ギリシャ遠征記〜愛知県サンボ連盟・伊藤雅治
2007世界サンボ・ベテラン&警察官選手権大会
ギリシャ・ハルキディキ・ネアムダニア〜2007年10月5−11日

今回、愛知県サンボ連盟代表である山田先生が出場するギリシャ世界マスターズへ同行させていただきます。
海外へ行くのは2005年ロシア・バルナウル遠征以来、自身2年振りでとても楽しみです。
ギリシャなど一生のうちに一度行くかどうか。しかも世界戦で山田先生の試合付きとなればこれはもう行くしかありません。
思い立ったが吉日。こういうチャンスは逃したらダメです。
ギリシャの地で君が代が流れ日の丸が掲揚されるのを目撃してきます。
 

10月5日・名古屋出発
初めて中部国際空港セントレアを利用します。夜間便も増え小牧に比べ随分便利になりました。
搭乗するのはエミレーツ航空。中東を代表するセレブな飛行機でスチュワーデスもアラビア風の衣裳で雰囲気抜群です。
夜11時に日本を発ちました。
 

10月6日・ドバイ
日本から中国南方を抜け中東圏に入り、現地時間の早朝5時にUAE・ドバイに到着しました(日本とは−5時間の時差)。
噂に聞くドバイ空港のその巨大な空間は999のメガロポリスステーションの様でセントレアが霞んで見えます。
片側には欧州系。反対側にはアフリカ系。それに中東系、アジア系、南米系も加わり、まさに人種の坩堝です。
ドバイは乗継利用ですが入国も出来るとの事。今注目のドバイは大金持ちの超近代巨大都市で行ってみたいです。
しかしまだ早朝でもあり出発もすぐで今回は断念しました。砂漠とラクダが見たかったです。あるのかは知りませんが。
朝9時にドバイを発ちました。
 

アテネ
現地時間の午後1時にギリシャはアテネに到着しました(日本とは−6時間差)。
中東から一転、一気にヨーロッパの香りが漂ってきます。日本人は珍しいのか結構見られたりもします。
周りは白人、金髪、青い瞳に横文字の看板やシャレたショップでなんかイイ雰囲気です。
次はオリンピック航空の国内便で移動。もう一息です。
午後3時アテネ出発。
 

テッサロニキ
夕方4時、最後の空港テッサロニキに到着。思えば遠くへ来たもんだ。
ここからはFIASのお迎えがあるらしいです、凄い。日本から来てもちゃんと手配が整っているのです。
待合所にはルーマニアのチームが。お互いカタコトでコミュニケーショし彼らと共に迎えを待ちます。
迎えの車は改造を施したBMW。ハイウェイを映画タクシーさながらのカーチェイスを繰り広げながら現地に向かいます。
たまに道路脇でネズミ捕りをやっていますが大丈夫でしょうか、捕まらないでください。
 

ハルキディキ・ネアムダニア
夕方6時ようやく決戦の地・ネアムダニアに到着しました。
日本時間だと夜12時で日本からちょうど丸一日掛かりました。遠すぎます。ギリシャもすっかり夕暮れを迎えていました。
ここまで来るともう日本の事などすっかり忘れてしまいます。とにかくこの地で生きていかなければ・・・。
あまりにも遠すぎて、自分がいま地球の何処に居るのかもよく分からない感じです。
 
ホテルの離れのロビーには各国のジャンパーを着たゴッツイ連中がたむろしています。
一目で世界中のサンビストだと分かります。それにしてもたくさん居ます。雰囲気が出てきました。
そこで受付が行われており、選手と共に自分もマネージャー登録を済ませました。
日本からは他に東京の久米選手が来ておりました。まさか日本人と会えるとは。久米選手も頑張ってください。
 
ここはギリシャでも有数のリゾート地で目の前にはエーゲ海が広がります。といっても今は真っ暗で何も見えません。
いかにもリゾート地らしい平屋のハウスに泊まり、旅の疲れを癒す事にします。
今日は寝るぞー。
 

10月7日
さあ、いよいよ今日からは試合が始まります。
食事はホテル敷地内のレストランでバイキング料理。エーゲ海を眺めながら舌を打つ。なんて贅沢な、極上の幸せ!
選手団に混じりバスに乗り、試合場へ向かいます。自分の太ももくらいの腕を持ったサンビストが周りを囲みます。こんなのとは試合したくありません。
車窓からはオリーブの木が一面に広がるのどかな景色。所々に欧州風の白い建物があり、のんびりした空気が漂います。
30分ほど行った小さな町に試合場の体育館がありました。
 

世界選手権・初日
会場は決して立派ではありませんが、世界のサンボの試合が目の前で見られるだけで十分です。
一応、日本代表風にJAPANジャージに身を包み、試合前、選手に混じりマットを走りました。気持ち良かった。
ここで気付きました。サンボ着を持ってこれば良かったと。
怪我でまともな練習が出来ないので、荷物の軽減にサンボ着を日本に置いてきたのは大失敗でした。
サンボ着を着てもっと雰囲気を味わいたかったです。この旅の唯一で最大の後悔、涙。
山田先生はいつの間にかどこかの外国人とマット上で一緒に練習しています。
言葉は通じなくても、心は通じる。スポーツは素晴らしい!サンボ万歳!
 

