定年後 作品

■ 8月9日

  熱かったね 痛かったね 苦しかったね

  おとうさんは  おかあさんは
  おねえちゃんは おにいちゃんは…

  いまぼくは 長崎平和記念像のまえにいます
  被爆者の方々の体験談に耳を傾けています。
  空は青く晴れ渡り 汗をぬぐい 冷たい水を口にしながら…
  でも 全身ケロイドに赤黒く傷ついた肌は その汗さえ ぬぐえない

  熱かったね 痛かったね 苦しかったね

  あなたたちの その苦しさは 想像すらできず
  なにもできず ごめん、な、さ、い
  ただ、大海の一滴の水に過ぎないけど
  これからも 悪魔の兵器が消え去るまで 努力だけは続けます。

■弁当
(妻のひと言)
  ひとりで食べると寂しい
  ふたりで食べると 楽しい
  さんにんで食べると もっと楽しい 
2021/12/3

■一日

朝 通学児の笑顔を 安全旗で送りだし

昼 プールで 園児のはしゃぎ声に 邪心を祓い

夕 放課後で 中学生と共に学んで元気をもらい

夜 高校生とオンライン学習で共に悩んで

  一日の終わりを日本酒で労わる

 ところで肝心の日本酒ですが、若いころの恋人との

出会いに似ていますね。

 また、味の感覚は体調とも大きく関わっているともいわれています。

 飲めるあいだが華。少しでも身体を動かしたいものです。
             
2021年12月 2022年 一部賀状へ

■音楽と私
 (^^♪

 10代でポップスに恋をし、10代半ばでクラ シックに心を震わせた。高2のときだった。
「月光の曲」を弾きたくて、夜間、母校の音楽教室で、月の光を頼りに恐る恐る練習した。
「おい、おまえ、なにしてんだ?」夜警につかまってしまった。
 翌日、音楽教師が叱咤を抱え、わが家にやってきた。
 この時代、テレビもなく、ピアノに至っては高嶺の花であっ た。それに、
「男子がピアノを弾くなんて」と、蔑 む人もいた。
 そのうち、ビートルズがピアノを弾き、ジェンダー被害から解放された。
 10代後半から20代で、エレキサウンドにしびれ、このころは音楽を聴くのに忙しく、
小遣いの多くをレコード代に使ってしまった。
 ところが20代半ば、バンド仲間の紹介でジャズを知り、その世界に驚愕した。
リズムや フレーズのすごさに、むしろ恐怖すら感じた。
 そして70代を超えたいま、童謡などの混声 合唱に耳を傾ける日々だ。
 「光陰矢のごとし」。時の流れに加速度がつくようだ。
(2021/2/6)


     70代になって想う
 50年代、アメリカンポップスに夢中になった。
 メロディックでリズミカルな8ビート。
 ウキウキする楽しさ、悲哀を込めた曲は
 心の成長と初めての恋にぴったり重なって、夢中になった。

 ただ、ただ、この頃…、まだまだ、終戦から10年経ってなかったんだね。


■富裕層増税へ エッ!!

 いやー、元日早々驚きましたね。昨年11月の赤旗に、「富裕層増税へ」という見出し。

以下の記事が掲載されていました。

 約2憶5千万円の資産を超える富裕層に対し、資産額に応じ課税する法案可決。

 でも、
日本じゃなく、南米アルゼンチンの下院でのことでした。

 富裕対象者は約1万人で、それを財源にコロナ対策「連帯特別基金」を創設。

 医療設備の購入、経済的打撃を受けた中小企業への補助金支給・融資、公共事業による

雇用創出、学生への就学支援金などに使われる予定だそうです。

「われらの社会が抱える恥ずべき社会の不公正を緩和するものだ。多少だけど…」下院財

政委員長の発言です。コロナ禍の富の一極集中、どうにかならないものですかね。
                 2021/1

  徒然ならぬままに

 新聞を読む時間を大切にしています。多くの記事の中から、これといった「宝物」を見
つけるためです。ある日の記事に、「左派に一般的に足りないものは」という見出しで、ケン
ト大学の政治学者エイドリアン・パブス
の論説が載っていました。氏によると、近年の左派
はフランス革命のスローガン「自由、
平等、友愛」の「自由、平等」ばかりを重視し、
「友愛」をなおざりにしてきたのではな
いかと指摘しています。
 いっぽう、マルクスの高校生時代の手記に「多くのひとを幸福にした人が最も幸福な人
だ」とあります。身につまされる想い。
 挨拶さえ、まともにできずにいる。まず、まわりの人の良いところを見つけることから始めて
みようか。    
(2021/4)


