2012年 武蔵野テンカラ会 釣行記 NO5

渓魚は確かに復活している

 このでの釣りは数えきれないが、今は昔の様な魚影はない。漁協の放流が中止された事もあるが、山道が整理されて誰でも簡単に入渓出来る様になり、魚が釣りきられた状態の様に思われる。しかし最近の事だが源流帰りに山道から見下ろすとかなりの魚影が確認された。今日はそれを見届けるだけでいい・・・歩き始めてすぐに浅い溜まりで小魚が走った。「お、お、お・・・いるではないか」萎えかけていた釣り意欲がにわかに蘇った瞬間だった。それから沢合流地点まで良型のヤマメの姿を数匹発見する事が出来た。しかし強風の中で必死になって毛ばりを飛ばしてもまったく反応がない・・・明らかに流れて来る餌を待っている様に見えるが、毛ばりの前で反転をしてしまう・・・ただ、嬉しかったのはしっかりと魚影を確認出来たことだった。2年前に渓山さんと訪れた時には小魚すら見る事が出来なかったのだ。まだ昔の様にはなっていないが渓魚は確かに復活している・・・

 昨日の風は凄かった、畑のビニールは吹き飛ばされて苗も倒れた。今日もまだ東北地方は暴風雨の中にある・・・こんな時に釣りなどしていいものだろうか、ふと、こんな考えが頭をよぎったが、午前5時に起床して黙々と釣り支度を始めた。上野村のふれあい館前に渓川さんと9時に待ち合わせであった。所沢インターから関越に入った時には、さほどの風ではない。もう関東からは低気圧も通り過ぎた様だ。安心したのも束の間だった。上里SAを過ぎた頃から少し様子がおかしい。ジムニーのハンドルが落ち着かなくなった。強い風が車の側面にあたり不安定な走行を強いられる・・・ここまで走って来るとまだ低気圧の影響はおさまっていない。しっかりとハンドルを握って速度をおとした。
 下仁田インターを降りると少し風も弱く感じられる。この調子では渓は穏やかな状況かも知れない・・・勝手に期待しながらふれあい館に到達したのは9時15分前、まだ渓川さんは見えていない。車を降りて見るとひんやりとした風が身体を包む。この朝の気温は3℃、周りを見渡してもとても春来たりとは云えない風景・・・まだテンカラの時期ではない様だ。間もなくやって来た渓川さんと沢へと向かう。駐車を予定していた温泉下は昨日の大雨で冠水していて無理だったので、少し車を走らせて道端に停めた。傍にタラの芽の木があったが、まだつぼみもつけていない。いつもなら、この辺りは陽だまりで他より先にタラの芽が美味しそうに出ている筈だが、今年は気候の影響でかなり遅れている様だ。

まだ東北地方は暴風雨の中

強風が通り抜けたへ・・・

気がついた時には目的の峠下まで来てしまった

テンカラには悪条件が重なっている

急速に発達した低気圧の影響はどうだった・・・

相変わらずの突風になかで苦労をするが、中型岩魚、ヤマメを見つける度に心が躍る・・・・このでこんな喜びに浸れるのはじつに久しい事だった。面白かったのは、出て来た岩魚が毛ばりを咥える瞬間に突風が吹き毛ばりが空中に舞い上がってしまう。その時の岩魚の気持ちは如何ばかりか・・・考えるだけで楽しい。物事に熱中すると時間が過ぎるのも、いかに長時間歩いたかも忘れてしまう。気がついた時には目的の峠下まで来てしまったこれまで二人とも残念ながらボーズ・・・今回はそれを最初から覚悟のうえの釣りだった、お魚さんと仲良しになったと思えばそれで満足である。健康であればこその渓歩き。今年もまた此処まで来られた事に感謝、満たされた気持ちで納竿となった。                    

                                                                                   渓忠記

沢は出会いから少し入ると3mほどのに出会う。このを越えるには右岸をよじ登るか、下流の杉林から遠巻きする方法がある。右岸を登るのにはさほど難しくはないがその手前にある淵が問題なのだ。水量が多い時は腰まで浸かってしまう。今日は久しぶりのスパッツ姿・・・下着まで濡らしたくないし、下流の杉林まで戻るほどの元気はない。あっさりと沢探索を諦めて沢上流を目指すこととする 合流地点まで戻って上流を見ると、すぐ前の大岩の下で良型岩魚発見・・・ここは渓川さんが盛んに粘るも残念・・・ここから先は遡行がしやすい渓相なる、良淵も次々とあらわれて快適な釣りが出来る。

沢への道はいきなり急坂から始まる。犬に追い立てられながら登り切ると眼下に流れが見える。予想通り、かなり増水状態だ・・・水温も気温と同じ3℃。それでも空模様は晴れ日当たりの良い淵では毛ばりも追ってくれるだろう、そんな期待をこめて右岸に沿った山道を歩きだした。まだ通る人は少ないのだろうか、道には落ち葉が積り滑る。またその下に石が隠れており油断をするとつまずいてしまう。慎重に進むこと50分、ようやく目的の山女魚止メ滝に到着した。今日はここから釣り上がり、左岸から流れ込む沢に入る予定である不安定な足場をゆっくり下り沢の第一歩を踏み出した・・・水量は先ほど確認した様にかなりの増水だ。数日前まで流れていた水跡が流れの中にはっきりと見える。水温は3℃、しかも流れの淀んだ所には枯葉がくるくると回っている。上流から吹き付ける風に毛ばりが飛んでくれない・・・テンカラには悪条件が重なっているが、とにかく予定通りに釣り上がることにした。

4月4日

渓忠  渓川

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