大アメマスだけを釣る方法
〜ガイドと釣り師の役割分担〜
前号に引き続き、最近はまっている道東方面のアメマス釣り。この川の魅力は、なんと言っても魚を見つけてから釣る、サイトフィッシングにある。釣り方は、いろいろあるけど、この川に何度か足を運べば、魚の数、魚の大きさに驚かされる。前号にも書いたけど、この時期は越冬のため深い淵に魚が集まり、群れになって泳いでいる。大きさは30cmクラスから70cmクラスのアメマスがごちゃ混ぜで泳いでいる。
そんな群れているアメマスを釣るのは、それほど難しいことではなく、選ばなければポコポコ釣れるのがこの川のすごいところ。でも、だんだん飽きてくるのも事実。
そうすると、今度はいちばん大きな魚を釣りたくなる。数いるアメマスの群れの中からいちばん大きなアメマスだけを選んで釣るとなると、まず@群れを驚かさないようにすること。A大きなアメマスの目の前だけをフライを流すこと。B大きなアメマスがフライに食いついたときだけアワセ、それ以外のアメマスがフライに食いついてもあわせないこと。あわせると、大きなアメマスを驚かせてしまうことになるので。それが大きなアメマスを選んで釣るコツになる。
そんなうまくいくか?と思うけどガイドというパートナーが付くと、これができるのがこの川のすごいところ。面白いことに場所によって魚のサイズがバラバラで場所によっては、小さい魚ばかりの群れ、ある場所では大きな魚ばかりの群れと言う具合に、場所によって違う。
だから、静かにプールを覗き込むと、ドキッとするサイズの魚に出会うことが良くある。その魚をじっくり観察すると、流れの中でしっかりとパクパクとなにやら流れてくるものを食べている様子が観察できる。
バンク側(川の蛇行の外側)からだと、魚が良く見えるけど、木が多く釣りづらい。対岸の蛇行の内側からは、釣りやすいけど魚は見えない。たいていがこんな状況。なので、2人で力をあわせて、1尾の大きなアメマスのみを狙うのである。
一人は、バンク側の木の間から、そっと大アメマスの動きを観察しながら、内側から竿を振る釣り人に細かく指示を出す。
「もっと、上流1mにフライを入れろ!」
「今フライが魚の上にさしかかった」
「食うぞ・・・」、「食わない」
「ちょっと下流に下ったぞ」
といった具合に、対岸の釣り人に指示を出す。
そして、竿を振る側は、その指示にあわせてフライを流し、
その指示以外でフライにアタリがきても、あわせてはいけない。
こんな、やり取りで大アメマスを狙うのである。
これがガイドと釣り師の役割分担というヤツで、
2人で巨大アメマスを釣る、醍醐味というもの。
こんな釣りで攻めるのが、この川の最大の面白さ。
水量が少ないこの時期だから、魚の動きが観察しやすく、
深みに集結する時期だからこそ、難しくない釣りができる。
やっぱ北海道はすばらしい!
2007年3月1日
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2人の息がピッタリあった 60cmのアメマス
「食ったぞ!」の合図で、 ビシッとアワセが決まる。
もちろんひたすら釣リまくる釣りも快感
焚き火でコーヒーを沸かして一服