2013年 武蔵野テンカラ会 釣行記 NO4

今回は障害物のない本流筋ということで、私はあまりやっことはないロングラインに挑戦してみた。竿は40−45mズームのテンカラ竿、ラインはフロロ4号を5.5m、ハリスは0.6号をひとひろ、毛鉤は飛んでいた虫に合わせ、黄色系のボディーにぱらりと巻いた白ハックルのものにした。ロングラインといことだけあり、水に浸からなくても裕に対岸際に毛鉤を落とせる。しかしながら竿が幾分重く、腕が痛くなる。釣り始めて数投目、正面から下流に流れた毛鉤に誘いをかけてみた。鋭いあたりが手元まで伝わり、反射的に合わせを喰らわせた。ロングラインで竿も柔らかめなので、腕を伸ばし切り頭上に上げて、そのまま後ろに竿を倒す。ラインを掴んで手元に魚を寄せた。釣れてきたのは25cmほどの綺麗なパーマークが入るヤマメだった。それからも同型が数尾釣れ本日は満足行く釣りが出来た。早めに竿を畳み、皆の釣り姿を見物させてもらうことにした。17時を過ぎると陽も陰り始め、急に気温が低くなる。予定では17時半にバンガロー前に集合であるが、今回参加のメンバー全員が同じ場所にいたので、納竿後に順次バンガローへ来てもらうことにした。

バンガロー前のキャンプ場にも、2年前の我が家同様、家族総出でテントを設営している微笑ましい光景が目に入る。バンガローは山の斜面を利用して作られており、眼下にはきらきらと輝く神流川、山々を見ればまだ初々しい木々の新緑、素晴らしい景色が目に飛び込む。我々は昼食の乾麺を早速茹ではじめた。取り出す時間がやや早く、冷たい水で湯切りをしたので少々固めだったが、なかなかの渓林さんの蕎麦だった。昼食後は簡単にDさんの入会手続きを済ませ、ムサテン名も予め用意していた「岳釣」に納得してもらった。そして渓魚さんが時間通り登場、約束の小僧寿し90貫を持ってきてくれた。毛鉤巻きのバイス台をセットして、渓素さんと岳釣さんに前回の月例会で行った、伝承毛鉤の作り方を教える。渓魚さんは数回テンカラ竿を振ったことがあるものの、本格的にテンカラに取り組むのは今日が初めて、渓林さんに仕掛け、毛鉤の種類、各パーツ間の結束を教授してもらった。渓素さん、岳釣さんが今日、明日分の数の毛鉤を巻けたところで、釣り支度をして、他メンバーが既に釣りをしているキャッチ&リリース区間に向かった。

GWの前半戦、4月27日、28日と釣行会を行った。
毎年この時期管理釣り場とキャンプ場で、どちらかと言えば夜の宴会を主に釣行会をしていたが、今シーズンから月に1回、メンバー大勢で楽しめる場所を見つけ、日帰りでも泊まりでも可能な釣行会を開催しようという計画になった。そしてこの神流川が今シーズン初の月例釣行会。
初日の釣行は集合場所に17時半待ち合わせということで、各々で自由に釣行。今回、新人の入会手続きと毛鉤巻きの講習、キャスティングトレーニングを初日に予定しており、「はこだたみキャンプ場」のバンガローをベースにした。

