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 武蔵野テンカラ会 2009年 釣行記 No11



 奥利根 小穂口日帰り釣行

  雄大な原生林の渓を釣り辿る・・・・紅葉前の小穂口は静かだった

  9月7日

  渓忠 渓山


北沢、南沢とも魚止メは自然の要塞だった・・・・・・残念!

 この大淵を越えるには右岸ぎりぎりに狭い足場を上る事となるが、滑りやすく急登を強いられる、足腰の弱まった二人だ・・・・・慎重に行動する・・・・・・この滝を越えると待望の魚止メはすぐ先にある、その間を無駄だと知りながら竿を出したがやはりいない様だ・・・・・・・20mほどで北、南沢の合流になる、この場所から北沢魚止めは正面になり、南沢はもう少し先にあり見えない・・・・・北沢の魚止メは二段滝になっている、最初の滝は2mほどの高さからの落ち込みだが深く、堂々とした全容に、初めて訪れた釣り人はこれが魚止メだと思ってしまう・・・・・・              いかにも大物が潜んでいる様子に心躍らせながらの第一投目・・・・・私も渓山さんの傍らで息を呑んでみつめる・・・・・しかし期待に反して当たりなしだ、10分ほどねばってとうとう諦める事となった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、その上の滝へと見上げるが、右岸は岩が直角になっていて無理・・・・左岸を登った記憶があるのだが、ほとんど手掛かりも足場もないこの岩場をどうやって登ったのだろうか、10数年を経た現在ではただ、口をあけて眺めるのみ・・・・・・中学1年の次男と挑戦した時には滝の落ち込みまで泳ぎ、私の肩を足場にして次男が懸垂状態でよじ登った事もある、現在の釣り人はこれを越えるのに、いかなる手段を使っているのだろう・・・・・あの時には次男が45cmをあげているが、同行した渓山さんが馬鹿な親子だとあきれていた事が思い出された・・・・その後単独で来た時には左岸を何とかよじ登った経験があるが・・・・・・
 北沢の魚止メを諦めて南沢へと足を運んだ、しかし此処でも私達を拒む大淵があった、南沢は出会いから魚止メまで二つの大きな淵がある、その一つが目の前に・・・・・・・この淵は左岸寄りの水中に足場がある、足を伸ばして水中を探ると何とか届く位置だ、ただその先には大きく張り出した岩が待っていて、ここは両手、両足を精一杯伸ばして岩にへばりつく様に乗り越さねば上には上がれない・・・・・ここを何とかクリヤーしても次なる大淵も難所となる、右岸にそそり立つ岸壁があり、手前からは見えないが岩の裏側を探ると僅かな手掛かりがある、若い頃には此処も蜘蛛の様に突破したものだ、ただ、歳を重ねるうちに腕力も落ち、それも不可能になり50代からは止む無く泳いだ、距離は短いが冷たくて、夏だと言うのにガタガタ震えた記憶がよみがえる・・・・・・・・・・ 魚止メの滝はすぐ上になるが、まるで薄暗い洞窟に向かう様な雰囲気だった、そこまで辿り着けば大物に出会えるかも知れない・・・・・大きな期待が胸をよぎるが、今は目前の淵を見ながら尻込む有様・・・・・・・思えばボートを降りてから此処まで道程は半端ではなかった、現在の身体の状態は足もガクガク、腰にも力は入らない、これ以上は無理する必要はないだろう、渓山さんはと振り返ると同様な考えらしい・・・・・・・かくして残念ながら、ここは敵の本丸を目前にしての撤退となった、納竿してからのペースは早い・・・・・・・魚止メ直前からボートまで3時間半で到着、予定より30分前にダムサイトに着いてしまった。                                       

長倉沢からオクサビ沢までは平坦な流れ・・・・そして釣果は・・・・・・

  長倉沢からオクサビ沢までの間は平坦な流れが続くが、水量が少なく餌釣りの渓山さんは大苦戦・・・・大淵でもほとんど当たりが無い様子、小さな落ち込みに毛ばりを流す私には18cmから20cmのチビ岩魚が次々にヒット、どうやらこの水量では毛ばりの方が有利の様である、時々現れる淵には岩魚だろうかハヤだろうか、小魚の群れが勢いよく泳ぐのが見られる様になった、決して魚がいない訳ではないのだが、25cm以上のサイズが上がって来ない・・・・・・・・・・後から釣り上がって来る釣り人もない・・・・辛抱強く釣る事2時間、ようやくオクサビ沢に着いた、この沢はあの有名な桂歌丸師匠が通いつめていたと云われるが、本流に流れ込む水はあまりにも少ない・・・・・・釣り上がって見ようか・・と思ったが止めにした。

