| BGM:DAWN -THE NEXT ENDEAVOUR- (L.E.D. fw堀澤麻衣子) |
・トーキョーN◎VA ファーイースト・アミューズメント・リサーチ社から発売中のテーブルトークRPG(通称TRPG)。 天変地異によって荒廃した近未来の地球で絶対的な権力を手にした日本。そのお膝元として栄華の限りを尽くしている世界最大級のメガコーポ“トーキョーN◎VA”を舞台に、様々な人間の葛藤や活躍を描くゲームである。 現在は第四版の「The Detonation」バージョンとなっている。 詳しくは別途解説ページがあるのでそちらを参照してください。 ・“災厄” トーキョーN◎VAの世界において、数十年前に発生した大災害のこと。 突如何の前触れもなく1週間かけて地軸が90度回転し、地球上の多くの人間が死亡した。後に、これが軌道兵器の暴走による超重力波によって人為的に引き起こされた災害であることが判明する。 ……するのだが、正直に言うとこの“災厄”に関しては、後付された要素が多すぎて矛盾してしまっている事柄が多々ある。その点、「人々は災厄が起きた原因をちゃんと把握していない」とするのが妥当な対処だろう。 ちなみに、ルールブック内に“災厄”時に軌道上のコロニーがどうなったかの明確な記述はない。ただ原因が原因であるため、地球の軌道上に存在する衛星も無事ではすまないと判断し、こう描写した。 ・オープニングフェイズ トーキョーN◎VAはキャラクターの描写に重点を置いた、他とはちょっと毛色の異なるTRPGである。 他のゲームであれば「ダンジョンアタック」や「戦闘シーン」を重視したシステムが組まれているのだが、N◎VAでは戦闘以外の「個々の発言」や「演技・演出」を重視したゲームシステムとなっている。 オープニングフェイズとはキャラクターの顔見せのためのシーンであり、アクト(シナリオ)に参加する全てのキャストに設けられる。ここでキャストは他のメンバーに自己紹介しながら、RLからアクトに参加する切っ掛けを与えられるわけだ。 ・ジル この物語のキャスト(主人公)。スタイルは『マネキン=マネキン◎ カゼ●』。 シナリオ『GUNS OF PARTNER』のゲストであり、そのシナリオを無事生還したケースに基づいてデータや性格が設定されている。本来、肉弾戦を不得意とする『マネキン』が武器を持ったり戦闘向けのサイバーウェアを装備しているのも、その流れによる。 ・トーキョーN◎VAの風景 N◎VAの地名や建物、組織や人間関係については、また登場したときに順を追って説明する。 基本的にN◎VAの中心であるイワヤトビルの傍であるほど整備された道路や巨大な建築物が立ち並び、離れれば離れるほど荒廃して犯罪組織が台頭しているスラム街に近づいていく。 ・(勿論合成品) “災厄”が起こった後、地球全土に氷河期が訪れた。 氷に閉ざされていない土地は日本や旧アメリカ・オーストラリアなどごく限られた国だけである。多くの国は氷河期の影響を受け、食料自給率がほぼ0%に近い状態となってしまっている。 そんな中で、合成食品の生産に成功した日本は日系企業“C.F.C(キャンディ・フーズ・コーポレーション)”を通じてその食料を世界中に売買し始めた。そのことが災厄後の日本が台頭した理由の1つとなっている。 ・チェリーボーイとアンジェ 鳳とアンジェはエキストラと呼ばれる今回のアクトに直接関係しない脇役キャラクターである。 N◎VAでは様々な公式キャラクターが存在し、それぞれの生活を営んでいる。また仲間内で何度もゲームを遊んでいけば、自分たちのキャラクターがN◎VAに根付くことになるだろう。 そんなときに役に立つ概念がエキストラである。 エキストラに区分された人間は判定ができず、直接アクトに参加することはできない。登場して発言することはできても、実際に事件を解決することはできないわけだ。もし有名人を呼び出して「俺の代わりに事件を解決してくれ」とお願いしても、いま忙しいからと断られてしまうことだろう。 