山田先生は本日は世界戦のレフェリーに参加。自分は観客席で世界のサンボの試合を楽しみます。
今日は主にポリスマンの試合が行われ、若手からベテランまでが白熱した闘いを展開。
観客もよくサンボを知っています。各地から来てるのか自国の選手が勝つと大盛り上がりです。
初日は朝から夜までぶっ通しで行われました。しまった、飲む物も食べる物も何も持っていません。
こんな事ならホテルの売店で何か買ってくれば良かったと。体育館の周辺も見渡した感じ住宅以外は何もありません。
何も口に出来ないまま一日が過ぎていきました。明日は水くらいは忘れずに持ってこよう。
しかし、さすがに一日中缶詰めで見ているのは疲れます。やっぱり見てるだけじゃつまらない、練習や試合がしたいです。
 

10月8日・世界選手権二日目
今日はいよいよ山田先生と藤井選手が試合を行います。計量・ドクターチェックは昨日行われました。
昨日で試合を終えた選手もセレモニーがあるため本日も来ています。
マスターズの試合が本日の中心です。早速、予選試合が行われます。
まずは藤井選手。圧倒的な試合運びで大差の完封勝ち。
そして我らが師匠、山田先生の登場。久しぶりの公式試合ではありますが、勝利を信じています。
マスターズ直前のYSCでの追い込み練習は半端ではありませんでした。
YSCの若者がへばってもまだ練習を続けていた超人的なスタミナ。これで還暦を迎えるとは恐ろしいです。
先生は本来予定していたクラスから変更されましたが大丈夫でしょう。
予選試合、相手はカザフスタンの有力選手。カザフ情報では柔道チャンピオンで今大会の優勝候補とか。
抑え込みでポイントを取り、見事勝利!さすがです。
 

自分はなぜかカザフの方に気に入られてしまい、写真撮った後に民族帽子を戴きました。ありがとう!
あと金髪の方にも写真やビデオを撮られてみました。選手じゃありませんが、まあいいかな。
カザフの人は民族衣装を着たり楽器を演奏したりとやたらと目立っていました。
 
決勝

藤井選手、二回戦も得意の投げ技を連発し決勝進出!
場内も藤井選手の技に沸き、試合後は外国人から記念写真を求められ、すっかり尊敬の的に。
いよいよ決勝。
山田先生の相手はまたもカザフスタン選手。しかも昨日、練習で圧倒していた相手。まさかここでぶつかるとは。
しかし昨日の練習で警戒したのか、相手は作戦を考えてきた様子。
山田先生はペースを握れず、惜敗。先生が敗れたのはショックでした・・・。
藤井選手も疲労が残りロシア選手に惜敗。残念。無念。
試合を終えた山田先生の表情は、悔しさを滲ませながらもそこにはやるだけやったという充実感に溢れていました。
御二方とも世界第二位の銀メダリスト。
君が代は流れませんでしたが、世界の果てまで来て試合に挑む姿に勇気と感動を頂きました。お疲れ様でした!
 

10月9日・ツアー
闘いが終わり今日はフリータイムです。
当初は観光地へのバスツアーがあるとの事で各国の人とロビーで待ちます。
中にはもう帰国する選手もいます。久米選手も一足早く日本へ帰国。カザフの選手は車で陸路来たようで、何台もの車に乗り込みます。
カザフまで一体、何時間かかるのか。そのエネルギーとパワーが彼らの強さの秘密でしょうか。
数日一緒に居ると選手にも顔馴染みが出来、あちらこちらで握手したり写真撮ったり。これが世界戦の良さです。
バスツアーはなぜか突然中止に。いかにも海外らしい。誰も怒ることも無くみんな思い思いに過ごし始めました。
 

