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 2011年 武蔵野テンカラ会 No6

秋山 魚野川釣行

魚信も遠くなり体力も低下

30分の大休憩後、野反湖へ向かう登山道を辿るが…「本流へはどうやって降りるの?」という疑問が我々を襲う!「ネットで見たけど、浅い湖を対岸へ渡っていたような?」渋沢を渡ると登山道は湖とは反対方向へ進路をとっている。「橋脚の柱に登ったような跡かな?」「暫く湖畔を藪こぎして浅場を見つけよう」と踏み跡らしきを掻き分ける。「この辺で下降かな?」正渓、幸渓は細い枝を掴みながら湖へドボン!深さは腰まで程度だったが対岸へ向かうに従い…対岸近くでは犬掻き…寒さくってブルブル…
渓潮氏は流石慎重派 藪こぎ時間は長かったものの濡れもしないで岸に到着。我々は湖の対岸に渡ったもののまたまた川を渡渉。「ここいいテン場じゃないですか〜」川を渡ると目の前の高台にいいテン場があった。歩くのもうんざり!上流に向かういい渓相!予定変更です!

小さな誰もが見落とすようなポイントから出て来た

切明温泉まで中津川に沿う国道を走る。百名山の鳥甲山の山肌にまだ雪渓が残っている。中津川本流の流れもチラリチラリと見え始めるが、数日間降り注いだ雨で増水気味。支流はいい状態だ。初釣行先で誰もが不安である。
切明までの国道も災害工事で行き止まりが多く、数度Uターンをするもカーナビ頼りにゲートに到着出来た。道の端に所沢ナンバーのクルマを発見!その隣に駐車した。ボンネットも冷たく大分前に出発したらしい。5時40分に渋沢ダム方面へ続く登山道のゲートを抜ける。

ファーストアタック

渓流釣りに行ったら温泉、蕎麦若しくはラーメンを制覇しないと達成感を味わえなくなっている。今回も事前にその辺は調べておいた。津南町役場の近くにある蕎麦屋「とみざわ」が人気のようだ!国道沿いとのことだが・・・それらしきものがない。諦めかけ次の店を探そうと車を走らせたところ看板が目に付いた。町役場の中心部から少々はずれにあった。ここで冷たい蕎麦をいただく。久しぶりのご馳走に皆満足した。
空は雲が切れ始め、その下には青空が見え始めた。魚野川源流釣行!甘く見ていた!あの急登さえなければ躊躇せずに「次回アタックはいつにしよう?」と言えるのだが・・・

蕎麦でも喰って行きましょうか?

ここぞと決めた渓潮氏が右岸の淵に何度も毛鉤を打っている。素早く合わせを喰らわせると、テンカラ竿として使っているハエ竿が真ん丸でブルブルとしなっている。皆とても楽しんでいるようだ。私も毛鉤を交換し、黒系の伝承毛鉤にしてみた。ネットで見て真似た昔魚野川の職漁師が使っていたという毛鉤だ。針に密にハックルを巻き、ボディーにする部分のファイバーを短く刈り込んだもの。ハックルに厚みがあり、ボディーは芯であるため軽く浮きやすい。右岸に流れが10mほどある深みもある細い淵がある。まずは下のカケアガリから攻める…続いて岸壁ギリギリの緩やかな流れに毛鉤を打ち自然に流す。毛鉤が半沈み状態から完全に水没するかの瞬間、ラインとハリスの間に付けているオレンジ色のフローティングラインが下に引っ張られた。合わせを入れるとグングンと4mのラインを持っていかれる。水中の魚影を見るとサイズはよさそうだ。ラインをたぐり、魚を手元にすると28cmくらいあるが、頭がでかく胴が極端に痩せ細っている幽霊岩魚だった。

水平歩道は幅も広くよく整備されていて歩きやすいが、地震の爪あとで所々岩が崩れ、巨木が根こそぎ倒れている。目印になる地点で小さな休憩を数度取るが、なかなか目的地の渋沢ダムが現れない。単調な歩きと変わらぬ風景で皆飽きてきた。あとどのくらい歩かせるのか?全員が地図を忘れてしまって位置がわからなかったのだ。真っ暗闇の尾根を貫通する狭いトンネルを抜けると、左側20mくらいに下に中津川が見え始めた。心配していた水量も増水には至ってない。歩き始めて4時間ようやく渋沢ダムが突如姿を現した。ダムの上から見る本流はエメラルドグリーンの釜を持つ綺麗な流れだった。ダムを渡り東電非難小屋前で大休憩とする。目的地の千沢のテン場まではあとわずか!

本流へはどうやって降りるの?

事前の調べで歩き始め30分は楽チン…その通りでした。しかし…やっぱりありました!地獄への入り口が。中津川に架かる吊り橋を渡たりいきなりの登りが…九十九折りになっているようだが、折り返しが見えない…重いザックが肩に食い込み、太腿にも負担がかかる…おまけに陽がジリジリと肌に染み込み、滝のように汗が流れ出る。まだか?まだか?と思っていると九十九折りの折り返しまでの距離が短くなってきた。川の流れる音も小さくなってきた。最後には一歩休憩、一歩休憩の繰り返し…先頭の渓潮氏から「到着ですよ〜!」の一言!高低差200mの登り、40分かけて終了!
急登が終わると小さな広場があり、休憩できる腰掛が「座ってゆっくり休みなさいヨ!」と言っていたのでありがたく朝食をいただいた。ここから渋沢ダムへは中津川をはるか下に見下ろしての水平歩道を進むだけ…なのだが…

