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 武蔵野テンカラ会 2009年 釣行記 No5


 中ノ沢・オボロカヤ沢の魚達と戯れて

 早春の渓魚はまだ冬眠から覚めたばかり、

        良淵が連なる豊かな、そして静かな渓谷・・中ノ沢・・・・

       2009・4・24

         渓山、渓忠                   文責 渓忠

ここからは深山の風情となり良淵が続くが、残念ながら魚の反応は鈍い・・・・・・魚のいる淵と、全くいない淵とが明確に分かれており、魚影の有る淵では数匹を確認出来る、それもほとんどが水底で、私の流す毛ばりには見向きもしない、まだ水温も低く喰い気も無い様だ、毛ばりを沈めて鼻先に流しても反応がない・・・・・・・この辺りは大岩が連なり、遡行には多少手間取るが大きく高巻く様な箇所もなく、落石の心配もない・・・・周囲の木々もうっすらと若葉に包まれ、じつに静かなる渓谷だ・・・・・・魚が釣れなくても、大自然の中で釣友とのんびり過ごせるだけで幸せを感じる。1時間ほど釣り上がると落差3mほどの滝つぼに辿り着く・・・・・ここで渓山さんが二匹目の岩魚を釣り上げた、これは丸々と太った綺麗な24cmだった、この滝は左岸のガレ場を簡単に登れる・・・・・この上も同じ様な渓相が続くが、最初の浅い淵から私の毛ばりに26cmの岩魚が掛ってくれた、傷つかない様にそっと流れに戻したら急に逃げ出す様子もなく、しばらくそのままでじっとしていて、やがてユラユラと水中に消えて行った、滝上からは魚の反応も良くなって来た・・・・しかし毛ばりを咥えてくれない・・・・・私の黒逆さ毛ばりにも尺近い岩魚が顔を近づけて来たが、何が気に入らないのだろうかプイっと横を向いてしまった、同じ様にお魚さんにそっぽを向かれていた渓山さん、突然ザックをあけて取り出したのは餌釣りセット、ちゃんとブドウ虫まで用意していた・・・・・・・渓山さん!ずるいよ!今日は毛ばりだけの筈だよ!・・・・・いやいや魚がいるのか確認するだけだよ!それじゃ、ハリを飲み込まれたらハリスを切ってくださいね!そんなやり取りの後、彼の釣りを見学する事にしたが、先ほど私が毛ばりを流した淵から簡単に岩魚を釣りあげてしまった・・・・・・・・・・・・・・それでは、と私は彼に遠慮なく先行をする事にする、やはり魚は出るが毛ばりを咥えてくれない、やがて目的の合流地点に到達してしまった・・・・・・時計を見ると10時を指している、それまでの私の釣果はヤマメ一匹と岩魚が四匹の貧果・・・・それでも毛ばりを咥えてくれない岩魚達との知恵比べは楽しいものだった・・・・・・

橋の近くには観測用の白い建物があり小さな階段が続く、そこから我々は渓に入った、落差のある小渓が次々と現れるが、何故か魚影がない・・・・・・餌釣りに替えた渓山さんの竿にも何の反応も無い様だ、あの元気な岩魚達は一体何所に消えたのだろうか・・・・・・足許を見渡しても落ちているのはかなり古い空き缶やブドウ虫のケースのみ、解禁後に釣り人が歩いた形跡がない・・・・・30分ほど釣り上がっても変化がない様でしたら諦めましょう・・・・と話し合い、再度竿を出し始めるが、此処は絶対いる・・・と予想した淵でも魚の気配がまったくない、前方に3mほどの滝が現れた所で渓山さんを見ると、諦め顔で竿をたたみ始めている、あの滝壷で出なかったらお終りにしましょう・・・・私の言葉に思い直した彼が竿を伸ばして滝の浅い落ち込みにブドウ虫を静かに落とす・・・・・・・・予想通り此処もお魚さんは留守の様・・・・・帰りは沢沿いを歩き10分ほどで林道に到着、期待はずれのオボロカヤ沢探索だったがすがすがしい渓の空気を充分に味わい、薄緑の山膚を見ながらの釣りは快適そのもの、一日を楽しく遊ばせてもらった渓魚達に感謝して下山・・・・・・・・・・・それにしてもなかなか手強いおさん達でした。    

尚、谷で見つけた空き缶等はビニール袋に入れてザックに括り付けて持ち帰りました、帰宅後3日間、私の車の中に滞在していましたが・・・・・・・・・・・・・

 滝上には中型岩魚が・・・しかしそれも林道まで・・・・・

昨年の釣行時に出現して驚いた階段も、ひっそりと私達を待っていてくれた、人が歩いた様子もがなく、敷き詰めた石の間には落ち葉が詰った状態だが、我々にはこの階段はまさに救いの神・・・・斜面のよじ登りが解消されたからである、しかしながら急斜面に造られた長い階段はかなりキツイ・・・・・・これではご年配の観光客には無理ではないだろうか・・・・・・・・・・ふとそんな事を考えてしまった。あえぎあえぎの階段上りも左手にオボロカヤが見える所で終る、笹の生えた急斜面を滑る様に降りると静かな流れに立てる・・・・・・・・・山間をひっそりと流れるこの沢はオレンジ色をした中型岩魚が釣れて退屈させない、水温の上昇とともに魚の食い気も盛んになったのだろう、逆さ毛ばりが着水の瞬間に飛びついてくる、ゆっくりと釣り上がること30分、堰堤を越すと目の前に林道に掛る橋が現れる、その橋の手前で釣り上げた岩魚は尾ビレが刃物で切られた形跡があった、調査の為だと思われるが、その様な岩魚はその一匹だけだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