 夕食を兼ね、コペンハーゲン中心街に位置するヨーロッパ最大といわれるチボリ公園に行ったときのこと。
 ホテルから電車に乗り中央駅に到着。100段ほどある上りエスカレータのほぼ上りきったころ、突然、女性の悲鳴声。ボクの目の前の100kg以上ある大柄な男性がそのまま後ろ向きに倒れてきました。とっさに身をかわし、右足を膝からL字に曲げ、男性の背中を受け止め、右手で首を支えました。とっさの行動がなかったら、恐らく男性は後頭部を打つか、クリスマスで混雑する中、さらに将棋倒しになっていたでしょう。日頃のトレーニングが役にたったお話しでした。


      ユニクロに愛をこめて
ユニクロがロシアに店を出したとき、全身ヒートテックを着込んで、大失敗。
それもそのはず部屋は暑くて眠れなかった。
ちなみに、ロシアではヒートテックはほとんど売れていません。

ニューヨークにユニクロショップがありますが、その賃貸料がすごい。
「収支が合わないのじゃないのか?」
「宣伝広告料ですよ」笑いながら店員から返事が返ってきた。

結果、世界一物価が高いニューヨークの賃貸料はさらに跳ね上がり、
トランプみたいな人が現れてくるのではないか。
 日本企業のほとんどは撤退してる。寿司屋に入ったら、客は妻と二人のみ。
100円寿司並みの寿司が5,6貫で会計8,000円には驚いた。

 2021年2月 株価が1000万円 イヤーびっくり、したわよ。
 新聞でも取り上げられたが、社員がかわいそうな会社だね。
なんでも、店を閉じた22:00以降が本格的仕事だってね。
 とくに、客が手に触れた服を1枚1枚、きれいにたたんで戻すのに時間がかかるのは分かるけど。
店長にでもなったら、もう大〜変。
 ブラックに国や年金資金が使われ、日銀買いで株価もひと口1000万円と膨らんで、
変なところだね。(2021/2)


    


原子力に思う

 その日私は定年退職説明会場がある日で、 九州新幹線開通を祝って、
空にはブルーイン パルスが青空に白い輪を描いていました。
 説明会を終え4時ごろだったか、職場に戻 ると、多くの社員がテレビ
に釘付けになって いました。
 タンクが引火し燃えている状況や、津波が 押し寄せ、家々を飲み込んで
いる映像が流れ、 そのとき私は「原子力発電所は大丈夫か」と、 とっさに、
周りに尋ねたのですが、だれからも返答がなかった。この時点でテレビでは
ほとんど報道されてなかったと思います。
 そして今回の地震、深夜のラジオでは、原発の安全確認が絶え間なく報じ
られていました。100%安全なら、むしろそんなに神経をとがらせる必要は
なくともいいのではないか。100%安全でなければならない原発、安全と確
証し、再開しているのに疑問を感じます。
 たえず怯え、事故があったら多くの人命を奪う原子力、それに核、すべて
やめて欲しい。
(2021/2/18)




   反省しきり
「きょうの味噌汁、塩辛いよ」
「総菜の多くは防腐剤が入ってるようだから注意して」妻にはたびたび、注意する。しか
し、妻のように食事の前後に、「いただきます」手を合わせたことがあるだろうか。食
に対する感謝の気持ちがあるだろうか。
 ケント大学の政治学者エイドリアン・パブスト氏によると、近年の左派の一部の人は、
フランス革命のスローガン「自由、平等、友愛」の「自由、平等」ばかりを重視し、「友
愛」をなおざりにしてきたのではないか。そう指摘しています。大きな言葉で政治を語る
まえに、まわりの人々をほんとうに大切にしてるだろうか、まわりの人に感謝したことが
あるだろうか。他人の悪口を言いながら、平和を語っても、平和への想いが届くはずもな
い。反省することしきりです。(2021/2/3)


