運動が強められています。
3)国土交通省の高級官僚による談合事件も告発され刑事事件となりました。本来、談合を防止する役目を果たすべき官僚のトップが、自ら談合を指示してきたことは、国民の安全保障を所管とする国土交通省として、絶対にあってはならないことです。冬柴国土交通大臣は自ら報酬の返上を行いましたが、その程度で済むことではありません。
4)6月14日午前8時半過ぎに、岩手県と宮城県の境付近を震源とする大地震が発生しました。7人の死者と11人の行方不明者を出したこの震災は、地震国日本では、どこでも起こることだという思いを国民に与えました。この、栗駒山周辺は地震では全く無警戒に地域だったからです。
国民の命を守る政治の重要性が認識されています。
V、自公政治への怒り
1、国政不信の高まり
1)自民・公明両党による政治に国民の怒りはかつてなく高まっています。福田内閣支持率は発足直後70%近かったものが、現在では政権末期といわれる20%前後に低迷しています。
その原因は、国民生活無視の政治にあります。期限切れを迎えた道路特定財源法案を10年間延長する法案は、衆議院で可決され参議院に送られましたが、参議院では否決されました。すると政府与党は、衆議院で3分の2以上の賛成で再可決してしまいました。しかも、この財源は一般化すると閣議決定しましたが、今後の道路建設59兆円はそのまま行うという、国民を愚弄するものでした。せっかく一度下がったガソリン価格はあっという間にもとに戻り、現在は1リットルあたり180円近くに達しています。
東京湾にもう1本橋をかけるとか、本州と四国を結ぶ橋ももう1本作る、高速道路を日本中に走らせるなど、大手ゼネコンだけが利益を上げる道路計画の根本的見直しと転換が必要です。
2)「後期高齢者医療制度」に対する国民の怒りは大きく燃え上がっています。医療団体や老人会など、従来自民党の支持基盤だった団体からも強い批判の声が上がっています。こうした中で、政府・自公政権もこれでは選挙をたたかえないと、一定の手直しを検討していますが、小手先の手直しで済むことではありまあせん。
野党4党は、「後期高齢者医療制度廃止」の一点で共同し参議院に廃止法案を提案し可決し衆議院に送付しました。ところが、この国民の切実な要求がこもった法案を、参議院での福田内閣問責決議案と衆議院での福田内閣信任案との政争の道具にしてしまったのです。
結果としてこの法案は、この8月にも召集される予定の臨時国会に継続審議となりました。この国会で必ず成立をかちとる決意に満ちて運動が強化されています。
3)国民不在の悪政が続く中で「衆議院を解散して国民に信を問え」との声が次第に高まっています。遠くない時期に行われるであろう衆議院選挙で、私たちの要求を実現する勢力を大幅に国会に送り出す重要性が増しています。
2、都民生活犠牲の石原都政
1)昨年春の都知事選挙で当選した石原都知事は、選挙中の公約を投げ捨て、都民犠牲の都政を続けています。
その第一が1,000億円の損失を抱えて事実上破綻した新銀行東京への新たな400億円の融資問題でした。2月20日の都議会第1回定例会に突如提案されたこの追加出資案には、多くの都民が反対の声を上げました。「朝日」「毎日」の両新聞による都民世論調査では、追加出資に「反対」が73%に上り、「賛成」はわずか17%に過ぎませんでした。そして「朝日」調査では、新銀行の経営悪化に石原知事の責任があると答えた人は実に93%に達しました。都議会では日本共産党都議団が追加出資反対の大論戦を展開し、都議会最終日には43年ぶりとなる異例の都知事不信任案を提出したたかいました。しかし、自民・民主・公明のオール与党は不信任案を否決し、また自民・公明両党は追加出資に賛成し、民主党は追加出資自体には反対の態度を取りつつも、追加出資を含む予算案には賛成し、追加出資成立を容認しました。
こうした都民の声を無視した都政に、マスコミを含めて多くの批判が寄せられました。「読売」の3月25日世論調査ではこの新銀行東京問題での対応を来年の都議選の判断材料にするかとの問いに58%が「する」と回答しています。
