アチェ被災証言
語られるアチェ津波被災の真実
証言7「被災遺児のためのチルドレン・センターを訪れて」
(Arif:24歳男性、Fodhwn:29歳男性、Syafrulizar:33歳男性、Dedi Moliadi:25歳男性、2005年9月6日(火):郊外にあるチルドレン・センターにてインタビュー)

 CCでボランティア活動をしているアリフ、フォドゥン、シャフルリザラ、モリアディの4人に面談し、CCの現状と課題について語ってもらった。現在、ジャカルタの大学生であるアリフ君は、アチェの出身で、以前から宗教や子供の教育に携わる機関にいたこともあるため、CCの存在を知っており、このセンターにかけつけたという。両親のすすめもあり、2ヵ月前に友人と来た彼は、子供たちを初めて見た時の印象について、「津波のショックのためか、両親を失ったせいか、CCに着て間もない子供たちは、まったく言葉を発せず、深い悲しみに陥っていた。しかし、ここで同じ境遇の子供たちと一緒に生活することで、少しずつ明るさを取り戻しているように思う。夜は泣いている子がいるかもしれないが、厳しい状況にもかかわらず、日中はみんな天真爛漫に遊んでいる」と語ってくれた。

 現在、CCで生活する子供の数は32人で、ボランティアの数は11人である。子供たちは、朝8時から3時まで学校に通い、センターに帰ってからは、本を読んだり、おもちゃで遊んだり、サッカーやバレー、ボランティアが指導する伝統的な歌や踊りを楽しんでいる。幼児から中学生くらいまでの子供たちが共同生活を送っているため、年長者がケアをし、遊びだけでなく、読み書きなどの一般教育や宗教についても教え合っている。

 「CCで生活を送る子供たちがいま必要としているものは?」との問いには、学校教育に必要な基本的なもの、すなわち制服、教科書、文具といったものがないと即答してきた。また逆に、「ボランティア活動に励むあなた達に必要とする支援とは何ですか?」という質問をしてみた。答えは、コミュニケーションの手段や学校周辺の交通手段さえないため、外部との交流(海外交流も含めて)ができるような施設や備品が必要だと希望していた。「あなた方自身の不平不満はないのか?」と少し意地悪な問いかけをすてみると、彼らはみな苦笑いをして、あえて答えず、言葉を濁した。

 最後に、CCの概観と子供たちの様子を紹介しておこう。CCのほとんどが、人里離れた郊外にあり、周囲は牧歌的な田畑が広がる田園風景である。そこにたどり着くまでのあぜ道は細くてボコボコしており、交通の便はよくない。CCは仮設住宅に併設された2つのテントから構成されており、室内の床はユネスコから供給されたビニールが敷いてある。テントの中には、読書室、ダンス室、遊戯室、寝室の4つに区切られている。テントのすぐ横に手作りのサッカー場とバレーボール場があり、帰り際、子供たちとサッカーを楽しんだが、彼らの笑顔を見た時、「アチェの子供たちを守る活動」に関われた幸福を心から感じた。
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