アクトはあくまで運命の輪に選ばれたキャストたちの力で解決していかなければならないのだ。 ・サイバーウェア 生身の肉体を補う機械のパーツ全般を指して使う言葉。最近は有機的なサイバーウェアも多い。N◎VAでは脳にトロン(コンピュータ)を埋め込んで電脳化したり、機械を体にインプラントするのが至極自然なことである。 ニューロエイジではみんな服を着替えるようなファッション感覚でサイバーウェアを付けたり外したりする。クローン技術も発達しており無くした体も簡単に再生可能。データ的にも服を着替える感覚でサイバーウェアを付け外しできてしまうのは、ある意味真理なのかもしれない。 ジルはかつて右腕を失っており、現在は機械の義肢に人工皮膚を貼り付けて使用している。 ・何世代も旧式の路上カメラを見上げる N◎VAではあらゆる場所にカメラやセンサが存在している。 家電や乗り物は勿論のこと、電脳化された人間の視覚もときにカメラ代わりになる。ニューロエイジで暮らしている人間に真のプライベートなど存在しないのだ。 ・サタデーナイトスペシャル 非常に安価でチープな“安物拳銃”の俗称。 使い捨て目的で製造されており、金のないスラム街の住民や護身にお金を掛けたくない人間が愛用している。 ・パトロン 愛人・金づるともいう。 ここでは「ジルをよく“買って”くれている常連客」のことを指している。 ・お金の表現 N◎VAでは全ての人間に市民IDが与えられている。買い物をするときは、そのIDに登録された口座からお金が引き落とされる仕組みだ(同時に行政府に税金を持っていかれている)。 しかしIDを持たないスラム街の住民や後ろ暗い取り引きをしたい人間は、その口座を使うことができない。そのため利用されているのが“キャッシュ”と呼ばれるプリペイドカードである。 キャッシュは金額に応じて色が異なり、カッパー・シルバー・ゴールド・プラチナムの順にカードに入金できる金額が増えていく。カッパーは1万円までだが、プラチナムになれば100万円まで入金が可能だ。N◎VAでは限度額一杯まで入金したカードを、現金の代わりとして取り引きするのが通例なのである。 ちなみにN◎VAのお金の単位は「円」。日本が台頭している社会なのだから、あたり前ではある。 ・藤咲竜二 公式ゲスト。ヤクザの親分だが、元警官だったり元探偵だったりする。おまけに義理人情に厚い。 しかし、だからと言ってヤクザらしくないかと言えばそんなことは全くない。むしろ部下のヤクザたちをきっちりまとめあげて、他のヤクザや外国のマフィアから自分たちの縄張りを守り抜いている。 ・トロンとバディ トロンとは今で言うコンピュータの総称。バディとは擬似人格を与えられた制御システムのことで、今で言うOS(オペレーションシステム)である。 ニューロエイジにおいて人が介する道具のほとんどにバディ付きのトロンが内蔵されており、住居などにはほぼ間違いなく“DAK”と呼ばれる総合管理バディが備え付けられている。 手足を使う必要もなく、インターフェイスに話しかけるだけで適切な処理を行なってくれる。電脳化している人間なら喋る必要もなく思考トリガーで操作することが可能だろう。 しかし、あくまで擬似なのでAIのような人間らしい反応を期待してはいけない。融通の利かない部分も多いため、そういった人間をバディと呼んで馬鹿にすることがある。逆に、親友のことを切っても切れないという意味でバディと呼び親愛を表現したりもする。 ・リサーチフェイズ オープニングで自己紹介と自分を取り巻く状況の整理が付いたら、次はリサーチである。 N◎VAでは「オープニングで事件に巻き込まれる」「リサーチで情報収集し事件の黒幕を探り当てる」「クライマックスで黒幕を叩きのめす」「エンディングでめでたしめでたし」という流れでゲームが進んでいく。 勿論これは一例であり、今回のジルのように「オープニングで事件らしい事件が起こらなかったけど、実は自分が気づいていないだけで裏でトンでもないことに足を突っ込んでしまっていた」ということも起こりうる。 ・マネキンのジル 前述の通り、ジルのスタイルはマネキンとカゼである。 