◆指数関数 指数方程式  指数関数のグラフ
         ◆対数関数
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 数Ⅰで学んだ以下の公式を確認しよう。

[1] aman= am+n   [2] (am)n=amn   [3] (ab)n=anbn

    具体的な数値で表すと、以下のようになります。

   [1] a3a2= a5   [2] (a3)2=a6   [3] (ab)3=a3b3

 以下の定義をしっかり理解しよう。(重要)

    a≠0でnが正の整数

   例       

問  ① a3×a4=   ② a3×a=   ③ (a3)3=   ④ a3a=   (ab)2=

   ⑥ (a4)3=   (a2b)4=  ⑧ 30 =  2-4    ⑩ 10-2×105=

 答 ⑧ 1  ⑨1/16  ⑩103=1000

 ▲累乗根の性質



例題
   ① 3√2×3√4=3√8 = 3√23=2   ② 4√12÷4√4=4√3



▲有理数への拡張

(例1) 9の平方根は√9。9 = 32 であるから √9 = 3 。
(例2)16の4乗根は「4√16」と書き表す。16=24 であるから 4√16 = 2 である。

  
            
 √5=

例 

問1 (1)次の式の値を求めなさい。
        ④2-4
   (2)次の計算をしなさい。

        

 答 (1) ①2  ② 0.1  ③ -3     ④ 2-4 = 1/16

    (2) ①2  ② 3    ③ 23√2+33√2= 53√2    ④ √2

問2  ① (5a)4    ② (6√4)3    ③ (4√25)2    ④ (7a)3


答   ① (5a)45a4     ② (6√4)36√436√26=2
   ③ (4√25)24√2524√54=5    ④ (7
a)37a3


▲負の整数の累乗

  a-nnは正の整数)を考えてみよう。
  上の法則が0以上の整数だけでなく負の整数でも成り立つと考えると,a ≠ 0実数)
   an×a-n =an+(-n) a0 =1
    an×a-n =1… ①
     a ≠ 0 であるから,この両辺①をanで割ると

 a-n
an

 a ≠ である任意の実数aについて,以下のように定義する。

 a-n
an

   たとえば、
       

  以下、できるだけ多くの問題に挑戦し、問題に慣れることが極めて大切です。

 問1 左辺=右辺となるよう、□の中に数値を書きなさい。
 
 ① a-2  
 a
 
 ② a-1  
 a
 
 ③ a-3  
 a
 
 
 
 a5
 =a
 
 ⑤ a-5  
 a


 問2 左辺=右辺となるよう、□の中に数値を書きなさい。
 
 
 
 a2
 =a
 
 
 
 a3
 =a
 
 
 
 a4
 =a
 
 
 a-4  
 a
 
 
 
 
 a0
 =

問3 以下を計算しなさい。
 
①    ② 16=   ③ 27  ④ 8

 答  ① =√2   ② 16 = (24) = 8

   ③ 27=3√(33) =31 =3   ④ 8 =

問4 以下を計算しなさい。
 ①
3-2  ② (3)-2   ③   ④   ⑤   ⑥ -(-a)3  ⑦

 ⑧
a×(ab2)-1   ⑨ 8÷27×3-6   ⑩ 4×108÷(2×105)

解答  6

① -  ②  ③ =4  ④=2  ⑤   ⑥ a3 
⑦  (-1・a-2)-3 = -1a6 = -a6  ⑧ 
⑨ 18   ⑩=2000

問5 次の各数値を小さい順に並べなさい。

  (1)         

  (2)
()    ()0    ()3


   (1) 
2の累乗根で合わせましょう   

   (2)  ()3 <()0 ()
       () は√5になります。

問2 次の方程式の解を求めなさい。
    ①
32x271-x  ② 25x  ③ 8x3√16  ④9x4√27


 ②- ③ ④

     
■指数方程式

例 次の方程式の解を求めてみよう
  
   32x+1263x9=0

  まず3xの形にまとめてみよう。
   32x+132x×3=(3x)2×3 になります。☜ここがポイント

  もとの式に戻り、
   32x+1+263x -9=0  3(3x)2+263x -9=0
 ここで3x tに置きかえよう。 (tでなくてもOK)
   3(3x)2+26・3x -9=0 3t2 +26t-9=0
     (3t-1)(t+9) = 0

   t>0だから t  3x  より x=-1…答

問1 次の方程式の解を求めよ
  
   22x+12x+232=0

  まず 22x+1=(2x)2×    2x+2=(2x)×

  22x+12x+232=(2x)2×2-5・(2x)×4+32
  ここで 2xa とおきましょう  (2xt でもOK)

  (2x)2×2-5・(2x)×4+32=2(a)2-5・(a)×4+32

   =2a2-20a+32 = 2(a2-10a+16)=2(a-8)(a-2)
    2(a-8)(a-2)=0  a=2 , 8  2x=8 , 2x=2より
        x = 3, 1
…答

