サンドフライと宇宙


あるビジターセンターに行ったらサンドフライに関するパンフレットがあった.
一冊もらって読んでみた。
わかったことを並べてみる。

・ 湿った森の地面で生活する。卵は苔などの湿ったところに産む
・ 雨の多い森がサンドフライの生活場所
・ 生きるためと、子孫を残すために血を餌にする。
・ 人間が現れる前は、血ではなく植物を餌にしていた。
・ 昔はサンドフライトラップを使ってサンドフライを駆除していた。
・ 今はトラップの使用が禁止されている。
・ 一部のマオリ人(原住民)が今でもトラップを使っていて、それが問題になっている。

ということだった。

ニュージーランドの釣りでサンドフライさえいなければ・・・
と思うくらいサンドフライほど邪魔な虫はいない。
釣りをしていてもテント生活でも、
森での生活は朝から晩まで何百、
何千という数のサンドフライが無防備な肌をめがけて押し寄せてくる。
日本の虫除けは効かないし、水で虫除けが流されたら、すかさず噛み付いてくる。
噛まれた跡は、赤く残り一週間はかゆみが残る。
体質によってはむくんだり、腫れ上がったりする。
このサンドフライが保護されている?これには驚いた。
でもよく考えてみると、サンドフライが鳥や蜂に食べられている光景をよく見かける。
つまり、大量のサンドフライは他の生き物たちの貴重な餌になっているのだ。
サンドフライを食べる蜂をマスが食べて、そのマスを私が釣る。
マスだってサンドフライを食べているはず。
サンドフライのおかげで、釣りを楽しむことができるということになる。
サンドフライは偉い。ありがとうサンドフライ。
これからは少しくらいは私の血を吸っても、叩き潰したりしません。
それはきっと無理だと思いますが・・・

人間の見えないところで、自然は回っている。
ムダなものなんてあるはずがない。
人間だって自然の生き物だから、自然から出ることはできないだろう。
もし自然を無視したら、自然が狂い、人間も狂ってしまう。
狂う事が進化といえば、人間が滅びることも進化かもしれない。
地球上で何が起ころうとも、地球は回り続ける。
地球という星が太陽にぶつかって燃え尽きたところで、
宇宙にとっては何でもないことだろう・・・
このままだとサンドフライ教なんていう宗教になってしまいそうなので、
これ以上書くのは止める。

サンドフライトラップのことを、公園で出会ったニュージーランド人に聞いてみた、
「そんな話は聞いたことがない、
あんなうざったいサンドフライが保護されているはずがない」と言っていた。
サンドフライトラップがあれば、どんなに快適な山奥生活ができるだろうか・・・


02年3月16日 
Hurunui riverより

絵:ヒロシ 


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