床面と頸部(首)にできる隙間【図T】を埋めるために枕をします。
【図T】 
当然、できるだけ隙間の形通りに埋めることが余分な負荷をかけないための条件となります。
隙間の形状は非常に複雑で、少しでも頭の位置や角度、方向が変われば異なります。
どのような寝姿勢にも対応できる枕を作るためには、素材(中材)が移動できることが必要不可欠となります。
素材が移動できない場合、素材の圧縮だけで頭部と頸部(首)の形を作ることになり、その時に反発(圧迫)が生じます。
そば枕やパイプ枕、お茶の実枕、その他の流動性のある素材を使用した枕は素材が移動しますが、頭の動きとともに素材が偏ってしまうため安定しません。
素材(中材)が偏ると枕の縁が潰れたような状態となり、顎を引き首を折り曲げた不自然な姿勢になります。
そのため、首には頭の重さと同じ位の強力な負荷がかかります。
また、逆傾斜型枕(低反発枕)や真ん中を窪ませた枕の欠点は、頭の大きさや形、首の長さや太さが十人十色にも拘らず、湾曲した枠の中に異なる大きさや形の頭と首を強制的にはめ込む事となり、非常に不快な思いをさせられます。
|
| 逆傾斜型枕、低反発枕 |
真ん中を窪ませた枕 |
|
 |
そして、それらの枕の特徴であるはずの首の当たる部分を特に高くした形状が災いしています。
つまり、寝返りを打つたびに頭の位置が変わっても、枕の凹凸は常に同じ位置にあるため、枕の一番高い所に当たる部位(首)は圧迫され続けるのです。
一見フィットしているように思えますが、実際には単に素材が圧縮されているだけで、その反発力は強く、自分の頭の重さと同じ力で下方から突き上げられている状態となります。
このことは、枕から頭を外した瞬間に素材が元の形状に戻るため、枕に頭と首の窪みが残らないことで証明できます。
元の形状に戻るということは、枕に頭をのせている間は常に反発していることになります。
高さを低くしても形状が同じである限り、同様の結果が出ます。
低反発ウレタン枕の突き上げ(反発力)が強力であることも指摘させていただきます。
加齢と共に頚椎や土踏まずのアーチは崩れ、真っ直ぐになっていきますが、その場合特に強く刺激を受けます。
中には、外見は異常がなくても整形外科や脳神経外科でのレントゲン撮影の結果、頚椎が真っ直ぐだと分かる場合もあります。
真っ直ぐな頸椎がさらに悪化すると猫背になります。
自分に合った枕を選ぶ上で、枕の高さは重要な要素となります。
高さの合わない枕を使用すると色々な弊害を伴います。
しかし、高さだけの問題なら座布団枕やタオル等で代用できるはずですが、それらでは決して満足の行く結果は得られません。
その理由は、座布団枕やタオルで自分に合った高さに調節したとしても、頭と首の形通りに窪むことができないため、特に強く反発(圧迫)される部位があるからです。(床面と頸部にできる隙間を正確に埋めることができない為)
最近、壁面と頸部にできる隙間の一番長い位置の長さを測定して枕の高さを決めたり、オーダーメイド枕(オーダー枕)と称し、枕を数個の袋で構成し、それぞれの袋の中の素材(中材)を増減することで使用する人に合った高さと形(窪み)を作り出す方法がありますが、実は全く意味の無いことなのです。
|
| 枕・オーダーメイド枕 |
壁面と頸部にできる隙間の測定 |
 |
 |
仮に、その高さや窪み具合がピッタリ適合したとしても、それは僅か一箇所だけです。
少しでも寝姿勢が変わり頭が動けば、高さも窪みの形状も変わらなければならないのに対応できない欠点があります。
つまり、個々の袋が完全に仕切られて独立しているため、全体的な素材の移動ができません。
後頭部の出っ張った部分が枕の上にある場合は、素材が速やかに他へ移動してより正確に後頭部と同じ形の窪みを作らなければならず、寝返りを打って側頭部がある場合は、素材を集めて後頭部があった場所の窪みを埋めなければならないのに、袋が仕切られているため素材が移動できない重大な欠陥があります。
オーダーメイド枕(オーダーメード枕、オーダー枕)という表現は、さも自分に合った枕のように錯覚しがちです。
オーダーメイド枕を作る場合、壁面と頸部にできる隙間を測定して高さを割り出す方法にも重大な誤りがあります。
重力の関係上、立った姿勢で測定した時の隙間の長さと、実際に仰向きになった時の長さは異なります。
また、寝返りを打つ度に頭部と頸部が動き姿勢が変わるため、測定した数値は無意味なものになってしまいます。
外観が全く同じ二人の人物がいたとします。
頭の大きさや形、首の長さと太さと形状に寸分の狂いもない場合、枕の高さは同じで良いのでしょうか ?
