200年以上前にイギリスで使用されたパーチメント(羊の皮をなめした紙のようなもの)の上に描画していきます。何の意味もなさなくなったモノが海を越え、はるか日本の自分の手元に来て、全く別の意味づけの行為にさらされていきます。否応なくその素材や、その過ごしてきた時間や、過去に描かれたものたちに影響されながら、私のイメージは今のこの時を刻んでいるのです。
私は、制作されるイメージというものは、単にコンピューターのモニター上に映るものだとは考えていないのです。むしろ映らないものを想像することから始まるのではないか、映し出せないからこそ、それを埋める共通のカギを求めてやまないのではないかと・・パーチメントを引っ掻くようにペンを走らせながら、消し去ることの出来ない行為を積み重ねているのです。
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