4月月例釣行会

渓はゴルジュ帯で上流から吹きさらしの風が強い。落ち込み、淵とベストなポイントが続くのだが、風が強すぎてラインがうまく飛んでくれない。風が弱くなった時を見計らってキャスティングする・・・んん〜〜?此処で魚が出ないはずがない!というポイントに毛鉤が流れているのに・・・ここでも魚影は確認できない。いつもS沢から下山する時、登山道から魚をよく見るポイントなのだが・・・渓魚さんは靴の崩壊と魚が釣れないことで少々くたびれモードの様子。竿を借りて、私が少々やってみた。毛鉤をパラシュートにして流芯脇の流れが緩いポイントに毛鉤を落とす。ベストポジションを流すが・・・出ない!これを繰り返す。日だまりの緩やかな流れにパラシュートが乗って行く。目印のポストが吸い込まれたと同時にフッキング!早合わせかと思ったが魚が乗っている。手元に寄せると20cmほどの錆びがとれてない越年ヤマメだった。上流から我々を呼ぶ声が聞こえた。二股でS沢から下山してきた渓林、春渓さんだった。ベストなタイミングだ。我々も竿畳み下山の準備をする。渓魚さんの靴を春渓さんのテーピングテープで補強する。この姿を見たら、皆両足首骨折と思う姿である。15時半過ぎ、皆と待ち合わせしている温泉裏の駐車場に到着。久しぶりの源流釣行で疲れを隠せないが・・・「C&Rでリベンジかな?」と冗談半分で渓魚さんに言うと、「リベンジしたい!17時までなら大丈夫!芝居の稽古が19時からですから・・・」いやいや・・・すごい釣欲と凄まじいパワーには驚きです。

S沢組は5時出発、バンガロー入り口の二段ベットの部屋で一足早く寝る。
誰かのアラームで目を覚ました。皆も起きた様子。重い目をこすりながらサッサと荷物を片付け、車に積み込む。最後に居間兼寝室の大部屋を覗くと、皆さんイビキをかいたり、お尻をかいたり、ぐっすりと夢の中にいらっしゃるようであった。5時半にS沢の入口駐車場に到着。道沿いの気温計は2度を表示していた。とても外で釣り支度は出来ない。車の中で暖房しながら着替えをした。6時丁度に出発した。
6時を回れば外はかなり明るい。渓の斜面の中腹まで陽が差し込んでいる。到着予定の2時間後には渓まで陽が届いてくれそうだ。渓林さんと春渓さんは昨夜かなり飲まされた様子で顔が蒼い。但し、お二人とも山歩きのベテランなのでこの状況は慣れている様子だった。ただただ黙々と歩いていく。帰りに渓林さんが言っていたが、行きの景色など覚えてないとのことだった。渓魚さんの体力は折り紙つきだ。皆に付いていけそうだが、あのS沢の峠越が出来るのか・・・そして私は、1週間前に「軽度のヘルニア」と診断され、痛み止めの薬を飲んでいる体!果たして・・・

荷物の搬入も終え少しの休憩をとった後、早速宴会の準備。今回は出来合いものばかりなので、キムチ鍋用に野菜を刻む程度、手間がかからず非常に楽である。酒は好みを各自が用意、釣り後の酒は直ぐに廻る。皆さんお腹が空いていたらしく、小僧寿しは見る見る無くなっていく。唐揚げもサイズが大きい!但し電子レンジが無かったのが残念だった。渓魚さんと渓林さんに用意してもらったキムチ鍋もテーブルに載り、酔いも回り皆さん饒舌になってきた。春渓さんも仕事の追加でこの宴会中に参上した。笑渓さんの「新人お二人の自己紹介してもらえませんか?」の一言で、二人だけなく、ほぼ全員が自己紹介・・・皆、難儀な質問に困っていた。そしてテンカラ、毛鉤談義が続き、明日の釣り場所の確認をする。明日は体調不良が続いている会長渓忠さんが身体を引きずってくるとのことで、10名となる。渓林、渓魚さんからは、この釣行会時に是非S沢の源流へ行きたいとのリクエストをもらっていたので、昨年夏に一緒に釣行した春渓さんにお願いし、私を入れ4名でS沢に向かうことにした。他メンバーは再度C&Rで強烈なヤマメの引きを味わいたい!とのことで話はまとまった。
笑渓さんと渓川さんはよいコンビだ!釣りのライバルなんて、言っているが・・・渓の漫才師 しげ&よしぼー。ボケとつっこみは皆の笑いを取る。渓川さん(しげ)は飲みすぎ!皆、焼酎を薄めて飲んでいるのに、酒だけガボガボと注ぐ。お陰様で、翌日の朝の宴会時の記憶がない人が続出・・・

