1時間程して場所移動、次は泉田川との合流点を目指した。ヤナ前に駐車し、川を渡渉してポイントに近づく。細流でパシャパシャと何かが跳ねていると思ったら、仕事を終えた鮭だった。ルアーを群れに入れると、スレで背びれにかかってしった。疲れ切ったように見えた鮭だが、凄い引きだった。遠目で見えなかったヤブの影にも餌釣り師がいて、どこへ行ってよいやら・・・餌釣り師の後ろを遠慮がちに通らせてもらい、川から一段高い、ヤブが生える土手に上った。整地して交互にルアーを投げ入れるが・・・流れが速すぎてルアーが流され、底まで到達しないうちに浮き上がってくる・・・餌釣り師たちは、流芯の手前のゆったりと流れる場所を狙っているのだが・・・我々の土手の下から川が絞られ細くなりポイントは無くなる。そしてまた移動・・・向居橋まで戻り、早めに昼食を済ませ、再度この合流点に来れば、餌釣り師も昼でいなくなっているかも?という作戦にした。

2012年 武蔵野テンカラ会 釣行記 NO16

 橋の袂に焚火があったので、しばし暖をとる。この時点で、皆、ほぼ諦めムードということが伝わってくる。昼食の準備が出来ているとのことなのでいただくことにした。昼食は漁協が準備してくれたおにぎり2個と、ありがたかったのは焚火でよく煮込んだナメコ汁!これは冷えた身体を芯から温めてくれた。時間は12時を過ぎている。そろそろ釣り人たちも腹を空かせ、昼食を摂りにくるだろう・・・と思ったが、誰も戻って来ない。我々は再度泉田川の合流点に向けた。よいポイントにはまだ黒装束軍団がいる。よく見ると順番を作って後ろで待っているようだ。一人が数投してだめだったら、選手交代・・・これではどこにも入れない。ならば合流地点の上流へ向かってみることにした。

 米坂橋の上流は平水ならば瀬が続いて、鮭の産卵床になるところだが、増水で瀬が潰れている。遡上する魚も見えない。若干の濁りも入っているので、ルアーは定番の青銀、川幅も広いので25gを投げてみた。竿はシーバス竿であるため25gでも耐えられる。川底をゆっくり転がしたいのでリーリングは超スロー、手元にルアーが底石に触れているのが伝わってくる。最初は対岸寄りに投げ、徐々に手前にポイントを寄せてくる。10投程度したらルアーチェンジという繰り返しにした。続いてオレ銀(オレンジ/銀)で最初は遠投・・・徐々に手前のポイントを攻める。通常のルアーは14g〜28gまで20種類程用意した。今年は木戸川で知り合った菅スプーンの菅野さんお勧めの釣法で挑もうと思ったが、川の有り様で出番が無かった。全くの反応の無さに、渓忠さんも渓隆さんも首をかしげている。鮭は数尾のグループで遡上してくるので、群れに当たれば簡単に釣れてくるのだが・・・魚がいないのか?増水?低水温?今日は渋い釣りを強いられそうだ。

初めての川なので下見をすることにし、明日の集合場所である向居橋へ向かった。橋の下にテントが設けられ、漁協の組合員が焚火を囲んでいた。目の前の川を見るとかなり増水しているように見える。釣りの終了時間14時を過ぎていたので、釣り人は帰った後だったが、地元の釣り人が残っていたので今日の釣果を聞いてみる。「14gのルアーだったけど軽すぎて・・・」「ルアーにタコベイト、そしてサンマの切り身でやっと1匹!」あまり振るわなかった様子だ。しかし組合員の方が、「今日は山から雪代が入って増水、濁りも入ったけど、今晩から水が引いてくるから、明日は大丈夫だろう」と期待を持たせてくれた。向居橋を後にして、次なるポイントの下見。下流にある米坂橋へ向かうことにした。実は昨年の「2011渓流 夏」にここ鮭川の有効利用調査が紹介されていて、ポイントガイドの詳細地図を持っていた。米坂橋は県道からはずれた農道の一部で、なかなか分かりにくい場所だった。増水なのでガイドに掲載されていた流れとかなり違うものがあった。写真では橋の上から中洲が見えるが、その中洲は完全に水没、平水時より1m近く高いと思われた。更に近くで流れを見ようと、川に沿う農作業用の未舗装路を進んでみることにした・・・ここでまさか事態発生・・・想定外!

今年の鮭釣り(さけ有効利用釣獲調査)は山形県の鮭川を選んだ。昨年は単独で新潟の荒川に参加して寂しい思いをしてきたが、今年は渓忠さん、渓隆さんが同行してくれて賑やかな釣行となった。23日(金)8時、朝霞にある渓忠さんの畑に渓隆さんの車をデポし、私(幸渓)の車で向かうことにする。渓忠さんは病院へ立ち寄った後、単独で来ることになった。
 待ち合わせした渓忠さんの畑から10分もしないで外環道に入り、直ぐに東北道に合流、山形の東根ICを降車しバイパスで新庄を目指す。三連休の初日で車は多かったが、車が止まるような渋滞もなく、カーナビの到着予想時間もどんどん早くなった。新庄から鮭川村までは20分程度、休憩、昼食もしたが15時には鮭川村に到着出来た。渓隆さんと会話が途切れることが無く、あっという間の500キロであった。

