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沢と沢の合流地点から活発な魚信があり・・・

合流地点に着いたのは7時近い時間だ。この時計を見てもいかに峠をゆっくり登ったか判断が出来る・・・お陰さまでまだ身体には余裕がある様だ。この二つのの水量は沢に軍配があがる。途中、眼下のを見て水量が少な過ぎるのでは・・・と思ったのは間違い、S沢にも充分な流れがあった。出会いからは落差のある薄暗い感じの渓だが、ここは一人でじっくりと釣り上がった方が良い・・・私は竿を出さずに渓山さんの釣りを眺める事とした・・・それは釣り始めて間もない事だった、丸木橋を渡って二つ目の小淵で彼の竿がしなった。上がって来たのは22cmの綺麗なヤマメだ・・・写真を撮った後に静かに流れに戻す彼の仕草も何やら板に着いた様であった。には至る所にクモの巣が張っていて、釣り人の足跡もない・・・どうやら、近年にない記録的な暑さで釣り人の足も遠のいたらしい。小物ではあるが、ちょっとした淵には必ず魚信がある・・・釣り始めはヤマメだったが、その後は岩魚になって来た

 2010年 武蔵野テンカラ会 No12

原生林を過ぎた頃から爆釣・・・

原生林を少し過ぎたあたりから再び私も竿を出す事にした。いつもの様に2人交互に竿を出す・・・釣りに関しては粘りの渓山さん、そしてせっかちな私とテンポは違うが、そこは長年の釣友・・・お互いに相手方を気遣いながらの釣りである。このあたりは深場も少なく浅瀬続きで今まではたいした実績はなかった。だが今回は違った、普通ならば見落とす様な小さな溜まりに良型岩魚が入っているのだ。下流域ではまったく掛からなかった私の毛ばりにも元気の良い岩魚が飛びついて来た・・・久しく釣り人のハリの恐ろしさを味わっていない魚達は警戒心を忘れてしまった様だった。基本どおりに手を水で冷やしてからハリをはずしてやると、小躍りする様に流れに向かって泳ぐ・・・<になってからまた俺の毛ばりを喰ってくれよ>そんな言葉をかけて眺める・・・このでこれほどの釣果は数十年ぶりの事、猛暑で釣り人の足が遠のいた為だろうか、それとも今日という日が一年に一回しかない好機だったのだろうか・・・

あの猟犬達の吠え声に急きたてられる様に坂道を登ると、見慣れたパイプの階段が待っていた・・・目的の沢へ向かうのにはパイプで出来た階段と橋を数回渡らなければならない・・・特に、に架かった丸木橋を渡ってすぐ現れる45段は、寝不足の身体にはかなりきついものだ。しかしながら昔の山道を知る者にとっては感謝、感謝の階段でもある、。現在の様に整備される以前この山道は決して容易なものではなかった。岩をよじ登ったり、ツルツル滑る丸太を渡ったり、枝にしがみついたり、よほどの山歩きの経験があるか、案内人がいる場合を除けば思わず躊躇してしまう難所も数多くあった・・・そんな沢だったが、毎週土日には釣り人が押し寄せていた。当時は魚影も濃く、大型岩魚も釣れて、じつに魅力にあふれただったのだ。先行をするにはまだ暗いうちに懐中電灯の灯りを頼りに山道を歩く・・・それもかなりの急ぎ足で、休憩中も常に後方の釣り人気にしながらの落ち着かない状態だった・・・

9月3日

神流川最終釣行は やはりあの沢へ

渓山 渓忠

神流川 支流沢 釣行記

いつまでも残しておきたい岩魚達・・・

この渓を訪れる釣り人のほとんどがキャッチアンドリリースを心がけてくれるならば、いつ来てもこんな釣りが楽しめるのではないだろうか。入れ食い状態は魚止滝付近まで続いた・・・期待した魚止滝には魚は入っていなかったが、二人は大満足だった。来年、この状態を期待して訪れてもまったく釣れない事もありえる。しかし、貴重な源流岩魚はたしかに存在する・・・私達釣り人は源流岩魚の存続を見守り、出来るだけリリースを心がけたいものである。この沢は今日の様に、来年も再来年も釣り人を満足させるなのですから・・・
(後半は私もクモの巣をさけて5M竿を使ったチョウチン釣りでした)

かすかな薄明かりに浮かぶ山道は雑草も刈り取られ軽快に歩ける

最近話題の、原生林見学者の為だろう、この時期になると道には両側から雑草が追い被さり難渋したものだが、綺麗に刈り取られて軽快に歩ける・・・腕時計を見ると午前4時30分だ、私達は充分の休憩をいれながらゆっくりと歩く・・・・時々聞こえるのは鹿の鳴き声だろうか、群れから逸れてしまった小鹿の様に悲しげな声だ、<鹿くん、もう少し経てば夜があけるよ>・・・こんな呼びかけが出るのものんびり釣行が出来る余裕だろう・・・<陽が昇る前にあの峠を越えよう>、渓山さんの希望通りに6時前に峠下に到着する、空は既に明るくなり木々の間から青空も垣間見え、今日も暑くなりそうだ、私達は充分に身支度を整えて急登に備える、小石がゴロゴロした坂道は登りづらい・・・胸の動悸が耳にまで伝わって来る。獣とおぼしき足跡は続くが釣り人のものはない様だ、ひょっとしたら誰も入っていないのでは・・・そんな期待感だけがこの苦しさから逃れられる唯一の拠り所であった・・・

この夏の酷暑に守られた岩魚達・・・・

逆さ毛ばりに来ない、どうした事か・・・釣り始めた私に不調が続く・・・

渓山さんの釣果を見て私もついに我慢が出来なくなった。竿を出して早速釣り始めたが、どうした事か反応がにぶい・・・出るには出るが毛ばりの近くでUターンしてしまうのだ。順調に釣りあがる渓山さんを見て、益々あせってしまう・・・こんな気持ちになったのも久しぶり、頭上も見ずに振りあげた瞬間毛ばりが枝に引っ掛かりガツン・・・心の余裕などまったくない・・・おまけにには万遍なくクモの巣が張りめぐらされている。ポイントを狙ってもその巣に引っ掛かり、毛ばりが空中にユラユラ・・・この渓は天候が良くても頭上に広がる原生林に阻まれて、下流域は特に薄暗い所が多い。私は此処を諦めて上流域の明るく開ける所まで竿をたたんで歩く事にした・・・渓山さんは短い仕掛けで流れの隅々まで狙い、順調に釣り上げている。深場よりは浅瀬の溜まりに反応がある様だ、釣れるのは20cm前後だがオレンジ色の綺麗な源流岩魚である。静かに流れに戻すと勢いよく深場へと逃げていく・・・源流岩魚命拾いをした光景であった・・・