マネキンとは他者に依存しなければ生きていけない存在、つまり子供や娼婦のような人間を表わすスタイルであり、カゼは乗り物を操り速さを追求する暴走族のような人間を示している。 ジルは子供であると同時に、変態的嗜好を持つ男に体を売って生計を立てているマネキンである。そのためマネキンを2つ重ねて所持しており、ペルソナに指定している。その一方でエアボードを操りスピードを追求するカゼでもあり、それをキーとして指定している。 カゼのスタイルに与えられる暗示は【勝利、自立、試練や困難に打ち勝つ、etc】。 ジルが様々な人間に依存しながら芯に強い心を残しているのは、このカゼの魂のおかげなのかもしれない。 ・XYZ(エックスワイズィー) ニューロタングと呼ばれるスラングのようなもの。 「さよなら」「バイバイ」を示す。またカクテルのXYZもちゃんとN◎VAに存在している。 サイズと発音されることもあるらしいが、ほとんどの人間が電脳化しているN◎VAでは、口に出さずに電脳通信でこの単語を相手の電脳へ直接叩きつけるのが通例だろう。 ・芳華玲 スラム街でただ同然で医療行為を行っている偏屈な医者。 所謂闇医者の類なのだが、前述の理由でスラムの乞食なども大勢やってくる。 実は大企業からスカウトがやって来るほど凄腕のサイバネ・ドクター(サイバーウェアの移植や整備に長けた医者)だったりするのだが、そんな彼女がどうしてこんな廃れた診療所で身をやつしているのかは不明。 ・「あれ、移植手術ってもう終わってるの?」 N◎VAのインプラント手術は非常に早くて後遺症もほとんど残らない。 人々はエステやプチ整形感覚で手足を機械化し、皮膚をメタル装甲と交換することができるのだ。 ジルが移植したサイバーアイは人間の目を遜色ない代物だが、メカメカしいカメラを取り付けることも出来る。その辺りは個人の自由だ(勿論メカメカしい方は一目でサイバーアイだとバレてしまうが)。 ・結線 電脳と道具のトロンを直接接続してより直感的な操作を可能とする。 と、言った感じの設定だが、有線でも無線でもデータ的な違いはない。むしろ、今のニューロエイジでは無線接続のが多いのかもしれない。ジルは性格的に直接結線することを好んでいるということで。 同様にサイバーアイにジャックをつけるデータ的必然性もないが、その辺もジルの趣味。 ・「……ところで本当に大丈夫なの?」 芳はサイバネ・ドクターであると同時に心療医師でもある。 心療医師とは、日本と外国で捉え方に差異が見られるが、病を心と体の両面から治療していこうという分野である。ようするに「胃潰瘍の患者に胃薬を出しながらストレスの解消にも協力する医者」のことだ。 芳は肉体的な傷を癒す技能と同時に、精神的な傷を癒すためのスキルにも長けている。 ・2秒 早いことを表わすニューロタング。実際は2秒より短く済んでいることも多い。 対義語として「10分」という言葉も存在する。 そのため、N◎VAでは何かというと2秒区切りで表現されることが多い。 使用例:「遅すぎる、2秒で〜しろ」「そんなの2秒もかからないさ」「――その間、僅か2秒」 ・芳とジル 芳とジルはもう五年近い付き合いがある、という設定である。 ・IANUS(ヤヌス) ニューロエイジにおける電脳の現行規格。 世界のほぼ100%が移植しており、キャストも作成時に自動的に電脳を移植したことになる。体に機械を入れたくない人間は、作成時に『ライフパス:ウェット』を取得しなければならない。 以前は小脳から脊髄まで全て交換していたが、現在は小脳に微小なトロンを埋め込むだけであとはナノマシンが脳脊髄へ化学的に配線を生み出してくれる。 名前は同じでも、時代に応じて製作会社や規格の内容が全く異なっている。今のIANUSは以前のような多機能性を失った代わりに、よりシンプルで適応性の高い万人に好まれる仕様である。 ・ジルのIANUS 諸事情により、ジルのIANUSは小脳から脊髄まで交換する“昔ながらの”電脳である。 ただ、現行IANUSと外見的な違いはない。