27日7時、立川駅で渓林さんと待ち合わせ。そして2週間前にテンカラデビューの渓素さんをピックアップ、今回は国道で上野村を目指した。秩父の芝桜渋滞が心配だったが、交通量は多いものの、渋滞までには至らず9時過ぎには秩父市内に到着出来た。今回はバンガロー宿泊、夜の宴会のつまみは持ち込み。今回はほぼ出来合いで済ましましょう!との計画で、寿司の購入は渓魚さんに任せ、その他のものを我々が秩父市内で買いだすことになっていた。予め、早い時間に開店するスーパーを調べて向かったのだが、秩父市内は一方通行の路地が多く、地元のおじいさんに聞いてやっとたどり着けた。ここではキムチ鍋の具材を購入。そして前日に予約を入れておいた揚げ物類を、指定された時間に引き取りに行く。鶏のから揚げ、大きなハムカツとメンチカツ、袋の大きさからして値段が気になるが、びっくりの安値だった。すんなりと買い物も済ませ、本日入会手続きをするDさんが待つ、神流川恐竜センターを目指した。
秩父から小鹿野、志賀坂峠を越え、ちょうど昼に到着。Dさんも既に到着していた。Dさんは昨年行った「安曇野テンカラ勉強会」に参加してくれた渓林さんの学生時代の同級生で、渓林さんが主宰している、山の会のメンバー。相変わらずの元気な笑顔だった。バンガローへのチャクインも前日が平日ということで前客がいず、直ぐに入らせてくれた。恐竜センターのすぐ横がキャンプ場だ。
このキャンプ場は2年前、私が家族で来たことがあり、釣行会でいずれは・・・と思っていたところだ。

GW IN 神流川

C&R区間も人がまばら・・・人がいなくなったことに気が付いたのか、ライズする魚が多く見える。それぞれが散らばって竿を振る。渓魚さんは会長直々のキャスティングトレーニング、渓素さんは昼間にご教授してもらったようで、ラインは綺麗なループを描いている。私はロングラインにまた挑戦。ライズの割には魚がのらない!そうとうスレてる魚の様だ。薄暗くなる18時半くらいまで竿を振るが・・・ロングラインが一直線に!水面もバシャバシャ飛沫をあげている。手元のブルブルも激しい!後ずさりしながら魚を岸に寄せた!9寸サイズの、手にどっしり感が伝わる立派なヤマメだった。

16時にC&Rのメンバーが来た。体調不良で泊まれなかった会長も早朝に来てくれ、新人を指導してくれたと同時に、久しぶりに逆さ毛鉤で楽しんだとのことだった。C&Rでリベンジ!を伝えると、「これからがゴールデンタイムなんですよ〜」と渓川さん。会長渓忠さんには渓魚さんのキャスティングを見てもらうようお願いした。渓忠、幸渓、渓川、笑渓、渓魚、渓素さんはC&Rへ、渓英さんは渋滞を心配し帰宅、春渓さんは温泉へ、渓林、岳釣さんはもう1泊!お決まりの記念撮影後、解散となった。

「これからだ、この先からだ」と言い聞かせながら前進するが・・・集中力がなくなってきた。「そこに杣道があるから、早めに下山して中流でやろうか」と竿を納め下山にかかると・・・「靴が壊れている!」と渓魚さん。見せてもらうと靴底が半分剥がれてしまっている。応急処置で、持っていたロープでぐるぐる巻きにした。杣道は途中までで再び川を歩くが、渓魚さんの靴の崩壊がますますひどくなってきた。そしてもう片方の靴までも・・・「これは駐車場まで下山したほうがいいんじゃない?釣りは危ないと思うけど?」というが、「水の中に入らなければ大丈夫そう!釣りは出来そう!」と、渓魚さん恐るべし!釣りキング!いやいや釣りクイーンです!S沢、H沢の二股まで下り登山道を沿って下流へ向かう。渓魚さんの靴は両足全壊!ロープでぐるぐる巻きにする!縛りだ!靴はまさしく団鬼○の世界に突入してしまった。「この道の下の流れ、下流の丸太橋から二股までの間は、人があまり入りそうもないから穴場かも!S沢から下山してくる2人も我々に気付いてくれると思うし!」ということで桃源卿への入口である丸太橋から釣り上がることにした。

