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柄澤齊展DM
夏の鏡-鏡の旅 90x118mm ドライポイント

柄澤齊展

第2回 ー銅版画連作『夏の鏡』を中心にー

2012年6月3日(月)ー6月15日(土)
開廊時間/11:00〜18:30
3日、4日作家在廊
日曜・祝日休廊


夏の鏡-鏡の旅
生マレテコノカタ幾度鏡二絵ヲ描キタルカ知ラズ。
鏡面ヲナゾリシ指先ト反転セシ指先ニハ常二空隙ア
リシ。完全ナル接触ヲ阻マレテ苛立ツハ幼少期ノ憶
エナラム。 長ジテ版画ヲ生業トナスハ指先二生ズル
空隙ヘノ旅ナラムカ。空隙、死シテナヲ埋メルコト
アタハザルヲ悲シム。
















夏の鏡-夢越し川 48x90mm ドライポイント

夢越し川
幾タビ夢二視シ川ハ濁流ニテ渉ルコト叶ハズ。此岸ハ広葉、彼岸ハ針葉ノ森二シテ陰影濃ク、人跡無ケレドモ岸二立タバ心二来歴ノ彷彿スルヲ訝シム。悲恋ニテ類型的ナル物語ナリシガ、来歴ノ男女川ヲ隔テシママ婚姻ヲ成シ、両岸ヨリ入水シテ黄泉二流レ着クト伝フ。














夏の鏡-白布 89x89mm ドライポイント


白布
風景二白布ノ翻ルヲ見ズナリテ久シ。病院ノ屋上二、旅館ノ後庭二、陽ヲ浴ビテ翻リシ白布ノ輝キニ郷愁ヲソソラルルハ吾バカリ二アラザルベシト。白布ヲ覆面、頭巾二見立テテ顔ヲ覆ヒ、太陽ノ匂ヒ二包マレシ記憶ノウチニ幼年期ノアルハ、若キ母ノ記憶二重ナルト云フ人アリ。幸ナルベシ。








夏の鏡-ぬばたま 48x90mm ドライポイント

ぬばたま
ヌバタマハ枕詞ニテ実体アラザリシモノト覚エシガ、トアル暮刻、机上ノ窓外二浮遊セシモノアリ。アルイハ梢ヲ縫ヒ、アルイハ葉上二留マリ、幾百ヲ数フ。窓外ノ梢ハ丈高キ胡桃ナレド其ノ実二ハアラズ。名ヲ知ラザレバ、ヌバタマト呼ビテ版二刻ミオク。








夏の鏡-祝祭 48x90mm ドライポイント

祝祭
深夜南西ノ空明ルキ二眠リカラ醒メテ望遠ス。星々峰ヲ掠メ尾根ヲ照ラシテ騒ギ止マズ。近寄リ、遠ザカリ、明滅スルサマアタカモ祝祭ノゴトシ。心騒立ツモ窓辺二立チ竦ムホカ術ナシ。騒擾、眛爽二及ビテ止ム。峰二陽ノ当タルヲ待チ下絵ヲ執ル。故二画中ノ峰は朝ノ影ヲ宿ス。








夏の鏡-夢越し川 48x90mm ドライポイント

夢越し川
幾タビ夢二視シ川ハ濁流ニテ渉ルコト叶ハズ。此岸ハ広葉、彼岸ハ針葉ノ森二シテ陰影濃ク、人跡無ケレドモ岸二立タバ心二来歴ノ彷彿スルヲ訝シム。悲恋ニテ類型的ナル物語ナリシガ、来歴ノ男女川ヲ隔テシママ婚姻ヲ成シ、両岸ヨリ入水シテ黄泉二流レ着クト伝フ。







                    
                    
                    
柄澤齊KARASAWA Hitoshi

1950 栃木県日に生まれる
1971 日和崎尊夫に木口木版を学ぶ
1974 創形美術学校研究科版画課程修了
1992 書物や標本を用いたボックス・オブジェの制作を始める。
1993 印刷と出版の工房「梓丁室」を開設、オリジナル版画集、詩画集など自主刊行を始める。
1994 エッセイ集『銀河の棺』(小沢書店)刊行
1996 全版画作品を収めたカタログ・レゾネ『柄澤齊木口木版画集1971-1996』(阿部出版)刊行。
1997 墨と和紙とパネルによる作品を作り始める。
2002 長編小説『ロンド』(東京創元社)刊行。
新聞小説『鉄塔家族』(佐伯一麦小説、日本経済新聞夕刊)の挿絵を担当。
2003 『ロンド』で第17回下野文学大賞受賞。
2004 「梓丁室」から版画入り冊子『SHIP』の隔月発行を始める
11月から新聞s小説『虹の彼方』(小池真理子小説、毎日新聞朝刊)の挿絵を担当
2006 栃木県立美術館、神奈川県立近代美術館(鎌倉館)で回顧展が開催される
2007 11月から新聞小説『Strawberry Fields』(小池真理子小説、読売新聞朝刊)の挿絵を担当

                                                                 
主な展覧会
1973 1972-86年 版画協会展新人賞
1987 「現代の版画1987」渋谷区立松濤美術館
1987 かねこ・あーとギャラリー(東京)以降’91
1990 「版画の表現500年展」町田市立国際版画美術館
1991 「箱の世界THE WORLD OF BOX」水戸芸術館
1992 「本の宇宙ー詩想をはこぶ容器」栃木県立美術館
1993 「日本の木口木版ー明治から今日まで」板橋区立美術館
1994 「死にいたる美術ーメメント・モリ」町田市立国際版画美術館、栃木県立美術館
1998 「『日本画』純枠と越境ー90年代の日本の美術」栃木県立美術館
1999 「日本の版画1945ー1999」町田市立国際版画美術館
「メディテーションー真昼の瞑想90年代の日本美術」栃木県立美術館
2000 「顔ー絵画を突き動かすもの」国立西洋美術館、京都国立近代美術館
2001 「本という美術ー大正期の装幀から現代のオブジェまで」うらわ美術館
「詩画集に見る版画の表現」黒部市美術館
2002 「線の迷宮ー細密版画の魅力」目黒区美術館
2004 「木でつくる美術」群馬県立館林美術館
2005 「肖像ー柄澤齊展」小杉放菴記念日光美術館
2006 「柄澤齊展」栃木県立美術館、神奈川県立近代美術館(鎌倉館)
2007 「天体と宇宙の美学」滋賀県立近代美術館
2008 「小宇宙への情熱 美浦康重版画コレクション展」神奈川県立近代美術館(鎌倉館)



【パブリック・コレクション】
東京国立近代美術館、国立国際美術館、神奈川県立近代美術館、栃木県立美術館、埼玉県立近代美術館、
群馬県立館林美術館、高知県立美術館、福島県立美術館、目黒区美術館、練馬区立美術館、町田市立国際版画美術館、
新潟市美術館、いわき市立美術館、郡山市立美術館、うらわ美術館、横浜美術館、茅ヶ崎市美術館、
小杉放菴記念日光美術館、印刷博物館、宮崎県総合博物館、西宮市大谷記念美術館、東京オペラシティアートギャラリー