一年ぶりのオボロカヤ沢の探索・・・・・

10分ほど休憩していると渓山さんがニコニコ顔でやってきた、多分相当の成果があったものと思われる、・・・・・・とても足取りが軽い・・・・・・彼が小休止をしている間に、合流地点のすぐ上流の溜りに毛ばりを落として見た、これは減水の為に本流とは完全に遮断された直径2mほどの浅い溜りである、魚はいないだろう・・・と思いながらの一投目、毛ばりが沈むと同時に数匹の魚が飛び出して来た、釣り上げたのは真っ黒な22cm岩魚、大きな目玉を真っ直ぐに私に向けている・・・・・さあ・・・広い世界で思い切り泳ぎなさい・・・と本流に放してやると、あっと云う間に流れに消えて行った、オボロカヤ沢は小沢だが300m先にある大滝は見ものである、まずはそこまでの釣り上がり・・・・しかしチビヤマメが一匹渓山さんに来ただけで魚影が見られない。大滝はやはり素晴らしい・・・・この沢はたいした水量ではないのだが、大淵を従えたこの滝はそれをまったく感じさせない凄さがある、いかにも大物の気配を感じさせる大淵は、水しぶきを浴びながら渓山さんが探るも魚の反応はなかった・・・・・・・・

中ノ沢初物は25cmのヤマメ・・・・・

この合流地点からすぐ上流に良淵が二つある・・・・・この淵で釣れると今日の釣果に期待が出来る、渓山さんが下の淵を、私が上の淵を其々慎重に毛ばりを流すが残念ながら反応がない・・・・・・・ここからしばらく浅瀬が続き、二人交互に釣り上がるも依然としてお魚さんの姿なし・・・・・首を傾げながら更に進むと初めの大淵に到達、昨年来た時にもヤマメを釣り上げた淵だが、渓山さんに譲って貰って私が挑戦する事となった、持病の腰痛を気にしながら腰を低くして近づき、まず1投目は流れを堰き止めている倒木の下・・・・・・バシャ・・・逆さ毛ばりが着水・・・と同時に、元気よく飛び出して来たのは25cmの幅広ヤマメそれを見て渓山さんも流れ込みに毛ばりを投入、彼の毛ばりはオモリ付き・・・・あっと云う間に水中に沈んで行く・・・何度か竿を煽ると竿先が急に曲がった、上がって来たのはヤマメではなく、まだ黒々とした岩魚だった・・・・・・・・・・この淵は昨年の報告書にも書いた様に、右岸をよじ登って上流に出る。まだ此処を訪れた釣り人は少ない様で、人跡が獣か判別しにくい踏み跡が続いていた。

まだ上野ダムが着工前、休日など時間が遅いと何所の渓へ入っても先行者がいた・・・・・・・顔見知りの日釣り券売りのおじさんに、何所か穴場はありませんか?とたずねたらオボロカヤ沢へ行ってみな、あそこも放流しているから・・・・と教えられた、早速、落石だらけの中ノ沢林道をオンボロ車で走り、教えられた場所に行くと、落差のある細い小沢が目に入った・・・・・釣り上がって見ると確かに20cm前後の岩魚が次々と掛った、久々の大漁で左岸にある山道を駆ける様に下った事を鮮明に記憶している、もう30年前の話であるが・・・・・・

今回は渓山さんとそのオボロカヤ沢探索を目的に中ノ沢を釣り上がり、合流地点から入る予定である、昨年同じコースを渓英さんと釣ったが・・・・あの時は大変な増水でポイントを見つけるのに苦労をした、しかし今回はまったく逆で、かなりの減水・・・・遡行には大変楽な状況だった。林道をおりて中ノ沢へ到達したのは午前6時、この時間では周囲もすっかり明るく新緑の山々がはっきり見える、耳を澄ませば早起きの鳥達の囀りも聞こえて、心配した風もほとんど無く、絶好の釣り日和の様だ、ただ、水量が極端にすくない・・・・・・・昨年流れていた位置とはかなりの段差が出来ていた、我々は時間稼ぎの為に猿巻沢合流地点まで歩く事にしたが、途中で小さなヤマメの走るのを確認、まずは魚影を見て一安心・・・・・・倒木を跨ぎながら早足で上流へと向かった、5分ほど歩くと合流地点に到着、左岸からは猿巻沢が静かな瀬音をたてて流れ込んでいる、この沢の水量は平年と変わらない様だ。