◆特別寄稿◆ Page 2/3 |
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【5】診察 診断には問診が重要で、日常生活に支障を来す、毎日続く激しい頭痛、めまい、全身倦怠感などの症状があり、頭部打 撲、むち打ち症、慢性片頭痛、起立性調節障害,精神的なものなどと診断されて治療を受けても効果が乏しい場合には、 脳脊髄液減少症を疑うべきです。発症前に外傷、激しい運動や力仕事、体幹の捻り、激しいせき込み、息み、脱水になる ようなエピソードの存在、髄液検査や脊髄麻酔受けた既往、等があれば可能性はさらに高くなります。 【6】画像診断 1)脳MRI
2)脊髄MRI&MRミエロ
3)RI脳槽・脊髄液腔シンチ
【7】その他の診断法 1)腰椎穿刺での髄液圧測定
2)硬膜外生理食塩水注入試験
【8】治療 脊椎部髄液漏出症は脊髄硬膜の骨折と考えると理解しやすいと思います。骨折が新鮮(急性期)であれば、骨折部位を ギブスで固定し安静にしていると自然にくっつきます。しかし、固定せずに動かし続けて時間が経過してしまった後(慢性期)に 固定してもくっつきません。脊椎部髄液漏出症の治療の基本は硬膜内の髄液が漏れにくい姿勢、すなわち、厳重な安静臥 床を続けることで、硬膜の自然治癒を促すことです。ブラッドパッチは保存的治療に反応がなかった患者や慢性期の患者に対 して、髄液が漏れている部位の近傍に血液を注入して、再度外傷を負ったことを身体に認識させる方法です。ブラッドパッチ は時計の針を巻き戻す方法でしかありません。ブラッドパッチ後にも安静が必要です。 1)急性期保存的治療
2)ブラッドパッチ
3)保存的治療
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