   ■頓田の森で

 原爆がどれだけ悲惨なものか。子孫に魔の兵器を残してはならない。そうした私たちの
思いから、被爆後の写真の数々を展示しようと、自治体に展示場所の許可申請しようとし
たときのこと。

 原爆パネルを張ることに、自治体の担当者が「一つの思想ですから、ちょっと…、で
すね」と、公共設備の貸し出しに対し、イヤな顔をされたそうです。そのとき、現場にい
なかったので断定はできませんが、もしそれが事実なら担当者の気持ちが理解できません。

「二度と戦争の悲劇を繰り返さないために」という願いが、「一つの凝り固まった思想」
と捉えようとする人たちの気持ちが私には理解できません。
 人は教育や学び、環境によって、大きくモノゴトの捉え方が異なるといわれます。

 数年まえ、「頓田の森※」を訪れた時のこと。
 80代のご婦人がタクシーから降りてこられた。白髪の背筋がしっかり伸びた着物姿のご婦
人は、森の中の1本の木を何度もなんども静かに撫でてらっしゃった。

「辛かったねー。苦しかったねー」一瞬にして命を失った子供たちに語り掛けてらっしゃる
のだ。
 
私にはなにもいう言葉がない。ただ、胸が震えるだけです。(2020/9/10)

頓田の森…太平洋戦争も末期の3月27日、旧陸軍大刀洗飛行場を米軍の爆撃機B29が狙っ
 た大刀洗空襲で、旧立石国民学校(現在の立石小学校)の児童31人が一度に爆死
した事件。


               ♪♪    ♪♪


                  ゲーム

   ホント、やめて欲しいんです。
  でも黙っていたら、何時間も続ける。
   医師会・小児医師会が警告しているように1時間で、やめて欲しいんです。

  大人は成長しきっている。
  でも、あなたはいま、成長し続けているんです。
  だから、だから…。

 ボクも少年時代、なんど注意されても耳を貸さなかった。
 楽しいのは分かるよ。
 でも、やめて欲しいんです。
 なぜなら、脳が固まるし、目も悪くなるし…。

 でも分かってもらえないよなーあ。


                  初 恋

  恋は夢か希望か、ときめきか。
 送ることもない手紙を何度もなんどもしたため、
想いはいつしか果てしなく膨らんでいく
 空想の貴女を目のまえの空間に浮かべ、
オレは出口のない部屋に閉じ込められ、もがき始める。

 ああ、恋は相手に捧げる愛でなく、自己愛、ひとときの欲望かもしれない。
 そのためかしら、そのほとんどは成就しないようだ。

 成就しなかった若き情熱は、成就しなかった分、
 また、決して会うこともない、会えることもない
それだけ、年老いてから、少しずつ熟成していくようにも思える。
     (2018年)


            空 

昨夜まで続いた雨も、すっきり幕を落し 思い切り空を取り込む
青い空気が胸いっぱいに広がり、清らかな風になって体中を走る
ビラ配布で一週間、ぬかるんだ道を堪え、
ふやけた足指をそっとさする。

 隠ぺい、改ざん、ごまかしと一瞬押しつぶされ、
窒息しそうな世相を吐き切って、
ふたたび、平和な空を胸いっぱい取り込む (2019年)

             詩  「 星 」

「ママ」

どうしたの?

「お星さまってすごいね」

どうして?

