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 武蔵野テンカラ会 2009年 釣行記 No8



 黒四ダム下流 釣行記


  幸渓 敏渓 正渓

  5月16日                        文責  幸渓

安曇野観光

ダム直下のテン場下流に13時過ぎに到着。黒部の水をコンロで沸かしてカップラーメンで昼食、1時間ほどのおいしい空気を味わった。下山後は安曇野を堪能しよう!という計画で少々早めの納竿をした。2時過ぎ、ダムの上までの急斜面に取り付いた。帰りは1時間ほどかけ15時過ぎのバスに乗車か、と思ったが・・・・30分でバス駅に到着!なんと14時台のバスに乗り込むことができた。
扇沢を後に、まずは定番の「すずむしの湯」で汗を流す。温泉で腹を空かせて「ソバでも食ってきますか?」と穂高のソバ屋「くるまや」へ、3人であったので名物「気狂いざる」は食べられなかったが、3人前の大盛ざるソバと山菜漬け、そしてノンアルコールビールで乾杯!まだまだ陽が高い!それでは大王ワサビ農園でお土産でも・・・私と敏渓さんは、わさびの茎を醤油付用として購入、正渓さんは太いワサビを購入。十分観光も楽しんだ・・・。いつもは重たい荷物を担いでの釣行でこれだけの元気は残っていないが・・・軽装で行けばこれだけのことが出来るのか・・・・と我ながら関心してしまった。

ガツ〜ン!と一発で25cmクラス

入渓から時間が経ち、若干水温も高くなったのか、中層を狙う敏渓さんと私も黒部イワナを掛けることができた。ダム下の下流部は大石ゴロゴロで深い淵で形成されたポイントが多いが、上流に行くに従い川幅も広くなり、瀬が多くなってくる。とは言え深さはあり、川底はゴロついた大きな石で埋めら格好の魚の隠れ家を作っている、ダム近くになり平瀬のプールをみると大小のイワナが泳いでいる姿が見られる。プールの入り口に浅い瀬が続く。対岸が深くなっている。倒木の陰の一級ポイントに鉤を落とすと・・・・ガツ〜ン!と一発で25cmクラスが出てくれた。瀬に入っている魚は上を向いてくれているようだ。どちらかと言えば、下流部よりダム直下の上流部の方が、魚影が濃いようにみえた。

登場!ダブル金玉毛鉤

正渓氏が、一人で釣り上げたていた理由は・・・ダブル金玉!金玉は二つが当たり前!・・・であるが・・・毛鉤にダブルで金玉をつけるとは・・・ 深い淵に魚が固まっているであろう・・・とうい想定で、急遽作成した様子である。確かにイワナたちは底を這いずりまわっているだけで、ライズは皆無、底に沈んだエサを捕食して活性が高まっている様子である。正渓氏が作成した毛鉤?はフライ用の大きな金ビーズ(ビーズヘッド)を2つ連結させたものを、どぼ〜ン!と一気に底に沈ませて誘いをかける!という釣り方である。確かに毛鉤の胴には獣毛が使用されて、毛鉤の毛の部分は使用されていて、毛が付いた鉤りでの釣りという部分ではクリアされているのだが・・・釣り方はどちらかといえば、エサ釣りに近いか、ルアー釣りに近い。私も倉上名人が何年も掛けて完成させた!という、金玉毛鉤を使用したのだが・・・(後日、釣り雑誌で「倉上毛鉤は、ルアー釣りの禁じ手!」と記載されていた。「テンカラ釣りの禁じ手」でなく、「ルアー釣りの・・・・」ということに、非常にショックを感じ、私にテンカラ釣りの意味合いを再度考え直す機会を得ました。まぁ〜難い事はここまで!)どんな形態でも魚が釣れれば楽しい!正渓氏は深い淵の底から次々と魚を抜き上げていた。