2)新銀行東京以上に、都の財政に莫大な負担となるのがオリンピック招致です。石原知事は自ら先頭に立って「2016年のオリンピックを東京で」と大キャンペーンを張り、すでに招致準備のために巨額の税金をつぎ込んでいます。しかし今後、招致経費や招致を理由にした大型開発、プレスセンター予定地の築地市場の豊洲移転費用などの総事業費は9兆円を超え、都財政を圧迫するのは目に見えています。その築地市場の豊洲移転問題は、豊洲地区の土壌の高濃度汚染が発覚し、土壌改良には1,000億円以上の費用がかかることが判明し暗礁に乗り上げています。
3)これまでも石原知事は都政を私物化し、トップダウンで進めてきた豪華海外旅行や、四男重用のワンダーサイト事業、三宅島オートバイレースなど、税金のムダ使いは目を覆うばかりです。その一方で、老人医療費助成の廃止や、全国で唯一30人学級の実現を拒否する都知事の都政に対して、都民の間からは「税金のムダ遣いをやめて、福祉やくらしにまわせ」との声がかつてなく高まっています。
W、基地撤去、平和を求める運動
1、基地強化反対の全国のたたかい
1)2008年2月、岩国米軍基地への空母艦載機移転を最大の争点にして、岩国市長選挙がたたかわれました。移転反対の伊原市長と、移転容認の自民党福田前衆議院議員の争いになりましたが、わずか1,700票差で伊原市長が敗れました。
この結果を受けて、空母艦載機の岩国移転は容認されたとの見方がありますが、そうではありません。市長選の出口調査では、移転反対が41%、移転容認は17%に過ぎませんでした。また、この市長選の3ヵ月後に行われた衆議院山口2区補欠選挙(岩国市など)での世論調査でも移転反対が61%、移転容認は35%と変わっていません。
市長選の勝敗を分けたのは、政府が「市庁舎建設補助金」35億円を一方的にカットしたことで「このままでは岩国は夕張のようになる」といったデマ宣伝に影響されたものでした。福田内閣は、米軍基地の再編強化に賛成するか否かで、自治体に対する交付金を決定する「再編交付金」制度までつくって、自治体と住民に圧力をかけているのです。
2)沖縄の普天間基地代替計画、いわゆる新規地建設計画が住民などの粘り強い運動で進行をストップさせています。
沖縄県知事と名護市長は、新基地建設自体は容認していますが「現計画では認められない。滑走路を沖合の10mずらすべきだ」と主張しています。しかしアメリカ軍は「計画の変更はありえない」と沖合移動を拒否しています。
福田内閣は、こうした対立の中で「環境影響調査(環境アセスメント)」を強行し、工事の早期着工を目指しています。これに対して、大浦湾の埋め立て許認可権を持つ沖縄県知事は「環境アセスメントを行う前に計画を修正すべきだ。その要求が入れられないなら埋め立て許可は出さない」と警告しています。
こうした中で、工事着工が送れた場合、2010年の県知事選挙で新基地建設反対の知事が誕生した場合、計画そのものがつぶれる可能性が語られています。
3)原子力空母配備計画で緊張する横須賀では、市民の「原子力空母配備および安全性を問う」住民投票条例制定運動が盛り上がり、52,438人の署名を集め直接請求が行われました。市議会では自民・公明などの反対で請求は否決されましたが、「署名の重みは市議会として真摯に受け止める」との「意見書」を全会一致で採択せざるを得ませんでした。こうした情勢のなかで「原子力空母配備阻止7・13横須賀大集会」が3万人以上の参加で開催され大成功を収めました。
4)沖縄での少女暴行事件をはじめ、全国の米軍基地周辺で米兵による犯罪が発生しています。横須賀では2006年1月、空母「キティホーク」の乗組員による女性撲殺事件、そして2008年3月には脱走米兵がタクシー運転手を刺殺する事件が起こっています。
このように米兵による凶悪犯罪が急増しています。米軍再編強化によって、米兵による犯罪が全国的に発生することは必至で、こうした点からも基地強化に反対する運動が強められています。
2、横田基地の撤去を求める
1)横田基地は全世界的に展開する米軍航空機動隊の輸送を確保する「ハブ空港」としての機能を果たしてきました。しかし今年6月には、航空機動隊の司令部が配備され、世界的緊急事態に備えたアメリカ軍の中枢基地として強化されています。