「風が吹いて 雨もあんなに、たくさん降ったのに

まっすぐまっすぐ輝いているんだもん」

2018/8




          ごめんね
 まわりばかり気遣って、ほとんど、かまってやらなかった。
むしろ不潔な付属品のように、指先を伸ばすことさえしなかった。
 だけど、キミは黙って七十年ものあいだ耐え、ボクを支えてくれた。
 正しさや事実を届けるために、チラシを持って家々をまわったね。
 特に雨風の日なんか、キミは靴の中でふやけてしまい、
靴下から解放してやったことも幾たびあった。
 背筋を海老にしながら、きみの指先を擦ったり、さすったりする。(2019/4)



    頓田の森で

 原爆がどれだけ悲惨なものか。子孫に魔の兵器を残してはならない。
そうした私たちの思いで、被爆後の写真の数々を展示しようと、自治体に展示場所の許可申請しようとしたときのこと。
 原爆パネルを張ることに、「一つの思想ですから、ちょっと…、ですね」自治体の職員の言葉。公共設備の貸し出しに対し、
イヤな顔をされたという話しを聞いた。
おそらく、主催者側の聞き違いとは思うが、その話しを耳にしたとき、思わず、「ど、どうして?」、わが耳を疑った。
「二度と戦争の悲劇を繰り返さないために」が「一つの凝り固まった思想」と捉えた職員の気持ちが理解できない。
 人は教育や学びによって、大きくモノゴトの捉え方が異なるといわれますが、数年前、「頓田の森※」を訪れた時のこと。
 80代の御婦人がタクシーから降りてこられた。白髪の背筋がしっかり伸びた着物姿のご婦人は、
森の中の1本の木を何度も静かに撫でてらっしゃった。
「辛かったねー。苦しかったねー」一瞬にして命を失った子供たちに語り掛けてらっしゃるのだ。
私はなにもいう言葉がない。ただ、胸が震えるだけだ。

※頓田の森…太平洋戦争も末期の3月27日、旧陸軍大刀洗飛行場を米軍の爆撃機B29が狙った大刀洗空襲で、
旧立石国民学校(現在の立石小学校)の児童31人が一度に爆死した事件。



                 ♪♪随 筆  ♪♪

         中学校の校庭にて

 週に2回、中学校の放課後、2時間程度、生徒さんと学習しています。
問題が解けなく困っている生徒さんといっしょに解答したり、学習の仕方を考えあったりします。

 先日、校庭に数人が集まっているので、なにごとかと近寄ってみると、ツバメの雛が
3羽。2羽はとっくに死んでいて、残りの雛はまだ生きていました。10人近い生徒さんは、
どうにかして助けようとあれこれ考えている様子。

 だれかが「ミミズが欲しいね」と言ったとき、一人の男子生徒が輪に加わりました。
上背が1m程度、一見して障害のある生徒さんと分かります。その生徒さんが、
「先生、ミミズどこにいますか?」と尋ねましたので、二人で日陰を探していたら、
他の生徒さんもいっしょになって、ようやく数匹見つけ、彼らは輪の中に走っていきました。
 すでに亡くなった2羽のために、穴を掘ろうとしている生徒さんもいます。

 この日、私は机上ではできない、多くの学びを生徒さんといっしょに経験することができました。
   (2019/9)



             どこへ行く、にっぽん

多額の税金を使って米国に出向き、相手の経済要求を聞きに行く。
What will you doing?
国民には強権、対外には弱腰。
Where have Japanese soul or polisy gone?
種子法廃止、遺伝子組み換え、
ゲノム編集食品や食材が次々に店頭に並ぶ。表示義務はない。
何を信用して買ったらいいの?
いまから育つ若い人たちの命が心配だ。  (2019/4)


     国民平和行進  暑さの中で 

 沖縄から長崎までの国民平和行進も7月26日小郡に到着。
市役所横公園で集会後、久留米市の方々の平和への思いを引き継ぎ、基山までの行進となった。
 歩き始めて4、50分、照り付ける太陽、コンクリートから立ち上がる熱気、
行進する人たちの口も次第に重くなっていく。
 昨年まで「このくらいの暑さぐらい」と思っていた私も、
頭上に位置する太陽が溶鉱炉に思えるほどで、今年の暑さばかりは限界に来ていた。
責任者の方も皆の体調を気遣ってくれる。
 ただ8月6日、9日を考えるとき、こうした暑さの中で、たった一発の原子爆弾により、
数十万という人々が3〜4千度の灼熱の中で苦しんだことを想像するとき、言葉を逸する。   
 しかし現在、人類が抱え込んでしまった一万4千発もの核兵器をこのままにしておくことはできない。
本来、核兵器禁止条約に調印するしないなど、言っている暇などないのだ。
「核による抑止力、無防備でいいのか」かって、だれかがいった。
一発の核に対し、迎撃を行うとしたら、かって私たちが経験したことのない地獄、
否、人類は滅亡するだろう(相互確証破壊)。
また、監視警報システムによる暴走もないとはいえない。
 平和を守っていく行進。
 やがて、道の向こうから基山町職員が、笑顔で迎えてくれるのがみえた。 (2019年)
ーーーーー未完ーーーーーーーーーーー
     店のレジにて
 溶け始めているアイスクリーム。