ジャックやカードスロットの有無はユーザーの趣味の問題だ。 ・ジャックにコードを突き刺した 電脳とエアボードのトロンを直結し、思考トリガーで制御を行っている。 ・いちいち検問を通らなければならないのは面倒だが 10年ほど前。 テロで混乱していたN◎VAの治安を守るため(という名目で)、日本から治安維持部隊が派遣されてきた。市民IDの配布やセキュリティエリア制、行政府の設立などはそのときにまとめて行われている。 この日本軍(改めN◎VA軍)の介入によりN◎VAの治安は高まったが、貧困層と富裕層の格差は決定的になったと言えるだろう。また富裕層である大企業や犯罪組織の上層部も、軍に頭を抑えられて以前のように思い切った活動が出来なくなってしまった。 邪魔なのに下手に手出しできない、まさに目の上のタンコブ。というのがN◎VA市民の正直な感想だろう。 ・『日本軍には手を出すな』 日本が保有している軍隊は、他とは一線を画したオーバーテクノロジーで武装している。 鎖国している日本の内情が謎に包まれているということもあり、日本軍は畏怖の対象なのだ。 ・Xランク 市民IDを得られなかったスラム街の人間のこと。ゲーム的にも不遇な扱いを受けることになる。 具体的には公的私的問わずほぼ全ての施設や設備が使用できなくなる上に、一部バディも反応してくれなくなる。時にはシーンに登場することすら許可されなかったりしてしまう。 ・偽造ID 本当に自販機で売っているわけではないが、現実のイメージと裏腹に非常に安く入手できる。 つまりゲーム的にはXランクのキャストが実害を被ることなどほとんどないのだ(ただし調べられればあっさりばれるが)。キャラクターの性格付けのためのデータと言っても間違いではない。 ・「そういえばおまえ、最近なんか妙なことしなかったか?」 リサーチフェイズで好き勝手に遊んでいたジルは、RLから〈社会:ストリート〉での判定を要求された。 手札にちょうどいいカードがなかったジルは〈社会:N◎VA〉で代用判定を行ったが、その代償として達成値がかなり小さかった。そのため自分の周りの不穏な空気を感じただけで、それ以上の具体的な情報は得ることができなかった。 通常であれば、情報収集はキャストが積極的に提案して能動的に行う必要がある。ただし今回は「気が付いたときには大惨事」というストーリーの特性上、ジルに情報収集をするためのキーワードがほとんど与えられておらず、このような方式が採用されている。 ・ニューロキッズ “今時の生意気な子供”を示すニューロタング。 いつも時代も、大人が言うことなんて変わらないものなのだ。 ・N◎VAの犯罪組織 中華街を仕切る香港マフィア“三合会”、アサクサを仕切る日系ヤクザ“河渡連合”、タタラ街を仕切る北米マフィア“カーライル・シンジケート”の3つが、N◎VAの三大犯罪組織として有名である。 勿論、これ以外にも大小様々な犯罪組織がN◎VAの路地裏で軒を連ねている。 ・「夢島のストリートキッズか?」 夢島とはタタラ街の傍にある不法入国者の溜まり場で、スラムとは違う意味で荒れ果てた土地となっている。 朽ちたショッピングモールを占拠して篭城しているストリートキッズの集団“ネバーランド”が有名。 ・「――おいおまえ、ちょっと待て」 このシーンはジルが要求したわけではなく、RLが設定したイベントシーンである。 前のシーンでちゃんとした情報を入手することができなかったジルは、RLが予定していたよりもより酷い状況(敵の目の前)で自分が関わっている事件について知ることとなってしまった。 ・「――っ!」 ジルはカゼの神業《脱出(エクソダス)》を使用してシーンから退場した。 神業とはキャストが使用できる必殺技のようなもので、スタイルごとに設定されている。非常に強力な効果を持つが、各1回ずつしか使用できないためタイミングには細心の注意が必要だ。ジルの残りのスタイルは2つともマネキンのため、ジルはアクト中にあと2回マネキンの神業を使うことができる。 《脱出》の効果は、敵を振り切ってその場から脱出すること。 