問2 次の方程式の解を求めよ
  
   22x2x4=0

  解説
  
(2x)22x4=0
  2xa
とおくと
   a25a4=0 (a-4)(a-1)=0
   a= 4 , 1  2x=4  2x=1

     
  x=2, 0  … 答

問3 次の方程式の解を求めよ
  
   3x232-x =7

 解説
    
32-x = 32×3x=
    
   両辺に3x を掛けると
     (3x)2232 =7×
3x
      3x=aとおくと a218=7a
         a2-7a-18=0 (a-9)(a+2)=0
    a>0 なので、a=9   3x=9
           x=3 … 答




  y=ax(指数関数)のグラフ
     以下に記した指数関数のグラフの性質と、大まかな形はしっかり覚えておこう。

 y=ax  (a>1)

y=ax (0<a<1)
   

 

 y=ax グラフの性質 グラフ図のイメージが大切
     [1] 2点(0,1),(1,
a)を通る
     [2] y>0の範囲にある
     [3] x軸を漸近線とする。
     [4] a>1のときxが増加するとyも増加する。
        0<a<1のとき、xが増加するとyは減少する

 

例題  0, 2-1,  を小さいほうから順に並べてみよう。
解説1) グラフ y=axで底aは2で1より大きいので、
  右図より-1<20<2

解説2) または0=1, 2-1=
     2
=√2 より答が導きだせます。


問1 次の数を小さいほうから順に並べなさい。

   (1)
, 22, 2    (2) (), (),  ()

グラフより
  (1) <2 <22    (2) )< ()< ()  (>)

問2 次の値を求めなさい。
   (1)
(6√25)3    (2) (4√9)2    (3) (6√8)2

     (1) 25=5    (2) 9=3    (3) 8=2

問3 次の値を求めなさい。
   
(1) 64    (2) 3    (3) 16

    (1) 4      (2) 34√27     (3) 

問4 次の方程式を解きなさい。
   
(1) 2x = 16    (2) 8x = 4  (3) 9x = 27

    (1) x=4     (2) 23x =22よって x=    (3) x=

問5 次の不等式の解を求めなさい 
    4x-3・2x +2<0

 答 左辺=4x-3・2x +2=22x-3・2x +2  
   2x =tとおく
 t2-3t+2<0 (t-2)(t-1)<0
     グラフ(t>0)より 1<t<2  2x=t でxの関数に戻すと
     1<2x<2 よって 
  0<x<1…答 


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■対数関数  

  ▲対数の定義:
  ac=bとなるようなcのことを、log と書き、logのことを対数と言います。
      c=log
      たとえば 2c=8 c=3
        2の3乗は8ですね。指数の分野ではこの「2」を「底」といい「3」を指数といいます
     
指数部分である「3」に注目してみましょう。
     3=□ を2と8を用いて表すと、23=8 は 3=
log28 のようになります。
      このように考えたときに導入された概念が「対数です」
     「log28」は「2を何乗すると8になるか」という値を表します。
            log

        
     最初は、なんだか難しいと思いますが、くり返し問題を解くことですぐに慣れるので、安心してください。

問 次の計算をしなさい。
    ① log
  ② log   log  ④ log

 ① 2=8  2(2の乗は) □の中は3 よってlog


 ▲対数の性質

条件 a>0, a≠1, M>0, N>0 k:実数
       (1)
log

       (2) log
       (3) log


      ①底がそろっているのを確認する
      ②対数の係数を真数の累乗部分にもっ
ていく
      ③対数のたし算は真数のかけ算 対数のひき算は真数のわり算
      ④真数部分の指数を整理して計算

  例題 log
     「対数のたし算は真数のかけ算」でしたね

   実際に計算してみましょう。

例題1     

問 (1) (2) (3) 3√2
  (4)

(1)  □の中は0  よって 
(2)  
(3) 3√2=2  3√2
(4)


▲対数関数のグラフ

   以下に記した対数関数のグラフの性質と、大まかな形はしっかり覚えておこう。

x

 底が1より大きい2なので、
 xが増加するとyも増加する単調増加のグラフ
  また、真数条件よりx>0でy軸が漸近線となります。
  x

  底が0<<1なので
 xが増加するとyが減少する単調増加のグラフ
  また、真数条件よりx>0で、同じくy軸が漸近線となります。

問 関数 xのグラフと次のグラフの位置関係を答えなさい。

   (1) x    (2) (-x)     (3)


 関数
xのグラフと次のグラフの位置関係。

   (1) x

  軸に対して対称移動したグラフ


 関数 xのグラフと次のグラフの位置関係。

   (2) (-x)

  軸に対して対称移動したグラフ(に3を代入)
 関数 xのグラフと次のグラフの位置関係。

   (3)

 


▲対数関数の方程式

問 次の方程式の解を求めなさい。

  (1)(x-1)=3   (2) x+(x+2)=(10-x)

 答 (1)(x-1)=3 真数条件より x-1>0  x>1   答 x=9

   (2) 真数条件より x>0…①  x>-2…② 10-x>0 x<10…③
     ①、②、③から 0<x<10
      
x(x+2)=10-x   x2+3x-10=0
        (x+5)(x-2)=0 x=2,-5  
x=2…答


▲常用対数

122=(1.22×100)=0.0864+2=2.0864
0.143=(1.43×10-1)=0.1553-1=-0.8447

   100=102=2

 230は何桁の整数か。ただし2=0.3010とする

 2=0.3010 より 2=100.3010
したがって
  230=(100.3010)30=109.03
   109<230<1010 となるので230は10桁の整数である

▲整数の桁数
101 =10 … 2桁
102 =100 … 3桁
103 
=1000 … 4桁    10n … (n+1) 桁




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