偽グリーンストーン 


ハーストリバー(Haast River)で石を拾った。
手のひらほどの大きさの石で、不思議な緑色をしている。
グリーンストーンではないかと思った。
グリーンストーンはこっち(ニュージーランド)で、
原住民のマオリ人にとって、とても意味のある石らしいけど、その意味は良く知らない。
どんなお土産屋さんに行っても、ネックレスやキーホルダーになって売られている。
透き通っているようで、透き通っていない緑色。
宝石と言うほどの輝きはないけど、不思議な石。
それでもそこいらにあるような石とは違い緑色でひときは目立つ。
ハーストリバーで拾った緑色の石。きれいだからとりあえず車に乗せておいた。

Haastのビジターセンターに行ったとき、その石を見てもらうことにした。
「Is this a Greenstone?」
探検隊のような茶色のレンジャー服を着て、いかにも自然案内人っぽい人がいたので聞いてみた。
レンジャーの人が石を手にとって、唾を指につけ、石を湿らせた。
難しそうな顔で石を眺めたあと。
「No」
あっさりと答えた。
もっと詳しい人に聞いてあげようと言って、奥に入っていったが、5分ほどして出てきた
答えはやっぱり「No」だった。
グリーンストーンの意味や歴史なんかを熱心に教えてくれているようだったけど、
早口の英語に何を言っているんだかわからず、
「お前みたいな通りがかりの観光客に拾えるような石じゃないんじゃ。」
と言っているように想像した。

ビジターセンターの人はNoと言ったけど、私は絶対にグリーンストーンだと思う。
なぜなら不思議な緑色だし、磨くと美しくつやが出る。
また他の人に聞いてみようと思う。
でも重たいから日本にはもって帰らないだろう。

02年2月5日 Fox glacierより



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