さらに日米のミサイル防衛の運用・調整を行う「日米統合運用調整所」が設置され、2010年移転を目標にして、自衛隊航空総隊司令部の基地建設も開始されています。まさにアメリカ軍と一体になってテロ戦争をたたかう基地へと生まれ変わっているのです。
2)横田基地の強化は、米軍の戦力の維持強化を主要な目的とし、あわせて「軍々共用化」の下で自衛隊基地として日米共同軍事利用を促進するためのもので、日本の防衛とはほど遠いものなのです。
3)こうした基地強化は、基地被害を拡大させるだけでなくテロ攻撃の危険性をも高めるもので、首都東京の平和と安全を脅かすものです。都民の平和と安全を守り、憲法で保障された平和的生存権を確保するために、米軍横田基地の速やかな撤去を求め、航空自衛隊横田移転に反対する運動を急速に強めなければなりません。
X、三多摩の状態
1)首都東京の人口の3分の1にあたる400万人が三多摩26市3町1村に暮らしています。首都のベッドタウンとしての役割を果たしています。
三多摩には独自の気風が存在しています。23特別区と対立的なものではありませんが、一時期、三多摩が東京から分離され神奈川県に編入されていたことがあるなど、歴史的背景のせいかも知れません。
労働運動においても、三多摩労連は都内の東西南北中の5ブロックとは異なり、地域センター的な役割を果たし、独自の機関会議、役員体制、予算などを持っています。その結果、三多摩メーデーや教育基本法改悪反対の運動、後期高齢者医療制度廃止の運動など、独自の運動を構築しています。こうした特色を生かして今後も三多摩の労働運動のセンターとしての役割を果たすことが求められています。
2)また、三多摩には多くの大学、高等学校があり多数の学生が通学してきています。さらに、日産村山工場や、富士通南多摩工場とあきる野工場など廃止・移転した工場も一部ありますが、いまだ大企業の工場が数多く稼動しています。それらの関連事業所や、独自の製品を作る中小企業も多数存在しています。
こうした中で、青年のさまざまな要求が渦巻いています。学生たちは、真剣に学ぶ喜びとともに、それを阻害する高い学費や上昇する食費・住居費を何とかして欲しいと願っています。また、卒業して正規社員として採用されるか不安も抱えています。非正規雇用で働く青年たちは、安い時給と厳しい労働強化に苦しみ、改善を求めています。こうした要求をくみ上げ、組織し運動化してゆくことが私たちには求められています。
3)その一方で、高齢化の進んだ奥多摩町などの地域では、後期高齢者医療制度をはじめ、生活保護、年金問題、後継者不足などの問題が山積しています。
4)都内特別区と比較して、三多摩格差は依然として改善されていません。交通アクセスの悪さは、都内に地下鉄が縦横に走っている状況と比較して一目瞭然です。学校施設の面でも、三多摩の市町村の学校の古さや設備の不十分さなどが目立ちます。公立病院の数も少なく、文化施設も十分とはいえません。こうした状態の最大の要因は、自治体財政の規模の違いにあるといえます。都内23特別区の区予算は、いずれも数十億円規模です。三多摩の各自治体とは一桁違うのです。こうした状態をおぎない、23特別区と同等に一定の水準に保つのが、東京都の役割ではないでしょうか。依然解消されない三多摩格差の解消を要求してゆく運動は、三多摩の全ての住民の共感を得る運動です。
2008年度運動方針
T 生活向上めざし、働くルールを確立するとりくみ
1.2009年春闘・賃金闘争を前進させよう
1)賃金の底上げ、生計費を原則とした賃金の確立をめざし、成果主義賃金・賃金格差の拡大に反対して、単産・地域が力を合わせ、大きく共同を広げて2009年春闘をたたかいます。各地域の地域春闘の取り組みを交流し強化します。
2)青年層をはじめとする非正規雇用労働者の賃金・労働条件改善に力を注ぎます。
3)生活を直撃する食料品をはじめとする物価高から生活を守る運動を進めます。国際的な投機資本に対する各国の協調した規制を要求します。
4)2009年三多摩国民春闘共闘会議に結集し、春闘山場には大規模な三多摩の統一行動を実施します。独立行政法人化された職場の労働組合など、さまざまな形態・さまざまな産別に、新たな共同の輪を広げ、たたかう三多摩での春闘をいっそう大きく、豊かな運動に発展させます。
