<< HOME展覧会一覧 >>
アレッサンドロ・ヌティー二展DM

アレッサンドロ・ヌティー二展

第1回 「心象風景―万物流転」
‘Paesaggi Immaginari ―Tutto scorre, nulla e’

2011年8月29日(月)ー9月10日(土)
開廊時間/11:00〜18:30
会期中無休 会期中作家在廊







アレッサンドロ・ヌティーニ Alessandro Nutini
1958年7月29日、イタリア、フィレンツェ生まれ。
1975年から数年フィレンツェの画家工房に弟子入りしフィレンツェ15世紀絵画の伝統技術を学ぶ。1985年以降、画家として独立。トスカ−ナ地方に根ざすエトルリア文化に深く傾倒し、表現の源となる。ニューヨークに短期間滞在。その後カリブ諸国を旅し、土着の色彩豊かな絵画に魅了され技術を学ぶ。1992年、フィレンツェ、アカデミア美術学院にて裸体デッサンクラスを取得。1995年以来、毎年日本を訪れる機会を得る。その文化、芸術に深く衝撃を受け、自身の創作言語にも強い変化が現れる。

【個展】
1988 Dolce Vita (フィレンツェ)
1992 Caffe Voltaire (フィレンツェ)
1994 Pegaso Club (フィレンツェ)
1995 市庁舎展覧会会場 (グレーベ・イン・キャンティ)
1996

スペース・イノカシラ (東京)

2001

"Frammenti D’Infinito"「無限からの断章」法然院 (京都)

2002 "Tazze?"「茶碗?」 FYR Arte Contemporanea(フィレンツェ)
2003

"In Corso D’Opera"「進行中」サン・ステファノ教会(グレーベ市モンテフィオラーレ)

2005

"Terre Toscane"「トスカーナの大地」
ホテルニューオータニ内水戸忠交易 小さな美術館(東京)
"Terre Toscane"「トスカーナの大地」、House of Art(京都)

2006 在イタリア日本領事館(ミラノ)
2007 "Terra Mater"「テッラ・マーテル」House of Art (京都)
"Metamorfosi del VAS"「器の変容」、Arton Art Gallery
京都府文化博物館別館内(京都)
BCC 銀行グレーベ・イン・キャンティ支店内(トスカーナ)
2009 "Papiers Paille 1998-2008"Espace Culturel Bertin Poiree(パリ)
2010 Salumi Sospesi「浮遊するサラミ」mihoproject studio yu-an (京都)

その他 多数。

【グループ展他】




彼はひたすら描き続ける。ひたすら持続しながら同じところに決してとどまらない。そしてミステリーオーゾ、つまり神秘性というか不思議さを抱えた作家である。
彼とはもう15年来の友人で、僕はその間彼の絵をずっと見てきた。出会ったころ、僕の茶碗をモチーフにしたこともあった。石ころをひたすら描いていた時期もあった。紐のかかった箱にも熱中した。イタリア食文化のシンボルでもあるサラミソーセージ、プロシュットの大腿骨の固まりに執着していたこともあった。それらは情緒性を排除した<物>であって、それ以上でも以下でもない。ようするに理解不可能、不可解な、ある不思議さを伴う<物>であった。

今回初めて彼は風景を描いた。やはり不思議な風景である。モチーフは彼の住むトスカーナの牧歌的な田園風景であるが、それは目の前に広がる美しさではなく、意識化された風景という<物>。つまり風景という歴史を遡ってゆくような不思議さがそこにある。そこにはモナリザの後ろに広がる風景であるような、ピエロデフランチェスカ、あるいはシエナ派の画家達の描いた風景とも結びつき、あるいは寓意性を暗示させ、神秘性を湛えるダンテの神曲、ボッカチオの世界。なるほどと僕は思った。僕は彼の風景画を通じてこれまで描いてきた不可解な石ころや紐の掛かった箱やプロシュット豚が少し理解できるような気がしてきた。
彫りの深い静閑な顔つきに白銀髪、イタリア人らしからぬブルーの目。作品も神秘性を湛えているが、かれ自身も神秘である。彼は心優しい人だから、作品をご覧いただき、ぜひ言葉を交わされては如何だろうか。きっと僕と同じ思いをもたれるだろう。           
                                                             

1991 Danza Primavera舞踊作”Taki Maki”舞台背景制作(フィレンツェ)
1997 望月辰夫ダンスカンパニー舞踊作「デカメロン」絵画制作(東京)
2003 “Colours of Tuscany”「トスカーナの色」
ギャラリー10 (ワシントンDC)
2005 神道知子 アレッサンドロ・ヌティーニ2人展
“Terra e Aria” 「大地と大気」イタリア文化会館 (京都)
2007

第7回エコロジー・アース・アート21展 埼玉県立近代美術館(埼玉)

2008 EcoArtFestival, “Madre matrigna e Amante tradita”, ヴォルテッラ
ヴィラ・パラジョーネ、ポマランチェ展示会場 (トスカーナ)
2009 Borse Nere come Rondini, 33 Proposte Prese al Volo, スカンディッチ市図書館(トスカーナ)
Borse Nere come nidi, イスティテュート・デッリ・イノチェンティ、(フィレンツェ)
陶芸家 樂 吉左衞門