目の中には、カメラのレンズと同じ働きをする「水晶体」があります。水晶体は、虫めがねのように凸レンスで、外からの情報を目の中のスクリーン(網膜)に映しだしています。カメラのレンズや虫めがねとの大きな違いは、弾力性に富んでいるということです。見たいところに、すぐにピントがあうのは、このためです。水晶体は、水とたんぱく質からできている、とても精巧な「生きたレンズ」なのです。
●レンズが濁ったり、硬くなると見づらくなる水晶体のたんぱく質が、加齢や糖尿病などによって適切に作られなくなると、水晶体は白く濁り、かすんで見えにくくなったり、ひどくなると視力が低下する「白内障」が起こります。また、主に加齢が原因で水晶体の中心部分が硬くなると、目のピントがあいづらくなります。これが、いわゆる「老眼」です。