2.人間らしく働ける社会をめざし、新自由主義構造改革・規制緩和路線を打ち破り、働くルールを確立させよう
1)労働者を過労死や精神疾患に追い込む長時間過密労働に反対します。成果主義と目標管理による無定量の仕事押しつけや、無意味な書類づくりなどをなくし、本当に必要な仕事を適切な時間と要員定数でおこない、やりがいをもって、人間らしく働ける職場作りをめざし、議論と運動を起こします。
2)新自由主義構造改革・規制緩和路線に反対する運動の発展への確信を広げ、労働者派遣法の抜本改正を実現し、不安定雇用をなくす運動の大きな前進をめざします。
3)だれでも時給1000円以上の全国一律最低賃金制度の確立を求める運動をすすめます。
4)偽装請負・不払い残業・差別、セクハラ、パワハラなど無法な労働現場の根絶をめざします。
5)女性保護規定の空洞化に反対し、依然として根強く残っている賃金をはじめとする女性差別の撤廃を求める運動を進めます。
6)高齢者雇用安定法の趣旨を生かして、年金が満額支給されるまでの生活の確立のために、定年の延長や定年後の希望者全員の再雇用を要求すると共に、労働組合所属や成績評価などを理由とする再雇用拒否に厳しく対処します。
7)調達に関する基本指針策定に到達した国分寺市の経験を生かし、全地域での公契約条例実現に向けた運動を強化します。
8)社会保障・福祉の仕事にたずさわる労働者の劣悪な労働条件を明らかにし、改善を求める運動を進めます。
9)公的な社会保障の切り捨てと一体のものとして進められている公務労働の解体、公務員への不当な攻撃、人減らし、非正規化に反対します。
10)公務員賃金の引き下げに反対し、公務員の生活と権利を守るたたかいを進めます。公務労働者への労働基本権の保障を要求します。
11)独立行政法人・指定管理者制度・民間委託などを導入された職場で働く労働者の労働条件の問題を全体の問題として取り上げ、不当な労働条件改悪に反対し、改善の運動を進めます。
3.大増税に反対し、社会保障の充実をめざす運動
1)人の命やこどもの発達を市場にゆだねることに断固反対し、福祉の切り捨てと社会保障の市場化に反対する取り組みを進めます。
2)「後期高齢者医療制度」の廃止を実現するまで、運動をいっそう大きく発展させます。
3)生活保護の切り捨てに反対し生存権裁判の勝利をめざして運動を進めます。
4)大企業と大金持ちを不当に優遇する税制に反対し、利益応分の負担を要求します。
5)「社会保障を充実したければ消費税増税はしかたがない」という政府・財界の悪質な世論誘導を、広範な学習運動と宣伝活動で打ち破ります。
6)労働者・高齢者を直撃している増税攻撃に反対し、増税の撤回・減免措置の実現を要求してたたかいます。
7)3・14重税反対統一行動など重税反対の運動を全労働者の課題として推し進めます。
8)公的責任による社会保障制度の確立を要求し、医療制度・介護保険制度の改悪、障害者自立支援法、年金制度の改悪、庶民への大増税などによる命とくらしの破壊の実態を明らかにし、いっそうの制度改悪をゆるさず、改悪の中止を求める運動を広げます。 生活の実態をふまえて自治体に改善を求める運動を進めます。最低保障年金制度確立や、医師・看護師の確保などの運動を進め、社会保障制度の変質・解体とたたかいます。
9)学校用務主事の仕事や公園の清掃など、本来賃労働によって担われるべき公共的労働への行政主導のボランティア導入に反対します。
10)高齢期運動三多摩連絡会と連携し、社会保障を守るたたかいに重要な役割を果たす高齢期運動の前進を図ります。
4.環境を守る運動を進めよう
1)国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告などにもとづく地球環境問題についての学習に取り組み、労働者・市民に広く問題を訴える活動を進めます。@日本政府として、2020年までに温室効果ガスの30%削減を明確にした中期目標を確立すること、A温室効果ガス排出の圧倒的な部分をしめる大企業の責任を明確にし、削減の対策を確立すること、B化石燃料偏重・原発だのみのエネルギー政策を転換することを要求します。