山形県鮭川でのサケ釣り

サケ有効利用釣獲調査〜

再度、向居橋まで戻り許可証を返却。お土産には、雄鮭若しくは名産のきのこをくれるとのことで、鮭をもらうことにした。渓忠さんは福島の知り合い宅でもう一泊とのことなので、ここでお別れとなった。「釣れなくても、鮭釣りが出来たのだから幸せですよ。また来年もやりましょう!」我々の本職はテンカラ釣り、1年に1回のイベントだが、釣れなくて散々な思いをしながらも抜け出せない!もう来年の鮭釣りに闘志を燃やしている帰りも500キロの運転。カーナビでは6時間後の21時到着になっていた。
渓隆さんが「魚をよく釣る奴らって、どういう奴か知っているか?」
工夫をする奴、そして最後までねばって、あきらめない奴だよ」  

河原へ行ってみると、姿を見せなかった渓隆さんが軍団の間で竿を振っている、流石だな〜と感心してしまう。合流地点に全く人が居なくなっていたので、我々はそこを狙うことにした。周りの河原には仕事を終えて打ち上がってきた死骸がゴロゴロ・・・それだけ鮭が多いポイントなのだろう。しかし、ここでも全く反応なし。「先ほどのヤブの裏に河原で通れそうなところがあったので、もう少し下流へ行ってみよう」と、渓忠さんと私はまた移動開始。ヤブ漕ぎなど皆無で、釣り座を構えるにはベストポジションを見つけたが・・・流れは川幅いっぱいにどんよりした太い流れ・・・深そうである。一段下がったところから上流側、正面から十メートルくらい上にルアーを投げ込む。目の前でちょうど川底にルアーが着き、糸ふけもとれるような状態にしてから、ゆっくりゆっくりとリーリングしてくる。川幅もあるので思いっきり投げると気持ちはよいのだが、特に対岸寄りに魚が付いていることもないので、手前なども丹念に探っていく。しかし・・・釣りの終了時間まであと30分。「もう諦めましょう」竿を畳むことにした。

増水でなければ大きな河原が広がっているのだろうか、土手から降りられるようコンクリートの階段が付いている。斜め上流に太い流れもあり、流速も適度、釣り座もあることからここで暫く粘ることにした。但しルアーを落とすのは上流側になる。ルアーは21g、金ベースで両縁に赤と緑のペイントのものにした。そしてタコベイトフックに塩漬けしたサンマを付けてやる。左前方の奥から攻めて行く、コロコロとルアーが底を転がっていく感触が手元に伝わってくる。たまに根掛かりし、ピックアップしたフックを見ると、枯草が付着していることから、おそらく前方に中洲があるものと思われる。上流側、岸に生い茂るブッシュぎりぎりの流れにルアーを落とす。ルアーが底に引きずられ目の前を通過するとき、ガクン!と重いものに引っ張られるような感触、と同時に穂先が何度も大きくしなる。ラインのたるみを取るためにリーリング、巻き切ったときに魚が目の前をジャンプした!渓忠さんも喜んでくれた。「慎重に!慎重に!」魚は逃げようとどんどん走り、リールから糸がジリジリと出て行く。タモを準備、手元はグングンする感触で一杯だ。無理をしないでリールを巻き、近寄ったところでネットにランディングさせた。小さいながら綺麗な雌鮭だった。昨年は新潟で坊主、2年ぶりに感触を味わえた。これを契機に忙しくなるか・・・と思ったが、何度も何度も当たりルアーを流すけれども、あれ以来反応が無かった。そしてまた移動・・・黒装束軍団がいる河原へ行ってみる。

予定通り6時半に宿を出発し、昨日最初に訪れた向居橋の袂まで行くと、既に受付には行列が出来ていた。川をよく知る常連であろう、一番乗りに良いポイントへ入るためだ。恰好からして餌釣り師、皆黒装束でバッチリ決めている。我々も受付を済ませ、漁協関係者からお勧めポイントを聞き出した。一番人気は泉田川との合流点下流、ルアーであればこの橋の上流のカーブ地点、下流の米坂橋上流の澱み、ということだった。まずは一番人気の合流点まで行ってみることにした。
 支流筋になる泉田川には鮭の孵化施設があり、そこを目指して遡上してくる魚が多い。車を走らせ遠目に見ると、既に釣りベストに「渓○会」と書いてある黒装束軍団が長い竿を持ち、等間隔で川の中に立ち込んでいる。間に入れるスペースなどは無いようだ。そのまま土手の上にある道で、下流方向へ車を走らせる。次なるポイントは昨日の想定外の現場である米坂橋の上流。河原に釣り人2人が見えたが、長い河原なのでここに腰を落ち着かせることにした。道から見えた釣り人は、4WDの軽自動車で河原に駐車しており、椅子まで出して陣取りをしていた。渓忠さんがお愛想に挨拶に行くと、「この澱みで釣るので・・・」と挨拶抜きで早速威嚇される。ならばその下流へと向かおうとするが、ルアーを投げていた渓隆さんが早速の根掛かりでトラブルしている。仲間の餌釣り師が迷惑そうだった。

事態収拾に数時間費やしてしまい。名湯「美人の湯」でまったりし、夕食は地酒で一杯という夢は叶わないことに・・・今宵の宿となる羽根沢温泉「加登屋旅館」までは15分、体が冷えているので温泉に早く入りたい!腹も減ってしまったし・・・どちらが先か?飯前に風呂と決定!「美人の湯」に浸るが、河童の行水程度、食事を始めたのが20時過ぎ、アルコールが直ぐに廻った。部屋に戻り仕掛けのセットをして、寝酒と温泉もほどほど、23時にはイビキが聞こえた。遅くなってしまった夕食、そして朝食も早朝から準備してもらい・・・嫌な顔ひとつしない女将さんには感謝したい。次回は川の下見もしないで済みそうなので、「美人の湯」でゆっくりさせてもらいたいと思う。

渓忠 渓隆 幸渓

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11月23日〜24日