乗り物に乗っている場合は乗っている全員が脱出することができる。また、逆に敵に追いついたりダメージを回避することも可能。今回のように無防備な状態で敵に捕捉されてしまった時に非常に効果的な神業である。 ・回想シーン N◎VAでは時間軸が前後しても問題のないシステムを採用している。「今のシーンの○時間前」「今から○年前の話だけど」という映画的展開を再現することが出来るのだ。 回想シーンで判定を行ったり神業を使用することもできるため、場合によっては未来が変わってしまうこともあるだろう。そうなってしまったときはどう演出すべきか、それは皆で考えよう。 今回は情報収集で得られなかった情報(ジルが数日前に“しでかした”記憶)を得るためのシーンとして、このような回想シーンが設けられた。プレイヤーは勿論知らないことだが、キャストにとっては「そういえばこんなことがあったっけ」と手を叩く場面というわけだ。 ・「頼む、何でもいいから調べてくれ!」 回想シーンが終わった次のシーン。 自分が関わっている事件の情報を得たジルは、〈コネ:カーロス〉を使用して更なる情報収集を行った。 これによりジルは事件の全貌と(不完全ながら)その解決策を知ることができた。これ以降は、その得た情報を元に「とにかく急いでアサクサへ逃げ込むシーン」へと流れていくことになる。 ・ポケットロン 文字通りポケットに入るサイズのトロン。人々はみな携帯電話の感覚で所持している。 通話から録音録画、データ処理からイントロン(脳と直結して電脳世界へダイブすること)まで一通りのパソコン作業が可能だが、違法行為には利用できないようバディにリミッターが設けられている。 ・とにかく急いでアサクサへ逃げ込むシーン ジルはアサクサへ逃げる条件として、RLにトループとの戦闘を強要された。 トループとはN◎VAにおける雑魚敵のことで、人数がそのままHPとして表現されている。ここでは後ろから20人と前から10人のトループがいることになる。 戦闘ではキャストが敵を無視して直進することはできない。敵にぶつかると移動がそこで終了してしまうし、離脱しようとすると敵がその移動を妨害してくる。 ジルはここで前の10人へ突撃して強引にこの場を突破するという戦略を立てた。スラッシャーを持ってはいるものの、基本的に非力なマネキンなのだから仕方がないだろう。 ・ウェブ 現代社会と同じく情報ネットワークのこと。 あらゆるものにトロンが内蔵されたニューロエイジでは、常にトロン(電脳含む)とウェブは繋がっており、修正プログラムなどを自動的にダウンロードしてソフト的な自己進化を繰り返している。 逆にそのことが、ニューロ(ハッカー)による盗聴や破壊工作を促進することになっているのだが、そのリスクを負ってでもウェブに常時接続していなければ、流れの激しいこの時代に対応しきれないのだ。 ・『こんなこともあろうか』と N◎VAではよくあることである。 ・対トループ戦 具体的な処理は割愛。 まず、ジルは『ドラッグホルダ』で戦闘力を強化するドラッグを複数使用した。また同様に戦闘を有利に進めるサイバーウェアを起動した上で、前方のトループへ移動しながら白兵攻撃を行った。 そして前方のトループを撃破後、後ろにいる20人のトループを無視してとにかく前へ移動を繰り返した。 ジルは一回の移動距離を伸ばすカゼの特技〈スーパーチャージャー〉を使用していたため、RLはこの時点で勝負ありとしてジルがシーンから逃亡することを認めた。 ・ジルは勝利宣言のように両腕を大きく伸ばし アサクサに到着したことで、トループはジルを直接攻撃できなくなった。 そこでジルは〈交渉〉で精神戦を行い、生き残ったトループを説得して事件を終わらせようとした。これを防御し切れなかったトループはあっさり壊落し、ジルの提案に乗ることになった。 これ以外にも〈コネ:藤咲竜二〉で藤咲組の応援をもっと早く呼び寄せる、〈売買〉でトループを買収するなどの解決法もあったことだろう。 トループが全員戦意を喪失したため、RLはリサーチを終了しクライマックスフェイズへの移行を宣言した。 ・ミラーシェイド 顔に固定するサングラスのようなもの。センサが内蔵されており、モニタとして利用することも可能。 こめかみの辺りに固定用のビスを打っておき、そこに押し付けてネジを締める方法が主流。 表情を隠すためだったり、きつい紫外線を防ぐためだったり、ただのファッションだったりと、ミラーシェイドをつける理由は人それぞれ。サイバーアイを誤魔化すために付けたりもする。 ・「ダメだぜ兄貴、そんなんじゃあ全然ダメだ」 クライマックスフェイズ、今回の黒幕である狐塚がシーンに登場した。 もっと上手く情報収集を進めていけばその存在や目的を知ることもできたはずなのだが、ジルはアサクサへの到達を第一に行動していたため、ここで初めてその名前を耳にしたことになる。 またその選択が、エンディングの状況を生み出す一端になったと言えるだろう。 ・狐塚誠司 今回の黒幕。スタイルは『カブキ● レッガー◎ カブトワリ』。 N◎VAではこのようなキャラクターをゲストと呼ぶ。大体のゲストはキャストと敵対し、最後に戦闘を行うことになるが、中立だったりキャストの味方をしてくれるゲストも中にはいる。 ゲストはキャストと同様に神業を使用することができるため、敵か味方か判明するまで注意が必要だ。 ・666マグナム 狐塚は登場した直後、射撃攻撃でジルへ肉体ダメージ17番『腰部損傷』を与えた。 666マグナムが自動拳銃かリボルバーか実際のところは不明。恐らく“S&W500”がモデルになっていると思われるため、ここではリボルバーとして描写した。 ・「Let's party!」 狐塚は〈BGMチェンジ〉を使用した。 特にデータ的意味があるわけではなく、ただの演出(と手札の交換)である。 ・“スラッシャー”が完全に機能を停止したことを伝えた 今度は肉体ダメージ7番『腕部損傷』を受けた。 データ的にスラッシャーが[破壊]されたわけではない(装備を破壊するためには特技などを使用する必要がある)が、装備している右腕が使用不可能となったため、どの道死に体である。 ・喋りすぎな狐塚 本来はキャストが情報収集して得るべきだった情報を、RLは狐塚らの口から簡単に説明させている。 ・「貴様ああぁぁぁーっ!」 神業《とどめの一撃》を使用して全滅させた。ミラーシェイドの男もトループなので一緒に死亡する。 《とどめの一撃(クーデグラ)》はカブトワリの神業で、銃を持ってさえいれば射程や遮蔽物に関係なく対象を撃ち抜くことができる。どんなダメージを与えるかも自由自在となっていて、即死させても気絶させてもかまわないという鬼のような神業である。 本来なら銃器は格闘距離で使用できないが、この神業に距離の概念は関係ない(近くとも遠くとも)。戦闘時の格闘動作も演出の一環として描写しているだけで〈白兵〉を持っている必要などない。 ・情報屋から情報を買っただけだけどな 〈社会:ストリート〉や〈売買〉でジルの[制御値]を超えれば普通に情報収集が可能である。 ここでは〈芸術:ガンアクション〉〈マエストロ〉〈任侠道〉も組み合わせたと描写。ルール的には問題ないのだが、達成値を上げようとして何にでも特技を組み合わせる始めると、色々な意味で嫌われるため注意。 ・「いまだ、アンジェ! 撃てーっ!」 ジルは《プリーズ!》を使用して狐塚に《とどめの一撃》を使用させた。 《プリーズ!》は己の魅力などを利用して、1つだけどんなことでもお願いを聞いてもらったり、相手が持っている神業を自分のために使用させるという効果を持つ。相手の神業使用回数は減らないが、敵味方に関係なく効果を発揮する。 結果として狐塚は自分の銃で命を落した。 ・「それを知っても、あんたの運命は変わらないわよ」 続けてもう一度、最後の《プリーズ!》を使用して狐塚に《不可触》を使用させた。 《不可触》とは汚い裏工作によって問題や責任を他人に擦り付けたり隠蔽したりするレッガーの神業。この効果によって、ジルは自分が今後カーライルに狙われることがないように工作した。 ゲーム的にはどのタイミングで宣言しても問題ない(実は録音などをしておいたことにできてしまう)。