6月24日〜25日

3時間半で駐車場に到着することが出来た。かなり飛ばしたので雨と汗でびしょびしょ!ザックにはレインカバーを付けたものの、中まで染み込んで更に重たさを増していた。雨も相変わらず止む気配がない。本流も濁流で大増水していた。早めの撤退は正解だった!
びしょびしょのままで直ぐ下にある雄川閣の温泉に向かう。晴れていれば河原から沸く温泉でゆっくり出来たのに・・・残念。時間も昼飯時で、ろくに食事もしていないので腹が空く。「蕎麦でも喰って行きましょうか?何処か旨いとこありますかね!」と正渓氏 

釣行先がなかなか決まらなかった…絞った先は山形の女川か秋山郷魚野川。そして次の問題は天候・・・梅雨のド真ん中で毎日天気予報が変化する。しかしながら出発日当日の昼に「女川は天気がもたない」との決定的な理由で魚野川へと決定した。武蔵野テンカラ会にとっては初の釣行先でありファーストアタックとなる。
八高線箱根ヶ崎駅で横浜から来る渓潮氏をピックアップ。圏央道、関越で新潟を目指す。3人ともきっちり仕事を済ませてからの釣行であり、重たい眼をこすりながらの運転だ。塩沢石打ICを降りてから苗場山の裏手を目指す。道中、震災の復旧工事が所々で見られた。道も細くなったころメンバーで唯一目的地を知る正渓氏が「あと30分くらいですよ!」と言うや、道路端のプレハブから誘導燈を持つおじさんが出てきて我々に近づいてくる。窓を開けると「どこまで行きますか?」「切明温泉まで!」「あぁ〜この先地震の土砂の撤去で5時まで通行止めです」「エェ〜!」今更後には引けず道路に車を停車し仮眠することに…
鳥のさえずりが聞こえ始めると辺りの山が見え始めた。夜間工事のライトアップも消えて、朝4時にアラーム音が鳴り響く。現地に到着後直ぐに出発出来るように、ここで装備を整える。おじさんが「釣りかね?昨日の人も釣りって言ってたな。その人は裏道知っていてそっちから行ったよ!」「エェ〜裏道あったの?」「山の中だけどな」カーナビを拡大すると中津川の対岸に上流へ向かう道がある…早く言ってよ〜!

この先通行止め

橋の向うは地獄の入口

幸渓 正渓 渓潮

翌朝、ポタポタとブルーシートにあたる雨音で目が覚めた。少々下流の湖はモヤで包まれている。今日は1日中雨になりそうな天気だ。朝食を食べながら撤収する。
8時、止む気配もない雨と判断しテン場を早々にスタート。また湖を渡って・・・と思っていたが!テン場裏に上に向かう虎ロープが数本ぶら下がっていることに昨日気付く。ロープを頼りに崖をよじ登ると林の中の道に続いていた。朽ち果てた小屋もある。(後で地図を見ると載っていた。)帰りは平坦水平歩道と地獄の急登を下るだけ。行きよりは時間短縮できるはず。しかし雨脚が強く風も強くなり全身はびしょ濡れ。黙々と進むだけだ。

千沢出合を過ぎるとゴルジュ帯に入る。水嵩が多いと高巻きをして進むところだが水線通しで行けた。ゴルジュの中でも竿を出すが、千沢を過ぎてから魚信が途絶えてきた。100mほどのゴルジュを抜けると左岸から桂ノ沢が落ち込んでいる。深い森から流れ落ちる滝は綺麗だ。この辺りから本流も急に細くなり深さも増してきた。やはり水量が多い時期の様だ。難儀しながら先を進むが水深があり両岸絶壁の淵にあたる。高巻きで越そうと思えば行けるだろうが、魚信も遠くなり体力も低下していたのでここまでとした。時間も早く釣り下りながらテン場に戻る。夕食は塩焼きとテンプラの予定なので岩魚を数匹キープ。山ウドの先端の柔らかい葉とアザミの新芽も収穫した。

テン場に戻り一休みする間もなく薪拾いに出掛ける。今日の夜は盛大に焚き火が出来そうだ!雨も気掛かりなのでブルーシートも追加で1枚張り、焚き火に雨がかからないようにした。焚き火に火が灯ると一安心!各自で用意してきたメインディッシュで夕食。その後は正渓さんがビールの本数を減らして持ってきてくれた油、フライパンであつあつのテンプラパーティーで宴会に突入した。

テンプラパーティー

サッさとマイテントを3つ張り、釣り支度が出来た者順に渓へ向かう。テン場の目の前には、ダム湖から遡上した岩魚が一旦ストップするような大きな淵がある。釣果は期待してない。誰もが久しぶりに竿を降るので感覚を戻すための素振りをしただけだ。3人が揃ったところで対岸に渡る。流れは浅い瀬が続いていた。渓潮、正渓、幸渓の順でポイントを空けながら釣り上がる。水温は雪解けの水がまだ入っているようでやや低め。水量は多くもなく、少なくもないか?初釣行先で判断が難しい。ところどころある岩陰に向けて毛バリを打ち込みながら進んで行く。毛鉤は皆釣り始めで、各自のパイロット毛鉤を使っている。渓潮氏は伝承毛鉤、正渓氏は金たま毛鉤、私はパラシュート。一番初めは金たまに喰いついてきた。対岸の小さな誰もが見落とすようなポイントから出て来たらしい。腹が金色で小さなオレンジの斑点模様が綺麗な9寸のいいサイズだった。