図形の性質

 1.三角形と線分の比

  角の二等分線と線分の比

 △ABCで、∠Aの二等分線と対辺BCの交点をPとすると、
     BP:PC=AB:AC
 

 証明
 点Cを通りADに平行な直線を引き、辺BAの延長との交点をPとする。AD∥PCより
∠APC=∠BAD(同位角)
∠ACP=∠CAD(錯角)



工事中(Break time)
 


 問 △ABCで、ADが∠Aの二等分線であるとき、線分BDの長さを求めなさい。
 BC=10 page90

答 BD=Xとおく。 X:DC=AB:ACより
    X:(10-X)=6:9 9X=6(10-X)  X=4


 2.三角形の重心・外心・内心

  三角形の重心
    (①三角形の3本の中線は1点で交わる)
    (②重心は、それぞれの中線を2:1に分ける)



 問 点Oは△ABCの外心である。∠αと∠βの角度を求めよ。∠α=30°と∠β=20°
 


  三角形の外心(三角形の3辺の垂直二等分線は1点で交わる)

右の図で点Oが△ABCの外心であるとき∠BACの大きさを求めてみよう   

解説 

   点Oが△ABCの外心(円の中心)であるから
  OA=OB=OC よって△OAB△OACは二等辺三角形となり
 ∠OAB=∠OBA=20°
 ∠OAC=∠OCA=30°したがって
∠BAC=∠OAB+∠OAC=20°+30°
       =50°…答



 問 点Oは△ABCの外心である。∠αと∠βの角度を求めよ。
 

 解答

   ∠OAB=30°よって、
 ∠α=30°また、三角形の内角の和から
180°=(70°+40°+∠β+∠30°+∠β)
180°=(140°+2β)
2β=40° よってβ=20°

  ∠OCA=α+30°= ∠OCA 同様に
∠OBA=α+25°= ∠OAB

△OACについて考えると
△OAC=180°
 180°=(50°+2(α+30°)
 180°=(2α+110°)
  2α=70° α=35°  またβは
  β=180°⊸2α
  β=180°-70°=110°
   


  三角形の内心(三角形の3つの二等分線は1点で交わる)

右の図で点Iが△ABCの内心であるとき、∠BACの大きさを求めてみよう   

解説 外接円を描くことで、おおよその性質が見えてきます。

   IBとICはそれぞれ∠ABC,∠ACBの二等分線であるから
 ∠ABC=2×30°=60°
 ∠ACB=2×40°=80°
 三角形の内角の和は180°だから

 ∠BAC=180°⊸(∠ABC+ ∠ACB)
  =180°⊸(60°+80°)=40°

 問 下の図で点Iが△ABCの内心であるとき、各α、βの値を求めよ
       

内接円を描くことで、おおよその解答へのイメージが見えてきます。

  ∠ABI=∠CBI ∠ACI=∠BCI よって、△ABCで考えると
180°=(∠CBI×2)+∠BCI×2)+70°
   2(∠CBI+∠BCI)=110°∠CBI+∠BCI=55°

 △IBCで考えると
 180°= ∠CBI+∠BCI+α
 α=180°⊸ (∠CBI+∠BCI)
  α=180°⊸55°=125° 

   ∠ACI=40°∠CAI=30° よってαの角度は
 α=180°⊸70°=110°

△ABCで考えると  ∠B=2×∠CBIで
 ∠B=180°⊸ (80°+60°)=40°
   ∠ABI=20°なので
 ∠BIA=180°⊸ 50°=130°よって、
   β=50°



円の接線と弦のつくる角
 円の弦と、その弦の一端を通る接線のつくる角は、その角の内部にある弧の円周角と等しい(接弦定理)
   

問1 ∠x の大きさを求めよ。

     

        
 答
     ∠X=180°- (90°+ 55°) =35°

問2 右の図においてPTは円Oの接線でありAは接点。また、BCは円Oの直径である。このとき∠BAP、∠ABCを求めなさい。   

分かった情報は図に書き込んでいこう。

  BCは直径であるから∠BACは90°
  また、接線と弦の作る角の性質より ∠BAP=∠BCA…①
  △PACにおいて内角の和は180°だから
  ∠BCA+34°+(90°+∠BAP)=180°
  ①から
   ∠BAP+124°+∠BAP=180°
   2×∠BAP=56°   よって ∠BAP=28°
   ∠ABC=180°⊸90°ー28°=62°



 方べきの定理

円の2つの弦AB,CDの交点(図1)、
または、それらの延長の交点(図2)をPとすると、
 PA×PB=PC×PDが成り立つ。

      図1            図2
  

 このことは円と直線の交点に作られる2組の三角形が、それぞれ相似であることから証明できます。
 
    図1 どちらも弧AC、BDの円周角で∠A=∠C、∠B=∠Dから相似

 問1 下の図において、PAの値を求めよ
    PC=4, CD=5,AB=9

 PA = x とおく。
 方べきの定理より、4・(4+5)=x・(x+9)より、 x2 + 9x = 36 x2 + 9x ⊸ 36 = 0
 乗法の公式より、(x ー3)(x +12) = 0
 x>0 だから  x = 3 ・・・答

  検証してみよう AP=3なら
  3・(3+9)=36 4・(4+5)=36 でOK!
 

 問2 下の図において、xの値を求めよ
       

 方べきの定理より、3・(3+8)= x(x+4)より、
  x2 + 4x - 33 = 0 
  解の公式より、x>0だから  x = -2 + √37・・・答