正渓さん!金玉一人遊び・・・

いよいよ待ちに待ったテンカラが出来る。先ほどからポンイト毎に魚の影が見られ、それも良型であり、皆ウズウズ・・・やっと竿を出すことが出来た。頭上も開けており、思い切りラインを飛ばすことが出来る。しかしながら・・・水温はどの位か?手を水に浸すと・・・氷水か?手がピリピリ・・・冷たさで手が赤くなるほどだ!川底のイワナ達は活性が高いように思われるのだが・・・皆、距離を置いて好きなポイントに立つ。
どのポイントも素晴らしい渓相だ。景観と同じく、男性的な渓で大きな岩がゴロゴロ、適当な魚の住処を成している。残念ながら、ダムの放水の影響であろうか、水の底は砂地になっているシーンが多い。
竿を出して、すぐに敏渓氏が雄叫びを上げたが、空振り!期待が持てそうであるが・・。メンバーが最初に試した毛鉤は・・・そうです!水温が低い時には「金玉毛鉤!」皆、こんな条件下を想定して様々な「金玉」を用意してきた様子である。私も、GWの鹿留で渓忠さんに見せてもらった、倉上名人の「金玉毛鉤」を量産してきた。しかしながら・・・黒部のイワナは名人毛鉤にも反応しない・・・。イワナたちは深い淵の水底を悠々と泳いでおり、中層を流れる「金玉毛鉤」には見向きもしないのである。そんな中で何故か?正渓氏が気持ちよさそ〜に、金玉で一人遊びしているのだが・・・!?!?!?

渓を覆う大雪渓は・・・

小休止をしていよいよ川に出る。対岸に渡る橋から上流を見ると、いつもながら圧倒される大きなコンクリートの壁が憚る。黒四ダムである。あのダムに貯水された水量からかかる水圧はどのくらいなものなのか・・・そして岸壁の中にある発電所・・・とんでもない日本の土木技術をまざまざと目の当たりにすることが出来る。壁の上には米粒ほどに見える人がウロウロとしている姿も見える。取り敢えず、残雪も少ないので内蔵ノ助谷(クラノスケダニ)を目指し、日電歩道を下流に進むことにする。
山菜の収穫のために歩道近辺を見ながら歩くが、コゴミ山うど・・・いつも生えている場所からもまだ見られない。山はまだ目を覚ましたばかりなのか・・・ところどころで目的としていた、こごみ、山うどを収穫できたが、三人で分けるほどには至らない。日電歩道も下流に行くに従い崩壊している箇所が多くなり、まだ残る雪の上を進む場面も多くなる。1時間ほど歩くと渓を埋め尽くす雪渓に行き当たる。いつもは圧倒される量の雪渓であるが、やはり雪解けが早いようで、渓を覆う雪渓少なく、薄くなっているようだ。雪渓を途中まで上り、内蔵ノ助谷方面の下流部を覗くがやはり薄い雪渓で覆われていた。また、ひびが入って危険を冒してまで行く気にはならない。ここから上流に釣り上がることにした。

ゆらゆらと川底を動く小さなイワナたち・・・「期待は大!」也

地下駅の黒部ダム駅より外へ向かうトンネルを潜り抜けると、ダム下流に広がる絶景が我々を迎えてくれる。いつ見ても男性的な景観である。やはり残雪は少なく、安全に渓の下まで徒歩で下降できる確信が持てた。いつもは泊りであり、相当な重さの荷物を担ぎ下って行くので、渓まで下るのに然程距離がないにも拘わらず時間がかかってしまうが、今回は、ザックの中身は昼食と雨具だけ・・・足も軽い!山菜にも期待を持ったのだが、雪がないということだけで、山はやっと春の訪れ・・・という様子である。雪解けが早かった証に、道端には枯れた蕗が多い。木々は今やっと芽を出した状態で新緑の眩さはあまりない。
いつものテン場に続く、唯一の難所でもある急坂も、あっけなく通過。噂でこの難所通過を恐れていた敏渓さんも、「ここのことですか?」と何か難所なのか?判らない顔をしていた。テン場に到着。いつもだと1時間かかるが、30分で到着することが出来た。テン場にはまだ今シーズン誰も訪れた気配がなく、枯れ枝がいっぱい落ちていた。テン場より下を流れる川を見渡すと、実に透明な川底で、ゆらゆらと動く小さなイワナ達を見ることが出来る。「期待は大!也」誰もが思ったに違いない。