予定通り2時間で入渓点に到着出来た。ここで二組に分かれる。S沢は春渓さんが渓林さんをガイド、支沢のH沢は私が渓魚さんをガイドする。渓魚さんは今回ほぼテンカラデビューと言っていいだろう。冬季ニジマス釣り場でキャスティングの訓練をしたが、まだ自信がないとのことだ。暫くは渓魚さんひとりでやってもらうことにし、私は後ろから付いていく。餌釣り歴が長いので魚のいるポイントは理解しているようだが、全て落ち込みの白泡の中に毛鉤を入れて流れ出していく。キャスティングはライン先端までパワーが伝わらず、ハリスはふにゃふにゃ〜と水面に落ちて行く。まずは、ポイントの攻めの順序、立ち位置、ヤマメとイワナの付場を説明した。そしてキャスティング・・・前回渓素さんに教えた方法で、手取り「ジュージ、ジューニジ」でリズムを身体に覚えてもらう。
H沢は、流れは細いがポイントが次々と出てきて、初めて沢でテンカラをする人には雰囲気もあり大変よい場所!しかし・・・今回は・・・。渓に陽が差しこみ気温も高くなってきたのだが、水温がとても低い。魚影も全く見ることが出来ない。昨年夏にはけっこう釣れたのだが・・・。私も焦りを隠しきれず竿を出すことにした。大場所は渓魚さんに譲り、小さなポイントをピンポイントで狙っていった。小さめの毛鉤、細いハリスにし、毛鉤も頻繁に替えてみるのだが・・・これほどS沢で魚を見かけない日は珍しい。よく見るとかなり人が入った形跡が見える。空のエサ箱、缶、飴の袋・・・人の足跡で岩の苔も踏まれ、剥がれているものが多い。魚を抜かれてしまったのか?
毛鉤をカディスに替えた。落ち込みに1メートル四方の溜りがある。流れ落ちる水も白泡を立てるような勢いもなく、鏡のような溜りだ。姿勢を低くし、1投で毛鉤を浮かせた。瞬間でカディスが水中へ!合わせを入れると小刻みな振動が伝わってくる。手元に寄せると20cm程の岩魚だった。
よし!カディスだ!と思い、渓魚さんにも毛鉤を変えてもらったのだが・・・

川に沿う登山道には様々な植物が花を付けている。この渓でお馴染みの毒草「ハシリドコロ」、綺麗な白い花をつける「ニリンソウ」、独特な形状をする「ヒトリシズカ」、マムシの斑点のような茎をもつ「マムシクサ」、そして新緑の木々の間に所々で山桜が見頃を迎えていた。いよいよ峠に差し掛かった。この時期は枯れ枝だらけの山なので頂上まで見えてしまい、精神的によくない・・・九十九折の山道を、下を向きながら無言で進むしかないのだ!頂上まで辿りつけば、30分もかからないで入渓点まで行ける。ご神木、ご神体の大石に皆でお祈りし下りにかかる。

渓川さんに我々の到着を電話、数分待つこと上流から渓英さん、渓川さん、笑渓さんが手を振りながら近づいてきた。皆の笑顔を見れば釣果は聞くまでもないが、20〜30尾は釣れたとのことで、我々に下流のポイントを薦めてくれた。本流筋ということもあり、障害物がないのでキャスティングしやすい。ぶっつけの淵を皆で狙っている。流石にC&R区間ということもあり、良型が底を悠々泳ぐ姿がいたるところで見える。渓素さんは二週間前の釣行から、夜な夜な自宅近所の公園でキャスティング練習をしたというだけあり、前回より動きがスムースになっている。渓魚さんにキャスティングをしてもらうが、やはりラインにパワーが伝わらず、思ったところに毛鉤が流れない。口頭での説明と、また手取り足取りの教授をした。完成とはいかないが、数回に1度はタイミングが合うようになり、私も仕掛けのセットをする。

4月27日〜28日

渓 忠  渓 英  幸 渓  渓 林  渓 川
春 渓  笑 渓  渓 魚  渓 素  岳 釣

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事務局 幸渓 記