BGM:傷跡 (Kalafina)



−− 舞台裏 −−





・ヴァルプルギスの夜
 劇中は8月後半を想定しています。
 メーデー前後に行われる本来の意味での「ヴァルプルギスの夜」と、行事的な関係はありません。

・ガソリン?電動?
 意外に、N◎VAのヴィークルのシステムは不明な点が多い。
 様々な原理で陸海空を走っているN◎VAのヴィークルだが、完全に電動と言うわけではなく、いまだに化石燃料を使ったディーゼルエンジンやガソリンエンジンが多用されているらしい(バイクや四輪車のイラストにはマフラーが存在している。もしかしたら水素エンジンかもしれないが)。
 “ターボユニット”と言った電動自動車では無意味なオプションもあることからも、カゼにとって燃料エンジンは過去の遺物ではなく、速さを追求する上で欠かすことのできない存在であることが窺える。
 ただし技術的な進歩を考慮するなら、N◎VAの全道路には電動自動車向けの電力供給ラインが敷かれており、非接触式で電力の供給を受けながら走っているヴィークルが多数存在することだろう。道路と一体化することで電動自動車の欠点であるバッテリーと重量の問題を一挙に解決できるわけだ(勿論、航路から外れても数十分ほど走行可能な程度のバッテリーは積んであるだろうが)。
 ロボタクなど一般市民が扱うヴィークルはほぼ電動だと考えた方が無難なはずである。
 ではなぜ燃料エンジンがまだ存在しているかと考えれば、カゼが走り屋であるという点が考えられる。
 元々交通システムなど関係なくスピードを追い求める連中だ。決められた電力供給ライン上を決められたスピードで走るだけの規格・統制された電動ヴィークルでは満足できず、どんなところも走行可能な燃料エンジンの魅力に取り付かれたとしても何の不思議もない。
 電動に比べたら合成燃料は少々高くつくはずだ。しかしそれらの欠点を踏まえた上でも、己の意思でルートを決めて突き進むという燃料エンジンのロマンがカゼの心を揺り動かすのだろう。案外、N◎VAの中で最も電脳規律に抗って生きているサイバーパンクな人間とは、カゼのことなのかもしれない。

※後日追記
 N◎VAに存在する内燃機関のほとんどは水素エンジンのようです。
 そのため、国際空港傍に大型の水素生成プラントが存在します。

・トーキョーN◎VA司政官稲垣光平
 素で「ゲハハ」笑いをすることで有名な悪代官。スタイルは『バサラ クロマク● エグゼク◎』。
 強引な強請りたかりで酒・女・ギャンブルの費用を掻き集めていた“汚職警官”が元々の姿であるため、その三下っぷりには余念がなく、隙があらば小悪党な言動を繰り返してバッドエンドフラグを立て続けている。
 しかし“汚職警官”時代の経験が生きているのか、こと権力争いにおいては無類の強さを誇っており、傀儡としての司政官就任から早7年、変わることなく権力の座を維持し続けている。

・レイと本部の無線を切り離しておいて幸運だった
 レイはウェットなので電脳のIDによる部隊認識がなされていない。そのため無線が切れていても別に不審には思われないのである(その不便さが幸なのか不幸なのかは本人次第だが)。

・“ウッドゥンフェイス(間抜け面)”
 N◎VAの参考文献のひとつである『W-face(著、ひのきいでろう)』より。
 既視感を感じる近未来で企業工作員とグローン少女が奇妙な共同生活を営むという、サイバーパンクよりもっとN◎VA寄りの、萌えパンクな物語である。
 “wooden-face”は直訳するなら“堅い顔”という意味だが、物語の主人公である企業工作員が硬い変装マスクを多用することから、“wooden-head(間抜け野郎)”という熟語との掛け言葉のようだ。

・ジルの不意打ち
 〈交渉〉〈白兵〉〈誘惑〉。さらにロゴス(ダメージが一瞬だけ増加するドラッグ)×9。
 一応[スタン攻撃]を宣言しているので、死にはしない。ジルは制御判定を強制失敗させる〈悪魔のささやき〉を持っているため、ほぼ確実に相手を気絶させることができる。

