高校 数学Ⅰ 

3章 :三角比

  三角比も建築、土木、化学、測量、通信(音声デジタル変換)等、多くの分野で使われています

  

 


問 次の値を求めなさい。
 
 sin30°  cos30°  tan30° sin60°cos60°tan60° sin45°cos45°tan45°




 上の問題解答をよく見てください。
   sinA=cosB  cosA=sinB  tanAは逆数になることがわかります。
  
つまり sin(90°-A) = cosA になります。同様に、
  cos(90°−A) = sinA   
(90°−A) は角度Bですから

 公式  
0°≦θ≦90°の範囲で
 
   

 以下の表の穴埋めは、中間や期末テストに必ず出題されます。覚えておくように指導する学校がありますが、
 覚えるのは大変だ。それにテストが終わってしばらくすると忘れている。
 できたら、自分で考えてほしい。 表の下に考え方を説明しよう。


 


  それでは以下の残りの角度は?

     


   グラフで考えてみましょう。
   グラフは2年で学習しますが、これはいま覚えていたほうがbetterだと思います。


 y = sinθのグラフ  (θは角度)
  
 y = cosθのグラフ (θは角度)
   

 tanθグラフは参考まで
                

     

公式




それでは以下の問題をやってみましょう。


 
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解答



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 公式 以下は大切な公式。しっかり覚えておこう。

 sin2θ+cos2θ=1 ……公式①

  tanθ= …… 公式②

sinθ= cosθ=  ですね。それぞれを2乗すると、
sin2θ=cos2θ= で、
 になりますね。

問1 0°≦θ≦180°とする。
  cosθ= のとき、sinθの値を求めなさい。

   より

     sin2θ=1−cos2θ sin2θ=1=
   sinθ=±

      0°≦θ≦180°なので sinθ  …答

問2 0°≦θ≦180°とする。

  cosθ= のとき、sinθtanθの値を求めなさい。

  より

     sin2θ=1− sinθ=± 
   0°≦θ≦180°なので 
sinθ=  …答
  
公式 tanθ= より ÷=1 …答


問3 0°≦θ≦180°とする。
 
 cosθ= のとき、sinθtanθの値を求めなさい。

解説 sinθtanθ=sinθ×

     cosθ= を代入  

   sin2θ1−    sinθtanθ=  だから

  
sinθtanθ=÷=  …答

問4 0°≦θ≦180°とする。
 
 sinθ= を満たす角θを求めなさい。

 sinθ= だから、単純にθの値は30°
 しかし、0°≦θ≦90°で  90°≦θ≦180°(第2象限)を考慮する必要があります。
 sinθの
第2象限は+でしたね。
 右図から、180°−30°=150°
      答)
30°,150°

問5 角度Aが鋭角で、cosθ=のとき、sinθ,tanθの値を求めなさい。

  より

  sin2θ=1−cos2θ=1−()

    
sinθ= ± Aは鋭角だからsinθ= …答

   tanθ=
より tanθ=÷  …答


正弦定理

公式   


  
上の公式は必ず覚えよう。以下に一例をとって説明します。



公式  が成り立ちます。

以下、証明してみよう

証明

Ⅰ A<90°のとき(図Ⅰ)
   Bを通る直径をBDとする。直径の円周角は90°なので∠DCB=90°
     等しい弧に対する円周角は等しいので∠BDC=A
     
a=2Rsin∠BDC=2RsinA よって=2R 

Ⅱ A=90°のとき(図Ⅱ)
     a=2R,sin90°=1より
     a=2R=2Rsin90°=2RsinA よって =2R

Ⅲ A>90°のとき(図Ⅲ)
   Bを通る直径をBDとする。直径の円周角は90°なので∠BDC=90°
   円に内接する四角形の対角の和は180°なので∠BDC=180°-A
   a=2Rsin(180 °-A)=2RsinA  よって =2R

    Ⅰ~Ⅲより=2R  同様に=2R , =2R

       したがって =2R




 

問1 三角形ABCにおいて、AB=4、A=75°、B=60°のとき辺ACの長さ、および外接円の半径を求めなさい。

解説

まず、以下のような図を簡単に書いてみよう。


公式から  

 ACの長さ=b で,
まずACの長さを求めましょう。AC=b
  bsin45°=4sin60°(sin45=1/√2, sin60°=√3/2)

       答

 次に半径Rを求める。
  外接円の半径は  から

 2R=4/sin45° R= 2/sin45°= 2√2  答

問 a=6,A=30°,B=45°のとき,外接円の半径Rとbを求めなさい。   

  解答 簡単に絵を描いてみよう。
   


 

余弦定理


公式
  
  

問1
 ① 

問2
  ② 

 簡単な図を書きましょう。
 正弦定理を使おうとしても、aの値が未知なので、ここは余弦定理を用います。

    

 問3
  
問4
  

 


円の接線と弦の作る角
 円の弦と、その弦の一端を通る接線のつくる角は、その角の内部にある弧の円周角と等しい(接弦定理)
   

問 ∠x の大きさを求めよ。

     

   
 答
 ∠x =180°- (90°+ 55°) =35°


方べきの定理

円の2つの弦AB,CDの交点(図1)、
または、それらの延長の交点(図2)をPとすると、
 PA×PB=PC×PDが成り立つ。

      図1            図2
  

 このことは円と直線の交点に作られる2組の三角形が、それぞれ相似であることから証明できます。
 
    図1 どちらも弧AC、BDの円周角で∠A=∠C、∠B=∠Dから相似

 問1 下の図において、PAの値を求めよ
    PC=4, CD=5,AB=9

 PA = x とおく。
 方べきの定理より、4・(4+5)=x・(x+9)より、
 x2 + 9x = 36   x2 + 9x ⊸ 36 = 0
 乗法の公式より、(x ー 3)(x +12)
 x>0だから  x = 3 ・・・答

  検証してみよう AP=3なら
  3・(3+9)=36 4・(4+5)=36 でOK!
 

 問2 下の図において、xの値を求めよ
       

方べきの定理より、3・(3+8)=x ・(x +4)より、
   x 2 + 4x − 33 = 0 
    解の公式より、x >0だから  x = -2 + √37・・・答


三角形の面積を求める
 △ABCの2組の辺とその間の角度が分かれば
 三角形の面積が求められます。
  公式は1つ覚えれば十分です

 公式 

   

 証明  角度Bが分かっているときを例にとります。


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