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 武蔵野テンカラ会 2009年 釣行記 No10



 奥利根の魔力 ~奈良沢~


  渓忠 幸渓 敏渓 正渓

  7月18日~19日                        文責 正渓

『奥利根の魔力』

「来ちゃった(微笑)」…そんな言葉をハニカミながら発するのが似合うのは年頃の娘ぐらいだが、今の僕はそんな気分だ。
ムサテンの門を叩いてから二年目の今期もトップシーズンに入ろうとしている。初めてこのダムサイトに立った時は、猛烈な雷雨で撤退を余儀なくされた。悶々と自宅に帰った後、ガキの様に駄々をこねてその翌週にボートを出して頂いた。今思い出しても赤面モノである。

 今回はひと雨が吉とも凶ともなる微妙な季節の再チャレンジである。昨年はジャンボには出会えなかった。しかし、再訪にここまで胸が高鳴るのは渓魚だけが魅力ではない奥利根の虜となったからだ。また、あの懐深い大自然に包まれたい、恐らく仲間達もそう感じているに違いない。

『帰り道は、心も体も千鳥足』

程なくして、渓忠さん敏渓さんと合流。敏渓さんの足元がチト怪しい。大丈夫か?まあ、後は帰るだけ。ザックもだいぶ軽くなったはずだし。
テン場に戻り、撤収開始。1300テン場出発~1450ダムサイトに戻ることが出来た。途中、みんなそれなりに足元がフラフラだったが、カッコ悪いから割愛しよう。
しかーし、驚いたのはダムサイトに広がる光景だ。色とりどりの、テント・テント・テント。「なんじゃこりゃー」て感じだ。思わずパチリ。
今回も、とても楽しく充実した釣行だった。雨で凍えたし、絶壁にビビッたし、ぬかるみにはまったし、ヤブ漕ぎで首はかぶれたし、、、いろいろ有ったけど、無事に戻ることが出来て感謝々々である。
心は既に、次回の釣行に思いを馳せている。また来たいな、奥利根に!

『狙いすまして、ピンポイント!』

合流点まで戻った。ちょっと一休み。まだ時間はたっぷりある。佇む幸渓さんの背中に哀愁が、、、、。あの滝の上に行きたかったのかな~?悪かったなー。でも無理。
さて、気を取り直して本流を釣り遡る。幸先の良い、スルドイ当たりが来た。お、重い!これは??ハヤでした~残念。テンポ良く釣りあがり、あっと言う間にテン場を越えた。二人の姿は見えない。追いつくまで釣りあがろう。しばらくすると幸渓さんが、あるポイントに目を向けている・・・低く身構えた・・・照準を合わせた・・・ロックオン! 静かに背後から見守る。幸渓さんがロックオンしたときは、一投で勝負が決まる。狙いを定めて、ピシーッ!!まさにピンポイント! 水面直下で岩魚が反転する!竿がしなる! やったー、お見事―――ッ! 元気の良い泣き尺岩魚でした・

『体重の限界』

翌日も同じ組み合わせで二手に分かれた。
我々は『三ッ石沢』に決定したが、幸渓さんも初挑戦との事だった。
本流を下り、合流点から遡行を始めた時点から雲行きが怪しかった。ナメが連続する渓相に滝、滝、滝。何度と無く高巻きを強いられた。
木が生えてさえいれば持ち前の腕力脚力で、どんな絶壁でもドンと来い!なんですが~、今回は草しか生えてない様なぬかるんだ斜面を何度も上り下り。その割りには魚が反応してこない。
そこに現れたのは、また滝。高さはそんなに無いのだけれど、周りは高巻きが出来ない岩盤絶壁。泳ぐのか?それとも、へつるのか?幸渓さんは、ヒョイとよじ登りへつり始めた。え~、マジ??
足元は、つま先が掛かる程度、手元は草を掴んでいる、、、、へつる~へつる~ドンドンへつる~。
オイオイ、それは僕への挑戦か?嫌がらせか(笑)?苦笑いしながら見守ると、幸渓さんSTOP
しがみついたまま振り返り「来るのか?来ないのか?」僕の意思確認をしている。うーん、悩むな~。僕、現時点でついて行ってないじゃん?分かってよ。 しかし、一寸だけトライしてみるか。仕方なく崖によじ登る、、、、固まる、、、、掴んだ草が抜けてくる、、、、29cmの靴がずり落ちる、、、生まれたばかりの長男の顔が目に浮かぶ~(>_<)   ハイ、撤退!