・ガンズのエアボードアタック
 ヴィークルはそのまま体当たりすることで対象にダメージを与えることもできる。エアボードも一応ヴィークルなので、当然体当たりが可能だ。
 ガンズは〈電脳〉〈操縦〉〈ドミネート〉でエアボードを操って攻撃した。また、このときジルと同様にロゴスを9本使用している。これはガンズの装備ではなくジルの所持品である。
 そもそもガンズはイントロンして登場しているため、現実の所持品は基本的に準備できない状況にある。サイバーウェア等の効果は特例として認められているが、最終的には場の状況を加味してRLが判断することになる。
 ここでは、ガンズとジルが協調行動を取っていること、ガンズの本体がジルの脳であること、使用する装備が薬品であること、などなどの条件を総合的に考えた上で「ジルの薬品をガンズが使用して白兵攻撃のダメージを増加する」という行動が認められた。

・ジルvsリーダー
 現段階ではまだ伏せているが、実は天下◎弐等の鉢巻もキャスト扱いである。そのため、ここでは色々とチート臭い内部処理が行われている。
 このリーダーはチャクラの特技〈呼吸〉で相打ち攻撃をすることを得意とするゲストである(自分が受けたダメージは〈鉄身〉等の特技で軽減している)。
 それに対して、ガンズはとある方法で本来リアクション不可能な〈呼吸〉へ〈ブービートラップ〉でリアクションを行い、結果として「攻撃のカウンターにさらにカウンター攻撃」することで見事リーダーを撃破した。
 現実のN◎VAでやったら確実にひんしゅくを買ってしまうため、原理が分かっても真似しないように。

・《黄泉還り(フェニックス)》
 チャクラの神業《黄泉還り》は、あらゆるダメージを消し去って復活することができる技だ。
 しかし、ここでリーダーはこの神業を使用していない。なぜならジルの強さが圧倒的だったからだ。
 無駄に立ち上がって再び倒されてしまうより、ここは大人しく負けを認めてあとでコソコソと復活した方がマシであると判断したのだろう。
 《黄泉還り》は複数のダメージを全部治療してしまうため、このように「完全に戦闘不能にしたと思った敵ゲストが実はチャクラで後から蘇って来た!」という展開が往々としてN◎VAで起こりうる。

・“ハイウェイスター”
 かつて交通課を泣かせていたニューロキッズが、いま交通課でカゼを取り締まっているわけだ。
 運命とはおかしなものである。

・ワープアウト
 イントロンしたニューロの移動方法は基本的に「座標を指定してのワープ」となる。進入したいトロンのアドレスを取得して、そのトロン内部へ一気にダイブするのだ。
 勿論、全てのトロンはネットワークで繋がっているので、ウェブの海を泳いで地道にその場所を目指すこともできる。ただ、それだと広大な電脳世界の迷子になってしまう可能性もあるため、やはり指定のアドレスへ一気にダイブした方が都合が良いだろう。
 電脳世界と現実世界はまったく異なる構造をしているが、〈フリップ・フロップ〉のような特技があるところを見ると、電脳世界でのアイコン配置と現実のトロン配置にはわりと関連性があるようだ(もしくはそういった両世界間の齟齬を補填する思考能力も含みの特技なのかもしれない)。
 ちなみに、ダイブといっても本当に自分のゴーストがトロンの中へ入り込んでいるわけではない。高性能なタップとほとんどラグのない通信網が、「まるで自分自身が遠く離れたトロンへ進入している」かのような錯覚を引き起こしているだけで、実際はトロンの情報をタップで手繰り寄せているに過ぎない。
 遠くのトロンにアクセスしていても、結線を引っこ抜けば現実に帰ってこれるのはそのためだ(昔の電脳はその部分の感覚処理がうまくなかったため、いきなり結線を抜くと発狂して電脳死する危険性があったわけだ)。

・「くたばれ、イヌ公!」
 銃でフルオート射撃を行うと、攻撃対象を[範囲]に変更することができる。このとき[範囲]内に味方がいると攻撃に巻き込まれてしまうため注意が必要だ。
 カブトワリには[範囲]を[範囲(選択)]に変更することができる特技〈花吹雪〉がある。これさえ組み合わせれば、フルオートに限らず、ショットガンや爆発物による攻撃も味方へ誤射することがなくなる。

・レイのハンドリングテクニック
 カゼの神業《脱出(エクソダス)》は、逃走やダメージ回避以外にも対象へ追いつく効果がある。チェイスなどが行われていた場合は、即座に相手に追いついて逃走不可能な状況に持ち込むことができるわけだ。
 ただし、敵のヴィークルを破壊したり、気絶させることができるわけではない。逃走経路がないと悟った敵が玉砕覚悟で特攻してくる可能性もあるため、最悪の事態を想定して《脱出》前に準備しておいた方がいいだろう。

