アメを呼ぶ雨
〜水温が高い夏は雨の後がチャンス〜

8月の雨は鱒を呼ぶ。

木々の緑は濃さを増し、夏らしい日が続けば川の水はぬるみ、北国の鱒たちの活性も下がるものである。6月のような躍動感あふれる命の季節は、煮詰まった8月の森には感じられない。そんなまったりとした森に降る雨はすべてをリフレッシュさせるかのように、潤いを与える。茶色く濁った流は、次第に上流部から落ち着きを取り戻してくる。その時こそが8月の最大のチャンスなのである。

8月1日十勝川水系のとある湖にボートで漕ぎ出す。湖は3日前に降った雨のため茶色く濁っていた。川の流れ込み周辺はすみ始めていた。風のない湖は鏡のように山を写し、ワカサギの群れが水面にさざ波を作っていた。

8番のフライロッドにタイプVのシンキングライン。フライはオリーブのウーリーバガー、フックサイズ4番。力いっぱい投げ、じっくりと沈め、ゆっくりと引っぱる。ただそれだけだった。アベレージサイズは50センチ、最大で55センチのアメマスがゴツンとフライに食いつき、力強い引きで竿を曲げた。兄もルアーで良型のアメマスに遊ばれ、2人で10尾のアメマスを釣った。太陽が真上に上がり、鏡のように静かな水面。真昼間の出来事である。

アメを呼ぶ8月の雨。ビッグチャンスはまだまだこれからである。


2007年8月3日

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