2012年 武蔵野テンカラ会 釣行記 NO11

渓川さんが毛ばりを落としてしばらく粘ると、白泡の中から毛ばりを追って良型の岩魚が出て来た・・・どうやら合わせが早過ぎた様だ、岩魚は何事も無かった様に白泡に消えて行く・・・そこで私が隠し持って来た(秘伝の?)赤玉毛ばりを進呈、再度渓川さんが挑戦するとすぐに竿が大きくしなった・・・上がって来たのは30cmの岩魚である。奥利根の冷水で磨かれた魚体はじつに美しい・・・それを見ていたSさんの闘志がメラメラと燃えた様だ。渓川さんが使っていた竿と毛ばりを拝借して挑戦だ。もういないだろうと諦めかけていた瞬間だった!その竿が弓なりになったのだ!あまりの強烈な引きに戸惑ったSさん、後ろに下がって・・・と叫ぶ渓川さんの言葉もむなしく竿は空を切ってしまった。諦めきれないSさんはすこし間をおいて再び挑戦する。今度はしっかりとハリ掛かりをした様で、必死で暴れる40cmの大岩魚をがっちりと両腕で抱え上げた!!

数年前に熊と遭遇した場所に着いた時、驚く事にまだ残雪がある、そしてその周囲には何と、軟らかなウドはたくさんあるではないか・・・岩魚の事はしばし忘れてウド採りに専念する事となった。更に渓を釣り上がると右岸から見覚えのある沢が流れ込んで来る。この小沢も釣り上がった事があった。チョウチン釣りしか出来ないが尺クラスの岩魚が釣れた記憶がある。小沢を過ぎると魚止メも近くなる・・・渓川さんが渓を塞いでいる倒木を乗り越えた時であった!足元からいきなり岩魚の影が走った・・・遡上岩魚である。40cm近い大物を3匹、しっかりと我が目で確認が出来た。やがて渓は大きく右折して魚止メの滝へと向かう。手前にあった大淵は無くなっていたが、そのすぐ上に新しい淵が出来ている・・・

二俣で流れ込む上ゴトウジの水量がやけに少ないと思っていたら、上トトンボに向か15mほど先の右岸から大量の水が流れ込んでいる。どうやら上ゴトウジの川筋が変わってしまった様だ。上トトンボへの入り口もボサで覆われていた筈だったが、すっかり様変わりをしている。上トトンボは初めの入り口付近は落差があり、途中は多少平坦になり更に進むとまた落差のある変化に富んだである。豪雨のつめ跡が各所に残っており、倒木を越えるのに難儀をする。しかも魚影は薄い・・・渓川さんとSさんが交互に釣り上がるが反応はない。この渓には数回訪れている。魚影は確かに薄いが思いがけない小淵から遡上岩魚が釣れた記憶もあった。緊張感を持続させながら更に釣り上がるも竿がしなる事はない。以前、存在していた大淵はほとんど消滅していたが、所々に見慣れた渓相も現れる。しかし魚の姿は見えない・・・

渓忠 渓英 渓潮 渓川 ゲストSさん

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が眩しい奥利根

その淵のすぐ上に待望の魚止滝がある。目に映ったその滝は集中豪雨の前とまったく変わっていなかった・・・周囲が一枚岩で構成されたこの滝は、あの豪雨を見事に耐えきっていたのだった。感動と同時に愛おしささえ感じてしまう・・・この魚止滝は淵の右手の岩盤に流れが集中してぶつかり、左側に緩やかな淀みがある。遡上岩魚がいれば此処でゆうゆうと泳いでいるのだが、今日はお留守の様である。この上トトンボは総じて魚影は薄い、しかし汗を流しながらも途中で諦めずにこの魚止を目指すのは、最終章となる滝付近で必ず大岩魚に会えるからだろう。たった2匹の岩魚しか我々を迎えてくれなかったが、感謝の気持ちでいっぱいである、上ゴトウジの源流を目指した渓英さん、渓潮さんは楽しんでいるだろうか・・・私達は心地よく響く滝音を背で聞きながらゆっくりと歩き出した。