ブナ沢までは大淵あり、ゴルジュあり、変化のあるがつづく・・・・・・

 オクサビ沢を過ぎても暫くは平坦な渓相だが、魚の反応が急に遠退いた・・・・私の毛ばりにもほとんど当たりなし、淵でじっくり粘る渓山さんも首を傾げるばかりだ、だが、従来ならば高巻きを強いられるゴルジュ帯も、減水のお陰で腰までで通過、お陰で体力の温存が出来た様だ、 まだ魚止メまでは距離がある・・・・・・・・深場では左岸、右岸をヘツル事にもなったが、どうやら無事に通過が出来た。ブナ沢までもやはり2時間を要し、その間釣れた岩魚はなし・・・・・・・・・ブナ沢は左岸から勢いよく水が落ちている、数年前にこの沢を釣り上がった事があるが魚影はない、この沢の水質は良くないので魚が棲めないのだろうか・・・・・・やがて現れた小穂口一番の大淵も砂が流れ込み、かなり浅くなっている、左右の深場を探ってみたが渓山さんに25cmの岩魚が釣れたのみ・・・・此処は右岸の踏み跡を見つけて高巻く事となった。

長倉沢まで魚影なし・・・・長倉沢二段滝に期待を・・・・・

 今回は時間を稼ぐ為に長倉沢出会いまで釣らずに遡行する事にした、 昨年訪れた時には小魚が群れていた淵々だが、今日はまったく見かけない・・・・砂場には多くの釣り人の足跡が重なり合っていて日曜日には釣り人で賑わっていた事が想像出来た、ゆっくりと水中の魚影を確認して歩いた為か、いつもならば50分で到着する長倉沢までを60分かける事となった
長倉沢には出会いから100mほど歩くと小規模の二段滝がある、ここは魚止メではないが運がよければ大物との対面も可能だ、私達はまずその滝から釣りを始める事とした・・・・・・・渓山さんは餌釣りで挑戦、私はいつもの黒系逆さ毛ばりだが、足音に驚いたチビ岩魚が浅い流れを逃げ惑う中、二段滝に到達・・・・まずは私の毛ばりを落とす事となった、ヘルニアの腰を無理やり折り曲げて近づき、右岸よりの淀みに振り込んだ・・途端に中央の落ち込みの泡から数匹の岩魚が毛ばりに突進して来た、早合わせ・・・・そして見事に空振り・・・・傍らで眺めていた渓山さんの嫌な笑い声・・・・それではと渓山さん、左岸の深場にスーパーで購入したお高いイクラ4粒付きをそっと投入・・・・・・強い落ち込みの流れに押し戻されたイクラが手前の浅瀬にユラユラと来たとき、落ち込みの中から巨大な物体がそのイクラに突進して来た!でかい!40cmは越えている・・・・間違いなくイクラ付きのハリを咥える!!と思った途端、その巨大な奴はくるりと方向転換、一目散に落ち込みに逃げてしまった・・・・・・呆然とする渓山さん・・・・原因は明白である、イクラを咥える瞬間に釣り人の姿を察知した為だろう、渓山さん!駄目ですよ、突っ立ったままじゃ・・・・餌釣りではよくある釣り姿勢が災いした一瞬であった、戻って合流地点のテン場を調べたが、最近利用した跡もなくイタドリが私の背の高さほど茂っている、何本かなぎ倒して見ると、何とかテントが張れそうな様子・・・・・・しかしながら此処はすでに先客あり、70cmほどのマムシちゃんが、じっと私の手先を観察していた。