『もう、軽量化禁止~!』

焚き火が中々点かない(泣) 薪がことごとく湿っている。でも、冷え切った体を暖めるには「焚き火」が欠かせない。苦労して苦労して、火を起こした。そんな神聖な「炎」に延々とケツを向けている方がいらっしゃる。いや、これが本来の目的か(笑)
本日の反省会も大盛り上がり。其々持参してきた簡素な食事を楽しみながら、飲んで語っていい気分だ。軽量化を図るために、創意工夫した食事だ。アルコールは減らさないけどね。その際に渓忠さんが取り出して調理を始めたものが、幸渓料理長もビックリの「高そうなシャブ」もとい、正しくは「豚しゃぶ」であーる。
勧められるままにご相伴に預かるのだが、これが美味いの何のって、クセになりそう。渓忠さんの食料であるlことも忘れ、我々はガッついた。
この美味さに耐えかねた幸渓さんの雄叫びが忘れられない「もう、軽量化禁止~!」。僕は笑いが止まらなかった。

『いざ出陣!』

500自然と目が覚める。膀胱がパンパンだし、頭が重い。シマッタ、二日酔いだ。でも、重い体が勝手に動き着々と準備は進んでいる。皆も淡々と動いている。生憎、雨が降って来た。想定どおりといえば想定どおりだ。
全ての車をダムサイトに移動。ボートを下ろして、、、いざ出陣!
4人乗船、ヘビー級の僕のせいでノロノロ運転だ。慎重に慎重に、30分かけてようやく奈良沢入り口に到着した。600ボートを結び、遡行を開始する。川口探検隊のように泥沼のプチアマゾンを抜け、延々と歩く~歩く、踏み跡が明瞭とは言えない道なき道が続く。渓忠さんが居なければ、おそらく遭難するかもしれない。730歩く事約1時間半、漸くジャングルから抜け出し川通しの遡行となる。こうなれば、テン場まであと僅かだ。750テン場着。あー、疲れた疲れた。でも休むまもなく、ブルーシートを張りテント設営、ビールを裏の水場まで冷やしに行く。無理を承知で濡れている薪を集める。皆黙々と働いた。そして、朝食もサッと済ませた。

『夕マズメって、たーのーしーいー♪』

テン場で、つかの間の休憩&仮眠をとって英気を養った。だんだんと雨が小降りになり、宿泊釣行のメインイベントである「夕マズメ」の時間が近づいてくる。正渓は早く出撃したいが、「夕マズメっつーのは日没ギリギリのことだ」と諭される。ウズウズ。。。
満を持して「夕マズメ」に出撃~♪ 幸渓さんと正渓は、少し下って「三ッ石沢」合流付近から釣り遡ることとした。いやーやっぱり奥利根の底力はスゴイ。あらゆるポイントから岩魚が飛び出してくる。小雨交じりだったので、正渓は今日の為に巻いた沈まない毛鉤「フォームパラシュート君」を取り出した。胴にはピーコックをたっぷり巻き、かぶせる様にウレタンフォームで背の部分を作る、そして黒のハックルでパラシュートを作るのだ。折角の「夕マズメ」だもん、ドライでバシャって楽しみたいじゃん。
狙い通り、沈まないドライフライで「バシャバシャ」と遊ばせて頂きました。たっのすぃ~♪♪
テン場に戻ると、上流に遡った二人も「入れ食い!入れ食い!」と大変満足されたようでした。