この奈良沢は昨年の集中豪雨の後に一度訪れている。そして無残に変貌をした奈良沢を見て愕然としたものだった。その時には下ゴトウジの魚止まで行って引き返したので今回は更に上流の上トトンボ、上ゴトウジの魚止が目標である。ボートを降りると砂地が続き、水際付近は泥濘で渓流シューズが深く沈み歩きにくいが、すぐに乾いた砂地となる。今日は晴天・・・前方の三つ石山の上空は目にしみる様な青空そこに浮かぶ真っ白い夏雲、本日の快適な遡行が約束された様だ。私達は下ゴトウジ合流地点まで歩く事にした・・・

8月4日

青い空、白い雲、清涼感いっぱいの原生林

渓忠記

相変わらず倒木流木が行く手を遮る箇所が多いが、当時の荒々しさからすこし落ちついた風景に変わっており、遡行をする我々の足取りも軽くなる様な気がする・・・渓英さん、渓潮さんは快調に先方を歩き、源流行きは初めてと云うゲストのSさんと渓川さん、そして私の3名は時々休憩を取りながら後を追う事になった。倒木を避けながらの遡行は樹蔭もなく、照りつける日差しは厳しい。汗がどっと身体から噴き出す・・・右岸に僅かながら豪雨以前の原生林の姿を留める箇所があり、そのすぐ上流右岸の大きく崩れたガレ場に到達した。大量の岩魂渓の流れを左岸に押しやる様に連なり、私達の行く手を拒む。慎重に通過すると今まで濁っていた流れが急に澄んで来た。ガレ場から流れ落ちる泥水がここまでの渓を濁らせていた様だ。この泥水の流出はしばらく続く事になるだろう。これから上流も広い河原が延々と続き夏の太陽が遠慮なく照りつける。両岸から樹枝が覆い、夏でも涼しい昨年までの奈良沢は跡形もなくなっている。

奈良沢源流ゴトウジ・上トトンボ魚止へ

渓相は大きく変貌をして淵も浅くなっており、遡上岩魚の姿は見えない。三つ石沢合流地点の良淵も浅く狭い流れに変わっていた。三つ石沢を過ぎてからも広々とした河原が続くが、時々魚影が走る様になった・・・ハヤの群れに交じり岩魚らしき姿が見える。そして淵底には遡上岩魚も確認されて、我々を勇気づけてくれる。テン場があった右岸の山沿いの湧き水はまだ健在で、ペットボトルに補充をして更に上流へと向かった。その上流地帯も昔の面影はなく、初めての渓への遡行の様だ。川底はえぐられ流れも分流となり大岩が点在していた。右岸に大きなガレ場が現れてそのすぐ上に下ゴトウジと上ゴトウジの合流地点がある。この周辺は岩盤続きでさすがの豪雨もこの岩盤だけは崩すことが出来なかったらしい。しかし以前存在していた淵は消えており、狭い岩間を流れ下る水勢は凄まじい此処の激流を遡上する岩魚達の逞しさは尊敬に値する。この合流地点から更に上流へと進めば間もなく目的の上ゴトウジと上トトンボの二俣になるので、竿を出して釣りあがる事にした。二俣まではたいした距離ではないが、嬉しい事に渓相はさほど変わっていない。釣り始めてすぐ渓潮さんに良型が掛かった。このあたりではチビ岩魚が釣れた実績はあるが尺近い岩魚が掛かるのはめずらしい。二俣からは二手に別れて、上ゴトウジの魚止メ上流を渓英さん、渓潮さんにまかせて、私と渓川さん、ゲストの佐久間さんが上トトンボを釣り上がる事になった。

今回の奥利根は参加者が5名となり、奥利根マリンボートの高柳氏に送迎をお願いした。20馬力エンジンはさすがに速い、15分ほどで奈良沢の流れに到着した。