同一人物でさえ、健康な時と病気の時では感じ方が違います。
まして、異なる人物の枕の高さを、外観が同じという理由だけで測定値に基づいて割り出す方法は論外です。
不思議なくらい健康状態と枕には密接な係りがあります。
頸椎や脳に異状がある場合と正常な場合、満腹と空腹、便秘と快便、その他血圧、肥満度等あらゆる事柄が関連してきます。
寝しなに腹いっぱい食べるのも悪く、絶対に快眠できません。
更に、寝具(敷布団)との相性もあります。
同じ枕を使用しても、敷布団の硬さによって枕の高さが低く感じたり、反対に高く感じたりするため、敷布団を替えた場合はその都度高さ調節をしなければなりません。
ベッドと布団ても使用感が異なります。
このように色々な要因があるため、自分に合った枕の高さは自分で決める以外方法がないのです。
単純に外観だけの測定値に基づいて枕の高さを割り出すオーダーメイド枕の方法は、単なるパフォーマンスにすぎません。
完璧と思われるオーダーメイド枕(オーダーメード枕)にも、誰も指摘しない落し穴が潜んでいるのです。
羽根枕、ポリエステル枕、ウール素材の枕は、素材(中材)の圧縮だけを利用して窪みを作るタイプの枕に分類されます。
お茶の実枕、炭枕、トルマリン枕、ひのき枕、塩枕、ゲルマニウム枕、豆類を使用した枕は、そば殻枕のように偏るため安定せず、首を折り曲げた無理な姿勢になります。
また、それらをポリエステル、ウレタン、そば殻と組み合わせた枕も正確に窪みを作ることができないため、反発(圧迫)が生じます。
構造に何の工夫もなく、単に形状や素材を替えただけの枕は、必ず強力な反発(圧迫)が生じます。
一般的に、そば枕、パイプ枕、ヒノキ枕等は中材を増減することで高さ調節ができると考えられています。
しかし、中材を増減することで使用感が変わってしまいます。
中材が少なければ軟らかく感じ、多ければ硬く感じます。(実際にはどちらも硬い)
つまり、中材を増減することは硬さの調節をしていることになります。
本当の高さ調節とは、使用感を変えずに高さを変えることなのです。
更に、そば殻枕やパイプ枕は中材を入れる袋(側生地)の面積を決めると、高さが制約されてしまいます。
高さの低い大きな枕を作っても、頭がめり込むだけで実際に使用することはできません。(首をしっかり支えることができない)
それゆえ、面積を大きくすると高さの高い枕しか作れず、高さの低い枕を作るためには面積を小さくしなければならない欠点もあります。
確かに枕の高さは重要な要素の一つですが、それ以上に構造が重要であるということを認識しなければなりません。
高さだけにこだわっても、どんなに良い素材を使用しても、構造が悪ければ本当の優しいフィット感は得られません。
|
枕・オーダーメイド枕(オーダーメード枕・オーダー枕)・従来の枕の欠点
オーダーメイド枕を超越した枕・頚椎保護枕
|