『本日一番のイワナ』

本流を、抜きつ抜かれつ遡行してゆく。魚信が増え、少しずつサイズも良くなってきた。
渓忠さん敏渓さんは少し先を行き、幸渓さんと二人で後からついてゆく形が続く。良いポイントが次々と続く中、超一級ポイントが目の前に現れた。 え?僕やっていいの? 幸渓さんがGO!サインを出してくれた。 なんて優しい先輩でしょう(T_T)ウウッ。
茶色く濁った濁流に、モジャモジャ君(MSCと言う感じのヤツ)を投入!底波に届いたかな、、という時に「ググッ」と元気な魚信が竿を絞り込んだ。これは、デカイっ!!!バラしてなるものか、とイワナと共に下流に下り岩の上から岩の上へ飛び移る。我ながら身軽なデブだ。慎重に取り込んだのは泣き尺程度の頭のデカイ岩魚だった。それから、幸渓さんも良いサイズを何尾か抜き上げ、雨が酷いのでいったんテン場に戻った。

『どの沢に入ろうか?』

釣り支度を整えて、よしよしついにその時が来たか!釣りに行こうか!釣れるんだろうな!釣るぞコノヤロー!と胸躍らせていたところに、、、ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・と・・・なにやら音がして、ヌッと黒い物影が~~・・・。まさか・・・・・
皆凍りつく・・・・・・・・・・・。シーン・・・。そこに現れたのは、、、姿格好からエサ釣り師の方なのでした。ホッとしたのではあるが、なんと言葉を掛けたらよいやら暫く沈黙。するとようやく渓忠さんが話しかけた。なんと、またも奥利根仲間といいますか、お知り合いなのでした。皆、我に返ったように挨拶を交わす。しばし談笑の後、仕切り直しでそれぞれ川へと降り立った。
先行者がいる前提なので、4人全員で「下ゴトウジ沢」をテン場近くからユックリと釣りあがった。
所々にイワナの反応があるが、満足いく型は中々出てこない。しかし、この緑と青空(いや、雨降ってたな)と渓相の中、思い切り竿を振れる事に感動している。目ぼしいポイントでアタリがないため、小さな見逃しそうなポイントでポツポツ釣り上げながら、先へ進む。
すると、渓忠さんがニコニコ手招きしている。もしや~こ、このパターンは「いいポイント教えてやるぜ」のパターンか!?ワクワクしながらシッポをブルンブルン振って(見えたろうなー?)ついていくと、ゴソゴソと小沢に入っていく。沢の入り口からは想像もできないような淵が、そこには待っていた。(こりゃ釣らないとカッコつかないぜ。ドキドキ♪) 慎重に竿を挿入、、、もとい仕掛けを投入、、、すると一発で「キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!」 良いサイズのイワナをゲット。ありがとやんした~m(__)m

『本日のオーダーは?』

焼肉です!、、、いや、参加オーダーの方ね。今回は渓忠さん、幸渓さん、敏渓さん、正渓の4名となった。幸渓さんと正渓は仕事を済ませ(切り上げ?)猛ダッシュ、先行組のお二人とダムサイトにて合流した。
そこには、奥利根を愛する常連達が多数訪れていた。ボートで遊ぶ者、山菜を採る者、釣りをする者、ただ雰囲気を楽しむ者様々だろうが、今はそれぞれが宴の準備に忙しいようだ。
渓忠さん、幸渓さんが顔見知りとの再開をしばし楽しんだ後、我々も、負けじと準備に取り掛かった。今宵は幸渓料理長主催の焼肉パーティーだ。例によって料理長が段取りよく準備を進める。カセットコンロに焼肉プレートがセットされ、ビールが氷水に投入される。道すがら湧き水を汲んできたのだ。あっという間に準備が整い宴がスタートした。ビールと焼肉が見る間に其々の胃袋に消えていった。
途中、ムサテンの奥利根旧友と相棒の勘助君(クマみたいにでかいシェパード)が乱入。宴は大いに盛り上がった。彼はフライマン、僕はテンカラだが「金玉は邪道ではない!」の共通意見で盛り上がった。テンカラ歴1年で金玉の快感に目覚めてしまった僕だが、何も特段タマ弄りが好きなわけではない、アレは弄って貰ってナンボでしょ(笑)。ただ早期に釣れない毛鉤で粘るよりは、釣れる毛鉤に交換したほうが釣りは楽しくなる。ドライにはドライの楽しさがあるし、伝承毛鉤を半沈めにするのもテクニカルで楽しい。今回は、雨を想定して雨対策、濡れても沈まないドライフライを巻いてきた。明日どうなるか、楽しみだ。