結果として狐塚は我知らずジルの保身に加担してしまった。藤咲竜二に対して使ったわけではない。 ・レイ 公式NPC。“暴走警官”の異名で呼ばれるほどすぐ暴走する警官。剣の達人でもある。 ニューロジェネレーションなのに完全に生身という公式の中でも非常に珍しいキャラ。おまけにキレっぽいが根は優しく、酒と甘い物が大好きという、NPCとして扱いやすいキャラクター。父親も似たような性格だったこともあり、その名を受け継いでメモリと2人で“最凶コンビ”と呼ばれる。 ・メモリ 公式NPC。レイとは真逆でサイバー化に順応している電脳警官。真教徒でありよく聖書の言葉を口にする。 本来はウェブ犯罪を取り締まる部署だったが、諸般の事情で肉体労働がメインの機動捜査課に左遷されてしまっている。その上、上司の命令で無理矢理レイとコンビを組まされる。生身のレイとはそりが合わず喧嘩ばかりしているが、逆にそれがお互いの欠点を補う結果となっている(データ的にも)。 ・このニューロエイジでなぜにメガネ? それは誰にも分からないが、ただひとつだけ言える事がある。 眼鏡っ娘最高。 ・「なにノックもせずに開けてるんですか!」 通常は電脳から指示を出すだけで部屋のDAKがノックの代わりに呼び出してくれる。が、レイは電脳化していないのでDAKが反応してくれない。本来ならそれでもパネルを操作してインターホンを鳴らすのが礼儀だろうが、そもそも大雑把な性格のレイがノックをするかどうかは疑問である。 ・機動捜査課 “機動警察パトレイバー”における特車二課のような部署。独立愚連隊と揶揄されたりする。 しばしば行政府や日本軍の都合で行動が制限されてしまうブラックハウンドの中で、それでも独自の権限で捜査を続行してしまう。またレイのような規則より人情で行動してしまう人物が多く、それらの人間が命令違反承知で暴走してしまう展開もよく見られる。 N◎VAにおいてイヌらしくない、しかしある意味イヌっぽい人間がいる場所。それが機動捜査課である。 ・ジョン・ドゥ 日本語で言う“名無しの権兵衛”と同じ意味合いで使う名前。 ジルの偽造IDを見ないことにしたのは感情的な理由もあるが、IDを認めてグリーンエリアに置いておかないと満足に警護できないという実際の問題も兼ねている。 ただ、本来なら規律にうるさいはずのメモリが、なぜこんな違法行為に加担しているのは謎。舞台裏でレイとひと悶着あったか、ジルの境遇に何か同情するところがあったのかもしれない。 ・種明かし そして、結局調べられることのなかった最後の情報がRLの口から開示された。 この情報を得た上でカーライルや藤咲組と交渉して逆に狐塚をハメることができたなら、ジルはプラチナム以上の成果をあげることができたはずである。 決してジルの行動が間違いだったわけではないが、それでも十全手ではなかったわけだ。 ・“MiseryLovesCompany” “不幸は道連れを欲しがる”。やや意訳だが“同病相哀れむ”のような意味も持つ。 実は狐塚はジルに殺されかけた際、カブキの神業《チャイ》でダメージを無効化している。その後、〈隠密〉で自身を死体に見せかけながら《不可触》を使用して自分の存在を抹消した。 もっと壮大な言い方をすると、この物語そのものが狐塚の《不可触》の演出だったわけだ。 以降、狐塚は顔と名前を変え、全くの別人としてN◎VAを生き抜いていくことになる。 ・エンディングフェイズ 本来であれば狐塚の真意を調べた上で望むべきだったクライマックス。 ジルが保身に走ってその過程をすっ飛ばしてしまった所為で、狐塚は目的通りに悠々逃亡して行方不明となり、持っていたプラチナムも没収されてしまった。そんな結果を踏まえた上でのエンディングになる。 ジルはレイや桜華道場という新しいコネクションを得ることができたが、プラチナムを取り逃してしまったことを後悔しているだろう。黒幕の狐塚は無事に顔を変え、別人としてジルの前でせせら笑っている。 再び出会った2人がこれからどんな関係を築いていくかは、また別なアクトの話である。 / 舞台裏 |