・医者(タタラ)の真似事
 ガンズが一般技能の〈医療〉を使用して怪我を治療した。
 怪我の治療自体はタタラでなくとも可能だが、重傷患者(難易度が高い治療)や戦闘中の応急処置はタタラでなければ厳しいだろう。
 なお〈医療〉の達成値を上げる「BJキット」は非常に便利なアイテムだが、両手を使わなければ扱えない(護身武器が持てない)装備なのに注意。

・何とかしてやりたいとは思ったが
 残念、達成値が足りない。

・「タダで治してくれるはずだよ」
「まあ、貴女名義でツケてるだけなんだけどね(by 芳)」

・“アイスハウンド”千早冴子
 ブラックハウンド機動捜査課課長。スタイルは『フェイト● エグゼク イヌ◎』。
 大企業の御令嬢で天下り(天昇りと言った方が正しいか?)的にブラックハウンドへやってきた敏腕警部。その強権を振りかざして様々な事件を見事解決に導いている(主に働いているのはイヌのキャストなのだが)。
 経歴だけ見ると「千早の利益になるようにブラックハウンドを操作してる腹黒い女」というイメージが沸いてくるが、実際はかなり部下想いの正義官であり、純粋にN◎VAの治安を維持し人々を守るために権力を使っているという、今時珍しいウェットな考えを持った女性である。
 その点、あくまで自社の利益を優先して行動している他の兄弟たちと比べても異質な存在と言えるだろう。

・U度の熱傷
 俗に言う「酷い火傷」。そこまで焦げてしまうとかなり痛いし、最悪後遺症が残る。

・イワサキグループ
 ヨコハマLU$Tに本拠地を置いている大企業。
 かつては千早とシェアを二分する争いを繰り広げていたが、企業戦争や内部の権力争いで疲弊した結果、今はN◎VAから完全撤退して巻き返しの機会を窺っている。
 現会長が昔はグループ内の一企業工作員であり、やり手のフィクサーだったことは有名。

・契約不履行
 想定外の事態が起こった場合、機密保持の観点からもバグをいったん消去してやり直した方がよい。
 替えがきくならなおさらだ。

・ヴィークル戦
 ヴィークル同士が早さを競う状況をチェイスと呼ぶ。
 この状態だとシーンの背景が高速で動き始める。つまり、ここにヴィークルが移動しながら勝敗を決めるのではなくて、お互いに高速で走っている状態からその相対的な距離だけに注目して勝ち負けを競うのだ。勿論、この状態で人が投げ出されればあっという間に道路を転がってシーンから[退場]することになる。
 チェイス中だと、距離を詰めたり離したりするための判定に[速度]分の修正が入る。早いヴィークルほどチェイスを有利に進められるわけだ。
 また、運転手はヴィークルを相手のヴィークルへ激突させて車両攻撃することができる。ジルのエアボードでも説明したが、チェイス中であればこのダメージにさらに[差分値]を追加することができる。ただし、これは十分に加速した状態かつ大きな車両をターゲットにするからこそ可能な行動であり、チェイス以外の状況や、そもそもチェイスに参加できない生身の人間に対して差分値を追加することはできない。

・「容疑者は射殺――」
 社会戦ダメージ19『暗殺』。即座に肉体戦ダメージを受ける。そのダメージは防具等で軽減できない。
 社会戦ダメージはゲストから攻撃される以外にも、キャストの行動によってRLから付加されることがある(公的施設で理由もなく暴れたら山札1枚の社会戦ダメージ、といった具合だ)。
 基本キャストは犯罪行為だろうと実行可能だが、TPOくらいはわきまえた方がいいだろう。

・ガンズの必殺技
 ようするに《電脳神》で相手の攻撃を回避する際の演出の打ち合わせである。

・無感情な顔の元凶
 ガンズはプログラムであり、感情などといった概念は存在しない。
 感情のようなものがあるように見えても、それは気のせいでしかない。目を逸らしたのは気まずかったからではない。そうするのが合理的だと判断しただけだ(それこそが感情という概念なのかもしれないが)。

・CGキャスター
 定時ニュースを伝えるだけだったら、美女のCGにバディを組み込んで記事を読ませた方が発音やスペルのミスがなくていい。なにより確実に美女だし。
 問題(裏取引)があったときの画像の差し替えも簡単だし。

