クリスマスの鳥
2001年12月24日クリスマスだから鳥肉を買った。
こんな日だからこそと、まるまる一匹の鳥を買った。
13ドル700円くらいだった。
燻製にされているので、そのままでも食べられる。
それじゃあつまらないし、焚き火でも使って焼こう。
クリスマスイブ、テアナウの町のそばワイアウリバーのほとりに、
テーブルとかまどのついた、いいレストエリアを見つけた。
その辺に落ちている薪を集めて、盛大な焚き火をした。
薪が炭になるまでに、下ごしらえをする。
鳥を半分にし、ひとつはまるまるアルミホイルで包み、
ひとつは細かくして、アルミホイルで包んだ。
ついでにタマネギとニンニク、バジル、粗挽きコショウを加えた。
落ち着いた焚き火のなかへ、アルミホイルごと入れ、
周りを炭で囲み、上にも炭をのせて天然のオーブンにした。
アルミホイルの中から鳥が焼けるいい音を聞きながら、
ビールを開けてグリーンピースの皮をむいた。
グリンピース入りのご飯を炊く
鳥が焼けるまでビールを飲む
半そで短パンのクリスマスは、夜9時になってもまだ明るい。
冷やされた空気が心地よく森の中を流れる。
豆ご飯が炊きあがるころ、アルミホイルを焚き火から取り出し開けてみた。
湯気といっしょに肉の焼けたいい香りが立ち上る。
周りのタマネギが少し焦げ付いているけど、それもまた香ばしい。
鳥肉も焼けたので、ニュージー産の赤ワインを開ける。
「パン!」とコルクが抜ける高い音が森の中に響き渡り、
「メリークリスマス!」
柔らかい肉に香辛料がまた美味く、肉の脂がタマネギとニンニクに染み込んで、
あたりもすっかり暗に包まれていた。
焚き火が燃え尽きるころ、腹も膨れ気持ちよくなった。
イブニングライズを忘れてゆっくりと夜を楽しんだ。
たくさんの肉と骨があまった。
次の日、今日がほんとのクリスマスだと、
クリスマスムードのテアナウの町に行ってみると、誰もいない。
観光地なのに、お店はみなシャッターが閉じている。
ガソリンスタンドで牛乳とパンを買い、少し釣りをした。
クリスマスの夜、「今夜も鳥だ」と、昨日の残りを使う。
骨付きの食べにくい肉は、「ダシくらいにはなるだろう」とスープに。
タマネギ、ニンニク、ニュージーのスープのもとみたいなやつを少し加えて、
最後にチーズをたっぷり溶かした。
骨を省いた肉は、ニンニクとタマネギを足して、フライパンで炒めた。
クリスマスの夜もまたワインを開け、鳥肉で腹が膨れた。
メリークリスマス!
また肉が残った。
26日の朝、残った肉をマヨネーズであえて、サンドイッチにした。
これまたおいしく、きれいさっぱり肉がなくなった。
クリスマスといえば鳥。
今年のクリスマスは鳥を食べた。
まるまる一匹の鳥は、ハングリーなうちらを楽しませてくれた。
ハッピークリスマス。
01年12月26日イグリントンリバーより
鳥が焼けたぞ、早くワインを開けろ!
back to top