ニュージーランドのうなぎ
Eel of Newzealamd
ニュージーランドのネイティブフィッシュ
ニュージーランドは巨大なマスがたくさんいる。
それなのにマスはニュージーランドにとっては外来種で、
もともとニュージーランドにマスはいなかった。
こんなに美しい川にマスがいないで何がいたというと、
ニュージーランド名物巨大うなぎの独壇場だったらしい。
現在マスとうなぎは仲良くやっているようで、
マスを釣っていると巨大なうなぎに遭遇することがよくある。
小さなうなぎでも1mはあり、
大きなうなぎになると長さ2m、大人の太ももくらいの太さのうなぎがいる。
すごいと言うか、恐ろしい。
そんなうなぎが針に掛かったマスの周りをウロウロしたり、夕方釣りをしているときなどに現れる。
暗くなった川で、米を川でといでいたら手元に数匹の大うなぎがいたこともあった。
人間に危害を与えることはないけど、とても気持ち悪い。
川で体を洗うときも、うなぎが怖い。まして夜なんて川に入れない。
日本では「蒲焼き」といった人気のメニューだけど、
ニュージーランド人はそれほどうなぎを食べる習慣がない。
おかげで川や湖にはうなぎがたくさん泳いでいる。
貧乏腹ペこの私は、そんな魅力的なご馳走を試さないはずがなかった。
一度目はLarry'sという川でだった。
友人と一緒にあのうなぎを食べてみようということになった。
小さなブラウントラウトを餌にして、夕方大きな石がある淵でうなぎを待った。
ブラウントラウトの身をほぐして、川に餌の匂いを流すと、
すぐに2,3尾のうなぎがどこからともなく現れた。
ゆっくりとウネウネと匂いを嗅ぎながら向かってくる。
気持ち悪く、食欲が失せてゆく。
一番大きなフライにブラウントラウトの切り身を引っ掛け、
うなぎの目の前にポチョンと入れる。
餌の匂いに気づいたうなぎは興奮して泳ぎ回るものの、
目が悪いらしく目の前の餌になかなかたどり着けない。
うなぎの鼻先に餌を運んであげると、スポッと一気に餌を吸い込んだ。
マスには見られない見事な吸い込みぷりだった。
一呼吸おいて大きくあわせると、針をくわえたうなぎがウニョウニョと気持ち悪く暴れだした。
竿は根元から大きく曲がり、うなぎはクネクネと後ずさりをする。
体に糸を巻きつけるかのように、体を回転させて抵抗する。
気持ち悪いけど面白い。
80p、手首ほどの太さのうなぎで、岸に上げるのがまた大変。
噛まないけど噛まれそうで、触りたくない。岸に上げてもすぐにクネクネと川に戻ってしまう。
ようやく岸に引きずり上げた。
ここからがうなぎとの格闘のはじまりだった。
死んでもらおうと頭を石でたたいくけど、なかなかおとなしくならない。
叩いてもたたいても、死なないうなぎに気が引けてきた。でももう逃がすことはできない。
なんとかまな板の上にあげて、頭を落とそうとナイフを入れる。
うなぎのヌルヌルにナイフの刃がたたず、手はベトベト。ウエェ〜
骨にナイフがあたるたびに、うなぎの体がビクッと動き、私もビクビクしながらうなぎをさばいた。
なんとか4本にぶった切って、油をひいたフライパンの上に乗せ、
あとは焼けるのを待つだけと思ったら、
うなぎがフライパンの上で、ウネウネと暴れはじめた。
頭も尻尾もない、長さ10pほどに切ったうなぎはフライパンの上で動いている。
これには絶句した。
でも食べてみた。
味はなかなかイケた。
川魚特有の匂いがあって、日本のうなぎと同じ味がする。
身は白身で淡白、ちょっと弾力が強くて日本のうなぎよりちょっと大味。
味付けが塩コショウのみだったのが、物足りなかった。
料理になるまでの工程を見ていなかったら、おいしく食べれる魚だと思った。
さすがに全部は食べ切れなかったけど、なんかとても精力がついた気がした。
このサイズならまだ食べころ。
2度目のうなぎに挑戦は、翌年Clarenceという川でだった。
蒲焼きのタレを日本からわざわざ用意して、今度こそはおいしく食べてやろうと気合が入っていた。
父ちゃんが夕方1mほどのうなぎを釣り上げた。
相変わらず叩いても死なないし、ヌルヌルに苦戦。
何とか蒲焼き状態にうなぎをさばいた。
落ち着いた焚き火でタレを付けては焼き、ゆっくりと焼き上げた。
焼きあがったうなぎは日本のものとはサイズが違うものの、タレの照りが蒲焼きでおいしそうだった。
ではではと食べてみると・・・
これがまたまずい。
うなぎの香りはするものの、強すぎる。
歯ごたえがガム。歯切れが悪い。味もおいしくなかった。
3口ほどであっさりとGive up。
ニュージーランドのうなぎは食べるもんじゃない。
でも、小さいうなぎで蒲焼きにしたら?
ちょっとまた試してみたい気がする。でも後悔するんだろうな・・・
02年3月13日
Lerry's creekより
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