    お猿さんみたいね
 教室と体育館を結ぶ廊下、小学2年生だったかと思う。……

「おとうさん、ありがとう」年金を入れた封筒を仏壇へ備える母。帰宅。トイレ。風呂入れ
ーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 726日未明に起きた障害者殺害事件。耳にしたとき、ナチ政権が脳裏をよぎった。彼ら
障害者を「生きるに値しない生命」とし、ユダヤ人虐殺の前に障害者を虐殺した。案の定
加害者は「ナチスの思想が降りてきた」と語ったという。裕福な環境の中、教育学部まで進
んだ人間の
異常な犯行は精神疾患に基づくものではないかという見方もある。ただこうした
事件で気になるのは精神疾患を患った他の多くの気のいい人たちのことだ。

 原爆被災者が、なにより辛かったのは周りの冷たい目だった」涙ながらに話しておられ
た。被爆者に近づくと原爆病になると離れていく。社会的に弱い立場の人が幸せに生きられ
る社会は夢だろうか
?

 ただこうは言える。弱い立場の人が幸せに生きられる社会は、万人が幸せに生きられると
いうことだろう。


 発がん性や遺伝子への影響が指摘されている除草剤「ラウンドアップ」。
世界中の規制強化で販売先を失った分、日本市場になだれ込んでいる「ラウンドアップ」。
最近、各店舗の入り口近くに大量に置かれている「ラウンドアップ」。
「グリホサート」を主成分に含む「ラウンドアップ」

ベトナム戦争で使われた枯葉剤を開発した米モンサント社を2年まえ買収した独医薬品大手「バイエル社」
遺伝子組み換え(GM)種子に力を注いでいるとされる「バイエル社」
ヒトラー政権と協調しつつ、強大な権力を握っていったといわれる「バイエル社」
実際にこの目で見たわけではなく、どこまで事実か分からないが、良い印象は持てない。

6月も終わりの梅雨前線による警報が流れるなか、
「人種差別に対する運動同様、これがアメリカパワーだ」そう考えさせられる本誌記事。
「バイエル社」が発がん性を指摘している原告に和解金・一兆円超を支払うという。

 しかし、それはまだ米国の原告一部に過ぎない。
 
 こうした私たち子孫に過大な悪影響を与える商品をなりふり構わず与えている行政もだが、
それを報じないマスコミにも問題がある。
中学で学んだ三権分立、その真ん中にある国民が監視する手段はマスコミ・世論だ。
 バイエル社長は訴訟に対し、和解金に応じたものの、ラウンドアップに発がん性が
含まれることを明示する警告については応じていない。
 また、店頭の商品には日本の化学メーカーしか記されていない。(2020/6/27)


     中高校生と学習して

 定年退職して、早や8年がたつ。興味をもったのが県主催のひとり親の小中学生のお子
さんとの学習会。しかし、週1回の勉強会に時間を持て余していた私は、市主催の中学生
の放課後の学習サポートを知り、さっそく飛びついた。いまは、ハローワークで紹介され
た生徒さんも含め、多くの中高校生といっしょに学んでいる。
 そうした中で特に気になることが、登校拒否の子供さん。そのほとんどがスマフォのラ
インやゲームをやっていることだ。医師会や小児医師会も、スマフォによる昼夜反転や、
学力の低下、親御さんと子供の断絶等々を注意喚起している。早急になんらかの対応が必
要と思うが、経済中心の世で、果たして行政が動くか、気になるところだ。
 そうした中で、いちばん嬉しいことは現在高校3年生のAくん。ハローワークを通じ彼を
知ったのは4年まえ、彼が中2のとき。40人学級で英数の授業は一人だけ別室で授業を受け
ていた。授業についていけないからだ。
 しかし、彼には前向きな姿勢と謙虚さがあった。
「いっしょに頑張ろう」
「難しくするのが数学じゃない。私たちを楽にするのが数学だ」
「英語は日本語より簡単。きみ、あなた、おまえ。ぼく、おれ、私。英語はIとyouのたった
2文字だ」
 ひとつひとつ、積み木を重ねていく彼と私の週2回の勉強会が始まった。
 2年後、公立高に合格。担任も驚いていたそうだ。それからさらに2年数か月、指数、対数
関数、微分の学力判定でクラストップに…。
 口にはしないが、「習うより慣れろ」。「前向きであること」だ。  (2019年)