 久しぶりの楽しい釣りだったが、やはり小穂口の魚止メは遠かった

次回の武蔵野テンカラ会の釣行は小穂口に決まっていたが、久しく魚止メ付近まで行っていない為状況がわからない・・・・・そこで9月7日に現地偵察を兼ねて日帰り釣行を行った、同行者は気心の知れた渓山さん、ダムサイトを午前5時に出発して小穂口のバックウオーターに到着したのは5時35分、やはり二人だけだとボートも早い・・・・・しかし、ダムの水位が下がっていてボートを着けたのは赤倉沢を過ぎて間もなくの、本流との合流地点近くだった。
 今日は日帰り釣行・・・・背のザックも軽い・・・・小穂口の見張り番とも言えるトチの木の老木を目指して出発したが、元々が湖の中だった急斜面はなかなか思う様には歩行出来ない、右側に見える本流もボートで進める状態ではなさそうだ、の水量は極端に少なく、流木の間を申し訳なさそうに流れている・・・・・こんな流れの中でもジャンボ岩魚は遡上出来るのだろうか、少々心配である。

 結果報告

 小穂口には昨年も二回ほど訪れている、一度目は8月中旬だったがアブの大群に襲われ止む無く撤退、二度目は9月中旬でオクサビ沢の少し上流まで行ったが、遡上中の大岩魚を数匹確認できた、今回の釣行目的はテン場と渓の状況調べだったが、整備されていた当時のテン場はいずれも草木に埋もれていた、数年前の集中豪雨でゴルジュ帯や大淵が土砂に埋まり、高巻き箇所が少なくなった為、誰でも日帰り釣行が可能になったのがその理由だと考える、魚影についてはその日の状況により、反応の違いがあるので定かではないが、上流に行くほど当たりが遠退いた様だ、特にブナ沢を過ぎた辺りからは43cmを上げた淵以外には一匹の魚影も確認出来なかった、しかし、これはあくまで97日のみの報告、別の日では全く違った感想文が書けるかも知れない、来期にはもう少し早い時期に、もう一度チャレンジして見たいと思います。

餌釣りに切り替えた私に来たジャンボ岩魚・・・・・・

 釣る気力をなくした渓山さんに替わって私がリベンジする事にした、エサは彼の持参したイクラ・・・・・先ほどの化け物はもう釣れる見込みはないが、まだまだジャンボは入っている筈、中心の流れ込みにエサを落とすとあっと云う間にラインが消えた、とその時、強烈な引きが伝わって来た!すかさず竿を煽るとガツンと衝撃が走る、明らかに大物の引きであった、渓山さんの二の舞をしてはならない・・・・・私は右脇でしっかり竿尻を確保、竿を立てた状態で後ろに下がる事にした、上がって来たのは43cmの岩魚・・・・綺麗な雌であった、次にエサを投入した途端またまた強烈な引き、今度も42cmの雌岩魚・・・・・たまらず渓山さんが再び挑戦、しかしながら反応はなし・・・・・もうジャンボはいない様だ。

小ブナ沢を過ぎてやっと来たジャンボ岩魚・・・・・・

 ゴルジュを何度か通り過ぎると両岸が岩で狭まった所に到達した、此処を過ぎると魚止メもかなり近いものとなる、以前来た時には左岸の岩場にロープが下がっていて、それにぶら下がりながらどうにか通過した記憶がある・・・・・そのロープも見当たらない・・・・・色々と仕舞い込んでいるベストを濡らさない様に、両手で上げながら胸までで通過したが水量が多い時にはどうやって上流へと行けるのだろうか、現在の私の体力ではこの地点で引き返す以外ないだろう・・・・・・・・・・・・この難所を抜けると暫くは平坦な流れとなる、しかしながら魚信は遠退くばかりだ、渓がすこし左に曲がった先に最後の大淵がある、この淵は砂の流れ込みも無く青々としている、まず、渓山さんが挑戦する事とする・・・・この大淵は流れ込みが中央で、左右が深い淀みとなる、その右側の淀みに餌を落とした瞬間に、今回の釣行一番の劇場が待っていた・・・・・・・いきなり引き込まれたラインの先には紛れもない大物岩魚!渓山さん竿を立てながら必死に耐える、なかなか姿を現さなかったジャンボ岩魚も、5分ほどの格闘でようやく水面近くまで上がって来た、でかい!50cmは確実にある!おそらく彼の長い釣り歴の中でも最高の大物だろう、焦るな、焦るな!時間をかけて上げましょう・・・・そんな私の励ましの言葉にうなずく渓山さんだが、竿も1号ラインも限界の様だ、再び深場に潜った奴はそのまま・・・・・そして急に軽くなった竿先・・・・・渓山さんはヘナヘナと座り込んでしまった、