目の奥底(眼底)にある「網膜」の厚さは、約0.2mmしかありませんが、光を感じる細胞(視細胞)がたくさん並んでいて、外から入ってきた光を映像として読み取っています。網膜で読み取られた光情報は、眼球の裏側へ延びている視神経を介して脳へと伝えられます。
●血液の栄養補給に支えられている網膜には、酸素や栄養を補給するための細い血管が縦横に走っています。特に網膜の内側部分は、網膜中心動脈から酸素栄養が与えられます。高血圧症や糖尿病といった生活習慣病や、動脈硬化などにより血液の流れが悪くなると、網膜に十分な栄養がいきわたらなくなるので、網膜の機能は低下し、視力が障害されることがあります。幸い、網膜の様子は「眼底検査」を行うことで容易に観察できます。血圧や血糖値の測定など、全身の検査とあわせて定期的に調べて、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。