         平和憲法を、なぜ、いま

 政治が一方的になるにつれ、自然災害も不思議と増えるように感じます。
東日本大震災以来、熊本地震、九州北部豪雨、そして今回の福井中心に襲った豪雪…、と。
 いっぽう、救援、救助に汗を流す若い自衛隊の方々には日頃から感謝しております。
 しかし、いつの日か彼らが銃を持ち、砂漠や極寒の地域に派遣されられたり、
一般庶民の中に混じったテロ集団からの予想外の発砲に対し、一般人を巻き込むことにもなりかねません。
 いったん戦争の中に身を置きますと、地雷や、相手からの砲弾に絶えず怯える環境に陥り、
結果、精神状態や人格まで変わってしまうようです
 現在の権力者を縛っている平和憲法をなぜ、いま変えようとするのでしょうか。
改憲を急ぐ政治家は戦地には赴かない
若い自衛隊員とそのご家族のため、そして私たち国民や子孫のためにも平和憲法を変えてはなりません。
環境権や高等教育の無償化は、国の最高法規でなく法律で実現可能だと思います。  (2019年) 


      障害者殺害事件に思う
 726日未明に起きた障害者殺害事件。耳にしたとき、ナチ政権が脳裏をよぎった。彼ら
障害者を「生きるに値しない生命」とし、ユダヤ人虐殺の前に障害者を虐殺した。案の定
加害者は「ナチスの思想が降りてきた」と語ったという。裕福な環境の中、教育学部まで進
んだ人間の
異常な犯行は精神疾患に基づくものではないかという見方もある。ただこうした
事件で気になるのは精神疾患を患った他の多くの気のいい人たちのことだ。

 原爆被災者が、なにより辛かったのは周りの冷たい目だった」涙ながらに話しておられ
た。被爆者に近づくと原爆病になると離れていく。社会的に弱い立場の人が幸せに生きられ
る社会は夢だろうか
?

 ただこうは言える。弱い立場の人が幸せに生きられる社会は、万人が幸せに生きられると
いうことだろう。



       国保に対する考え方

昨年11月、社保協と自治体の懇談会が、私たち市民を含め、30人程度催されました。
「社会保障制度の拡充を求める要請」に対し、
の回答があり、この日は自治体の考え方や現状
直接、聞くことができました。
その中で、社保協の1人の質問に対する市の回答で気になったことが
あります。それは「国保」に対する考え方です。

「社会保障及び国民保険の向上に寄与することを目的にする」国保制度は、
「相互扶助」や「受益者負担」の性格は持っていません。こうした認識が行政には求められ
ています。

 かってドイツやフランスに行ったとき、現地ガイドに「国保」について尋ねたところ、
「苦しんで
人を、保険の有無で見殺しにするのですか?」首を傾げられたことがあります。
そうした矛盾を無くすため憲法
25で、すべての人が健康で文化的な生活を営む権利を保障されているはずです。

 また、乳飲み子までが負担対象になる「均等割」についても取り上げられました。
 かって、このように話された方がおられました。「そりゃ、私も不満。でも予算がなけりゃ仕方な

 地域活性化を説きながら、一方では大企業に対する優遇税制、膨大な軍事費を米国に支払う現政権。
半面、病院に行きたくてもいけない人やその日の生活がやっとで、国保料を払いたくても払えない人のことを
いっしょに考えたいものです。(2019年12月)



