08年の夏のヘルパーのA君が「なんか床傾いてませんか?」というので床下を除いてみると、 ごらんのように大引きが腐っていました。どうも最近床が傾いて、歩くとふわふわするような・・・ と思っていたのですが、予備知識のない人がそういうのでやっぱり傾いているんだと実感。 さらに断熱材をはぐってみると大きな蜂の巣が断熱材のグラスウールにまで食い込んで作られていました。 もともとこの家を買った時から台所の床下の水漏れで(流しのホースが排水パイプにちゃんと差し込まれてなかった) 床下の土台が濡れていたのは分かっていたのですが、そのときはそれほど腐ってはいなかったのです。 ところが厨房の床下は高さ1300_くらいの地下室なのですが、その地面は粘土の叩きで防湿のビニールなどは 張られていません。そのため雪解けや大雨で地下水の水位が上がると水浸しになっていました。 さらに厨房下の床下間気口がこわれてしまらなくなっていたので、冬の寒さ対策と蜂の進入防止として スタイロフォームでふさいでいました。そのため厨房下が湿気てしまい、もともと水に濡れて腐り易くなっていた 大引きの腐食が一気に進んだようです。 ひょっとして床が抜けて厨房機器もろとも落っこちるのでは・・・と心の片隅で思いながら天ぷらやフライを揚げるのは 精神衛生上よろしくないので(笑)意を決してお客様の途切れた11月上旬の連休過ぎに補修工事ににかかりました。 |
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本来なら床板をはがして腐った大引きを取り除き、新たな大引きを入れてからまた床を張るのですが、 その為にはコンロ、オーブン、食器棚、そして流し台などをすべて出さないといけません。更に流し台を外すと言う事は また水道工事もやり直しになり、そこまでの手間と費用はかけられないので、床板ははがさずに床下にもぐりこんで 下から作業する事としました。幸いなことに半地下室なので床下の高さは何とか作業できる高さがあります。 まずは粘土の叩きのままでどろどろになってしまい、作業がやりにくい地面を何とかします。 砕石を入れることにしました。地下水位が上がったときは30_ほど水が溜まる事があるので、全体に100_ほど砕石 を敷き詰めます。どこから入れるかというと写真の木材を入れている250_X120_ほどの床下換気口からです。 そのため砕石を入れるだけで2日ほどかかり、深ボディのネコ車で30杯ほどになりました。 材料を出し入れするのはさきほどの床下換気口か厨房床の入り口しかありません。大引きは3600_ほどの長さが 必要なので厨房床の開口部からでは入れることが出来ません。そのため床下換気口から入る大きさの材しか 使う事が出来ないのです。もともと使われていた大引きは三寸五分(105_)X十一寸(275_)なのですが、 このサイズでは物理的に床下への出し入れが出来ません。そこで今回は2X10(38_X245_)材を写真のように 一枚ずつ換気口より斜めに差し入れて、床下の土台に載せてから三枚を結合する事としました。 大引きの高さが低くなる事による強度低下は、4本だった大引きを6本使う事で補う事としました。 |
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2X10材の両端を欠きこんで土台と垂木の間にななめにいれてから、叩いて移動させまっすぐにします。 そして三枚をコーススレッドで結合します。土台との接合部がそのままでは強度的に不足なので金物で補強します。 大引きが腐って床が下がっているところはそのままでは入らないので、油圧ジャッキを使い、床を持ち上げてから 2X10を入れていきます。大引きを固定し終えたら、古い腐ってしまった大引きを切り落とします。 左写真の中央よりやや左側の白くなっている部分が切り落とした大引きです。 |
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4本ある大引きの一番ひどい物はご覧のように 半分以上が腐食してしまっていました。 |
新しい大引きを入れたらその間にグラスウールを入れて、 その下からスタイルフォーム入れて、細く切った合板で支えます。 |
大引きの本数を増やし場所が変わった為、床下点検口と、床下スライド収納へのアクセスホールの場所を変えました。 右写真の黄色いガムテープの部分が元々の場所です。以前はアクセスホールがカウンターの下に半分隠れてしまい、 野菜の出し入れがしづらかったのですが、場所を移動させる事により使い易くなりました。 |
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切り落とした古い大引きは床下換気口からでは大きすぎて出し入れできず。床下点検口からでは 長すぎて出し入れできません。そこで腐って再利用の出来ない部分を切り落として、床下口から出す事としました。 |
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今までは床下が湿気て、冬場はその湿気が北側に面した基礎のコンクリート壁に氷ついてしまっていたので、 それを防止する為、床下には砂をひいて表面を滑らかにした上で防湿ビニールを一面に敷き詰めました。 コンクリ壁には防湿ビニールを張ってから、20_のスタイロフォームを張っていきました。 これで以前ほど床下が湿気る事がなくなったので、収納として使えそうです。 そこで出入りがしやすいようにはしごをつけて、床下にはスノコをしきました。今は味噌樽などを保管しています。 |
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しろーと大工さんのご参考までに・・・今回の補修費用は材料代は約7万円でしたが、私の労働力を人件費として 換算すると結構高くつくかも?今回は止むを得ず、床下に入り下側からの作業となりましたがこれが大変でした。 断熱材をはがせばねずみの糞は落ちてくるわ、グラスウールのガラス繊維が細かいホコリとなって舞い上がり、 (最近のグラスウールはしっかりしているのですが、一昔前の物は崩れ易くて、細かいガラス繊維が舞うのです) 首元襟袖がチクチクするは埃まみれになるは、防塵マスクをしたら保護めがねがくもって見えないわで大変でした。 断熱材をはがす時はまだいいのですが、下側から入れる時は更に大変で、頭の上から落ちてくる細かいガラス繊維や 繊維の埃との戦いでした。さらに床下は天井が低く立って歩けないので、常に中腰か膝をついての作業なので、 膝の皮がすりむけて硬くなって膨れてしまうわ、膝の関節も痛くなってしまうわで今までに無く疲労困憊でした。 正直言って今までで体力的にも技術的にも一番大変な作業で、もう二度とやりたくないです(苦笑) でもこれで安心して揚げ物を作る事が出来るようになり、精神衛生上大変よろしくなりました(笑) |