口達者な駅務員

普段着のままの観光客が圧倒的に多い。バス従業員、お土産やの従業員も、なんとなく、いつもよりはあわただしく感じられる。朝一番のバスは7時30分、7時よりキップが売り始められるが、まだ窓口にカーテンが張られているにも拘わらず、売り場の前にも数人の人が待っている。先に改札入り口に荷物を置きに行くと、すでにお土産やも開店しており、観光客もうろうろしている・・・。キップの売出しが始まると、改札の列もみるみるうちに観光客の行列となった。普段着でないのは、我々3人の釣り人と山スキーのおじさんグループだけ。黒部であるのに・・・何故か浮いているような感じ・・・・。駅従業員とお土産やのタイアップか?駅従業員が観光客向けにお土産のPR!「このバスのチョロキューはアルペンルートのここでしか買えませんよ〜!買わないで後で後悔するのは貴方ですよ〜?」とかなんとか、よくテレビで名物○○員とかを紹介しているが、あの類である。とにかく面白く口達者な駅務員、職業を間違てる?駅務員であった。
7時30分、予定通り黒四ダムへとバスは出発。1回の運転で数台のバスが列を成して出発する。いつもだと1,2両だけ人が乗りあとのバスは空々・・・であるが、今回は全てのバスに人が乗り込んだ!あの駅務員の慣れた口調から察すると、このような状況が続いているのだろう。しかしながら、走るバスの観光ガイドのテープは相変わらずのもの。黒部ダムの概要、難工事のことなど、バスがダム駅に丁度到着して終了、と言う機械的なものだ。観光客はでダム方面へ進む。あれだけ人がいて、我々3人だけしか日電歩道に向かう者はいなかった。

黒部が何かと騒がれている

5月13日、金曜日。定時までしっかりと仕事をして、深夜東京を出発。高速料金が片道一律1000円であり、幸渓の愛車1台で経済的に行くことにした。高速の割引の影響なのか、交通量も多く、サービスエリアにもファミリーカーが目立つ。4時間ほどで黒部の入口である扇沢に到着。「夏山のような感じ・・・」とは言え、やっぱり深夜の山中は冷え冷えだ。イビキのうるさい正渓氏も、当初は車の外でシュラフに包まって寝ます!と、気を利かせてくれたのだが、それも叶わず?車中で仮眠をとることに・・・(怖)。寝酒を飲んで、朝1番のトローリーバス出発まで仮眠?(あっち、こっちから大きな寝息が・・・・)
この時期は夜が明けるのが早い、早朝4時には薄っすらとなってきた。出発の荷物の出し入れとトイレが近い!ということで、駐車場に入れずに最上段のバス停留所に車を止めておいた。下段の一般駐車場を見ると、ほぼ満車の状態。ファミリーカーが圧倒的に多い。やはり高速料金の割引、そして今年はテレビドラマであの不朽の映画「黒部の太陽」のリメイク版が放送され、何かと黒部が騒がれていることも影響しているようだ。
狭い車中であり、一人が目覚めれば皆が目覚める。気がかりな残雪の状況を周辺の山々を見ながら観察すると、山岳警備隊が言っていたようにほぼ皆無!例年6月の釣行時期より少ない状況である。そして天気・・・雨男(私です)が参加すると、ここのところ雨の確率が圧倒的に高くなるのであるが、なんとなく保ってくれるようである。下段の駐車場も車から人が出始めて、トローリーバス、お土産や、ダムの従業員も町からバスで向かってきて、駅らしく騒々しくなってきた。早めの朝食を済ませ、装備を整え、我々の車も駐車場へと移動。

ダム下日帰り釣行

毎年、恒例のように釣行先として候補にあがる、我々の通称「黒四ダム下」。この時期は、観光放水が始まる6月の中旬過ぎまで、ダムの真下まで釣りあがることが出来る。例年の日程だと、観光放水が始まる1週間前、丁度黒部が春の訪れを迎え、新緑が眩しい時に、テントを張っての一泊釣行をするが、今年は、例年この釣行のリーダーである渓英氏が病で無理が利かず、また渓忠氏も腰痛で参加出来ないということで、ムサテンの若手(といっても四捨五入して40、50、60歳)の正渓、幸渓、敏渓の3名で、日帰りでの釣行を計画した。この時期の釣行は初めてであり、渓の様子が判らない。一番気がかりとする残雪の状態を、富山県警山岳警備隊の立山駐在所に直接電話で聞いてみた。「今年の黒部ダム一帯は降雪が少なく、標高1500mまでは雪がない。ダムの下流の日電歩道も雪がない。時期としては夏山のような感じ・・・」と期待が持てる返事であった。