・悠羽のIANUS
 現在の悠羽がIANUSを入れているかどうか、公式には不明です。
 ただしこの小説内では悠羽がD版になったと同時にIANUSを入れたということで話を進めています。もし今後情報が更新されても、それがよほど重要な伏線でなければこちらの設定を優先することにします。

・IANUSのインターフェイス
 千早製の電脳は機能自体は少ないが、その分ユーザーの好みでカスタマイズが楽しめる。
 昔ながらの人格付きサポートAIを付けてもよし、視界内に各種パラメータを表示してそれを視覚トリガーとしてもよし、余計なアイコンは表示せずに全て思考トリガーで処理してもよし。銃器と結線すれば武器の状況や残弾数が“目に見えて”分かるわけだ(思考トリガーのみにすれば残弾数を“直感”できるようになる)。
 昔からのIANUSユーザーは計器をジャラジャラと表示し、最近のニューロキッズは余計なアイコンを出さずに全て思考トリガーで済ませることが多いらしい。

思考トリガー:
 考えただけで各サイバーウェアを発動することができる機能。応用すればサイバーウェアの情報を“脳で”知ることができるわけだ。
 ただ条件付けに失敗してしまうと、いざというときにサイバーウェアが起動しないこともあるし、逆に無意識にサイバーウェアが起動してしまう危険性もある。
視覚トリガー:
 思考トリガーと対比するための便宜的な呼称。視界内にアイコンを表示して、「それを起動」と念じたり、自分の手でそのアイコンに触れる仕草をすることでサイバーウェアのスイッチを入れる(結果として思考でトリガーを入れていることにはなる)。どちらかというとイントロンしたニューロ向けのシステム。
 この方法だと電脳側が「今の脳波はトリガーか?」を判別しやすいため、誤射が少なくて済む。
物理トリガー:
 要するに「奥歯に加速装置のスイッチ」のように物理的な機構を設けておくということ。
 電脳を解さず関係なくサイバーウェアを制御できる(が、新IANUSとなった現在は全てのサイバーウェアが電脳の制御を必要とするためこの方式のサイバーウェアは限りなく少ない)。

・悠羽とゼロ
 ここも非公式設定です。
 ゼロが死亡することになる公式シナリオ「LAST CHOISE」の冒頭で、N◎VA軍の陰謀に巻き込まれた悠羽が道場で撃たれて重傷を負うことになります。基本的に悠羽はそのままフェードアウトしてエンディングくらいにしか顔を出しません。
 ここでは、重傷を負った悠羽が収容された病院へ、行方を眩ませ逃亡中だったゼロが死地へ赴く直前にこっそり別れの挨拶に行っていたという設定で話しを進めています。
 元がゲーム用のシナリオであるため、劇中のゼロの行動や悠羽の怪我の具合はキャストたちの選択によって千差万別に変化します。上のIANUSの件もあわせて、これはあくまで可能性の一部ということでご理解ください。

・ウェブゴースト
 イントロンしたニューロのこと。
 これ以降の話ではサプリメント『ナイトウォッチ』のルールと世界観が適用されます。そこでイントロンしたニューロのことを“ウェブゴースト”と呼称するようになりました。同じように〈幽体離脱〉したマヤカシのことを“アストラルゴースト”と呼びます。
 その他、追加のシステムは物語に沿って随時解説します。

・“エリート(高ランクID持ち)”
 市民ランクによる俗称。Bランクあればエリート扱いである。
 市民ランクは[X:IDなし][C:外国人・一時滞在][B:N◎VA人][A:特権階級]のように分類されている。またABCの中でも+や−で細かい区別がある。
 キャストを作成した場合、【外界】の数値で市民ランクが決定される。Bランクを得るためには外界がそこそこ高く、またN◎VAの市民権を取得しなければならない。
 A+の市民ランクは日本人用の特別クラスであり、キャストが取得することはできない。日本人以外でこれを所持しているのは大企業の総帥レベルの人間のみである。
 ちなみにレイはB−(一般人)レベルの外界だが、なぜかBランクの市民IDを取得している。

・タクマの情報網
 タクマは〈社会:警察〉でMJの居場所を探り、ジルは〈コネ:レイ〉でMJのことを知った。
 情報収集は自分から探り出すのが基本だが、〈コネ〉の性質上「相手の方から勝手に喋ってきた」と演出することもできる。それだけ相手に信頼されているということだろう。





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