夢の魚10ポンド
夢の魚 絵:拓志
「大きくて美しい魚を釣りたい」とは、釣り人なら誰でも思うことで、
いつでも大物を夢見て釣りに行く。
「何cm以上を大物と呼ぶか?」難しい。
一般的に「大物」と呼べる、ラインがある。
日本の渓流をみると、昔から「尺ヤマメ」、「尺イワナ」と言われるように、
尺(30cm)を超えるヤマメ、イワナは「大物」とされ、
29cmの魚は、尺に1cm足りないことから、「泣き尺」と言われる。
北海道の場合、ニジマスなら50cm、アメマスなら60cm、
イトウなら80cmといったとこだろうか?
基準はないけど、ある程度釣りをしていると、目標にするサイズがある。
ニュージーランドに来ても、この「大物ライン」があるようで、
釣具屋や、釣り人と話すと「10ポンド」という言葉が耳にのこる。
「去年は2尾10ポンドを釣った」だとか、「あの川には必ず10ポンドがいる」だとか、
日本でもよくありそうな内容の会話がでてくる。
対象魚はもちろんニジマスとブラウントラウトである。
ニュージーランドの人は釣った魚を長さではなく、重さ(ポンド)で自慢する。
10ポンド、4.5キロは70cmの魚がよく太っていると10ポンドくらいになる。
70pのマスとなると、そうめったにお目にかかれるものでなく、
それがムチムチに太っているとなると、
10ポンドは夢の魚で、憧れの10ポンドである。
いつ現れるかわからない夢の魚を求めて、今日も朝から川を歩く。
ああ、大きいのが釣りたい・・・
02年1月12日クルーサより
夢の魚を手にした長生きしない人間
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