サイフが無い・・・
我々はタクシーでギリシャ第二の都市テッサロニキへ。
タクシーの途上、大変な事に気付きました。
ロビーで待ちくたびれてトイレで用を足していた時にサイフ代わりのミニポーチをロビーのトイレ内に置いてきてしまいました。
ショック。旅行の小遣い数万円分の紙幣やコインが入っていたのに。しかも、ここは海外。もう戻ってくるはずもありません。
思わぬところで傷心旅行となってしまいました。ところがここでタイミングよくタクシー運転手の携帯が鳴ります。
言葉が良く分かりませんが、どうもホテルかららしい。一筋の光明。
ウソのようなホントの話で、運良くホテルの受付がポーチを預かっていました。
ポーチの中にホテルのチケットを入れてあり、これで自分のモノと特定したようです。
タクシーもホテルで呼んでいましたから、連絡がすぐついたというワケです。
ホントに良かったです。ギリシャの人は優しい!日本でも戻ってこないような状況で、まさに奇跡でした。ありがとうございます。
これで心置きなく観光も出来ます。先生にお金をお借りしながらですが。
 

テッサロニキ
テッサロニキは港町で異国情緒たっぷり。まるで魔女の宅急便に出てくるような街並みです。
それにしても眩しい。秋なのに日差しがキツイ。海の反射もあり眼を開けるのが辛い。サングラスは必需品でした。
通りのあちこちにカフェテラスがあります。平日なのにそこらじゅうが満員でカフェを楽しむギリシャ人。
日本みたいにネクタイ締めた忙しそうなサラリーマンは見かけません。みんな陽気にのんびりと今日という日を楽しんでいます。
こういう軽いカルチャーショックも海外の良いところです。
 
路上では、駐禁地帯の車を取り締まる警察官が。この辺の駐禁事情は日本と一緒のようです。
しかし取り締まり方は違います。いきなりナンバーに手を掛けるや否やそのナンバーを取り外してしまうというものです。大胆。
これなら一目で違反者と分かるわけですか。戻ってきたドライバーはナンバーの無いマイカーに唖然としていました。
 
帰りの約束をしていたタクシーが時間になっても来ません。どうやらすっぽかされた様です。さすが海外。
仕方が無いので他のタクシーを探します。しかし見知らぬ日本人は敬遠されたり、ホテルが遠くて断られたり。
何十分か掛かってようやくOKのタクシーが掴まりました。良かった、もうこのままギリシャ永住になるかと思いました。
 

夕暮れ時にホテルに戻りサイフポーチをゲット。お礼に受付嬢にチップを渡しました。サイフのお金は全て残っていました。
各国の選手たちはビーチで一日のんびりと過ごしていました。
日本人には観光しないといけないという強迫観念がありますが、外国人は一日をのんびり過ごせます。
外国人を見習い束の間のひとときをエーゲ海に入ってリゾート気分を味わってみました。
 
夜はホテル近辺のカフェで過ごしました。夜のオープンカフェでイギリスからのサンビスト達と時を共にしました。
マッチョのタトゥー男はUFCのコーチだそうです。しかし色々な出会いがあるものです。
山田先生はそんな彼らにくたびれたサンボ手帳を見せ、数十年前から世界中でサンボの試合をしている事などを話され、
若いイギリスの方々は驚きと尊敬の眼差しで先生を見ていました。先生もまた嬉しそうに話すんです。ほとんど日本語で。
ここで飲んだカフェやアルコールはほぼ彼らの驕りでした。ありがとう。
ギリシャの日々もあっという間に過ぎて行き、明日は帰国。

10月10日・帰路
ギリシャも今日でお別れ。朝、部屋でTVを見ていたら、先日のマスターズの模様が放送されていました。
昼ごろにバスで各国選手団と共に空港へ向かいます。空港では各国の選手と最後の握手、そして別れ。
「ジャポン!ジャポン!」と呼ぶ声が。親交のあったルーマニア・チーム。彼らから国旗を戴きました。ありがとう。YSCで掲げておきます。
夕方4時、遅れてきた飛行機に乗り込み空路アテネへ飛びます。
アテネ到着後、走ってすぐに次のエミレーツへ乗ります。夕方6時にアテネを発ちました。
またギリシャに来る事はあるのかどうなのか。もしかしたらもう二度と見ないかもしれない景色を目に焼き付けます。
深夜11時にドバイに到着。
 

10月11日・帰国
深夜3時にドバイを発ちました。
帰路はひたすら寝ていました。途中エベレスト近くを通りましたが、昼なのにみんな寝ているためブラインド閉めっぱなしで見れなかったのが残念。
日本時間午後6時にセントレアへ帰ってきました。
 

結論
試合を見てるだけじゃ物足りません。遠征は試合や練習をしてこそ、より面白いのです。
また遠征に行きます。怪我を治して次は試合の出来る身体にしておきます。  by伊藤雅

大会リポート

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