            働き方改革

 年の暮れ、北欧の旅に行ったのですが、添乗員が「今回の旅はほとんどフリーなので給料もほとんどない」
 「だれが決めたか知らないですけど」そうおっしゃったので、本人に確かめてみました。
 睡眠中以外はすべて拘束されているのに、観光客のフリー時間は無給。
 詳しく聞くと、〔働き方改革〕法案が国会を通過して以来だそうで、「もう辞めたい」と唇を噛みしめていました。
 その日、観光客のひとりがパスポートを盗まれ、その対応で追われてらっしゃった。これも無給でしょうか?(2019/12)


            プラごみに痛感

 昨今、プラごみが生態系に影響を与えることが大きな問題となっています。レジ袋の

代わりに買い物袋を用意して20年ほどなりますか。当時は店員の表情に、「環境のため」

と、なん
とか理解してもらっていました。それは燃焼したときに発生するダイオキシンを

思っての
こと、クジラや魚など、生態系に悪影響を与えているなど、考えてもみませんでした。

砂浜に広がった大量のプラスチック。それは海外からの漂流物か、無神経な人たちのことか

と、他人事のように思っていました。ところが身の回りを意識してみますと、なんとその

数や量の多いこと。雑誌類、それに家庭菜園にも用いている荷造り用ひも、その切れ端を

注意して処理していない。

 先日、雨水用配管が詰まった。原因はペットボトルで、周りにはラッピング用包装紙が

巻きついていました。処理には十分心掛けなければ…。痛感しております。

2018/6

             ある幼稚園 

 F市内のある幼稚園。園長先生は子供たち一人ひとりの興味や能力にあわせて自由に育

てるのがモットーで入園希望者も多い。サッカーでは市内で何度も優勝。絵の好きな園児

には美術展で優勝する実力をもって、いっしょに園児と絵を創り上げていく。入選や優勝

が目的でなく、それは園児の能力や協調性を重視した教育の、あくまで結果にすぎません。

 10数年後、園長先生は信頼ある人にその園を任せ、自らは、長年の夢に向かって動き出

します。園から数キロ離れた山手に幼児保育園を建設。まわりにも知られず、最初の入園

者数は8名。3名の園児がなにかしら障害を持っています。

 ある日、障害を背負った園児が、「せんせい、いつも、いっしょうけんめい、働いてい

るね。あ、り、が、とう」障害をもつ園児の体全体をふりしぼってのひとこと。癌で一度

は死に直面した園長先生。これからの人生はすべて彼らといっしょにあるようです。

2018/7

         差別の中で

 真正面にエッフェル塔が見えるトロカデロ広場。アフリカなどから仕事を求めて渡ってきたであろう多くの若者を見かけた。職もなく広場に集まり細長い風船を回しながら無表情に近づいてくる。子供たちが皿をもって物乞いする。ISに入らなければいいが…。

 タックスヘイブンを使った税逃れ、通信費月額100万を手にしている一部の政治家。一方、貧しさゆえに学校へ行けない人。子供と一緒に遊んだり会話をしながら、考える力や感性を育てていく保育士。「人生に必要な知恵は全て幼稚園の砂場で学んだ」哲学者ロバート・フルガムの言葉だ。それに介護士や契約社員の待遇。差別は貧富差だけでない。

 7月26日未明に起きた障害者殺害事件。耳にしたとき、ナチ政権が脳裏をよぎった。彼らは障害者を「生きるに値しない生命」とし、ユダヤ人虐殺の前に障害者を虐殺した。案の定、加害者は「ナチスの思想が降りてきた」と語ったという。裕福な環境の中、教育学部まで進んだ人間の異常な犯行は精神疾患に基づくものではないかという見方もある。ただこうした事件で気になるのは精神疾患を患った他の多くの気のいい人たちのことだ。

 原爆被災者が、「なにより辛かったのは周りの冷たい目だった」涙ながらに話しておられた。被爆者に近づくと原爆病になると離れていく。社会的に弱い立場の人が幸せに生きられる社会は夢だろうか?

 ただこうは言える。弱い立場の人が幸せに生きられる社会は、万人が幸せに生きられるということでしょう。2016/08